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手のひらの操作で骨盤回転を誘導する

前回は「胴体はひと塊で回旋するのではない」ということで、胸郭・腹腔・骨盤の3つのセグメントがタイムラグをもって回旋することによって、腱の弾性エネルギー活用が促進されるというお話をしました。

ここで重要なのは「腱の弾性エネルギーを活用する」というアウトプットで、胴体回旋スキルはそのための一つの手段です。

しかし、ほとんどのランナーは胴体回旋スキルをアウトプットに繋げることができていません。

なぜそんなことが言えるかというと、このアウトプットに最も直接的に影響する「骨盤の回旋」ができていないランナーがあまりにも多いということが、ランメトリックスを使ったフォーム解析でわかっているからです。

ランメトリックスを使ってらっしゃる方であれば「動きの力強さ」というスコアをチェックしてみましょう。このスコアが極端に悪い、という方が多いんじゃないでしょうか?

また、ランメトリックス使ってらっしゃる方からの相談でも、最も多いのが「骨盤の回転(回旋)が全然出せません。どうすれば良いですか?」です。

それくらい、多くの方が骨盤を回旋することに課題を抱えてらっしゃいます。

そこで今日は、意識的な「骨盤の輪郭」を明確にすることによって、骨盤を操作する感覚を身につけていただくために、「腕」の動きからアプローチしていきます。

それでは始めましょう!

手のひらを返すことで骨盤の回旋を誘導しやすくなる

骨盤の回旋。ランメトリックスでは「骨盤の回転」と表記されてますが、ここでは同じ運動を指していると考えてください。

これは僕の感覚ですが、この数値が小さい場合、骨盤周囲の弾性エネルギーを活用している感触がなく、脚の筋力で頑張って走ってる感じがするんですね。もう、モノの見事に、この数値とバネってる感(弾性エネルギーを活用してる感)がリンクするんです。

そこで今回ご紹介するドリル動画では腕の動きから骨盤を操作していくわけですが、具体的には「手のひらの向きを操作する」ことによって、骨盤回旋を誘導していきます。

この手のひらの操作、もしかしたらナンバの身体操作とつながるところがあるかもしれません。ナンバのことに精通しているわけではないので、あくまで僕の感覚的なところではありますが。

ただ、以前もゼロベースランニングクラブのメンバーと「ナンバの腕振りにすると、なんか走りがいいんですよね」という話はしたことがあったんですね。

そのときは「なんでこの手のひら操作をすると、走りがしっくりくるのかなー?」という感じで、理屈がよく分かってなかったんですが、おそらく「骨盤の回旋」を誘導してくれるんだろうなーと最近では理解してます。

では、どのように手のひらを操作するんでしょうか?今日のドリル動画を観ていきましょう。

こちらからどうぞ。
https://youtu.be/-bNX_EUSpu4

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員