Goodbye Sweet Dreams

ロキー・エリクスン(Roky Erickson 一般的なカタカナ表記だと「ロッキー・エリクソン」が多い様ですが、この記事ではわたしが個人的に呼び慣れている表記で書かせていただきます)、お世辞にも知名度が高いとは言えないアメリカのミュージシャンです。The 13th Floor Elevators というバンド名だと、知ってる方もいらっしゃると思います。彼はそのバンドでヴォーカルとギターを担当していました。

The 13th Floor Elevators / Your Gonna Miss Me (1966)

典型的なガレージ・サイケバンドですが、この曲のマイナーヒットでビルボードのチャートにも登場しています(66年の8月に55位に初登場、その後2ヶ月チャート・イン)。この手のバンドにしては成功した方ですね。

さて、その後、ロキーは奇行を繰り返し、「精神分裂症(今では統合失調症と呼ばれていますね)」と診断されて強制入院されてしまいます。これはドラッグの乱用によるものだった様で、違法薬物所持で逮捕もされています。バンドの活動も一度、ここで止まってしまいます。この辺りは日本語版のWikipediaに記事がありますので、興味を持たれた方はそちらをご覧ください(機械翻訳の様ですけれど)。

今回、彼の事を書こうと思った理由は、そんなロック・スターの転落の事を書きたい訳ではないのです。ただ、この経緯を知った上で聴いて欲しい曲があるのです。

Roky Erickson / Goodbye Sweet Dreams (2010)

わたしは自分もバンドをやったりして来た上で考えるのです。ロック・バンドもプロレスラーもサーカスの団員も同じ様なものなんだなと。ミッキー・ロークが主演した、あの素晴らしい映画「レスラー」と同じ切ない美しさを、この曲から感じるのです。
ラモーンズは解散するまで、いや、メンバーが死ぬまで「ラモーンズ」である呪いが(祝福かもしれませんが)かかっていた気もします。
この曲で繰り返し繰り返し歌われる「Goodbye Sweet Dreams」というワードの一つ一つが、彼の心からの想いだからこそか、わたしの心をかき乱し、そして過去の呪縛から解き放ってくれる、そんな一曲です。

ロキー・エリクスンはこの曲を含むアルバム「True Love Cast Out All Evil」でカムバックしました。そして2019年にお亡くなりになりました。

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