NHKドキュメント「72hours」は暮らしの楽しさにあふれていた

ある場所をじっと72時間見つめ続ける番組「72hours」。

アメリカ大統領選挙の結果がなかなか決まらず、じりじりとしか票数のグラフが変わらない2日間、まだかと思っていたまま週末に突入。仕事もずっと気が抜けなくて、息抜きを求めて「72hours」を見ています。川崎市の丘の上の動物公園を見つめる回でした。

通りがかる人をひたすら観察する。

ふと心が温かくなるような動作をする瞬間がある。

動物を見ながら考え事をしている人がいる。

声をかけてみると不意に人生の一端を話してくれたりする。

毎日の暮らしは大きくは変わらない。何か特別なことが起こってほしいと思いつつ、ずっと変わらないでいてほしいとも思う。毎日の変わらない暮らしの中で、小さな変化を見つけることが暮らしの楽しみであると思う。

今日は偶然猫が通りかかったとか、ずっと母猿にしがみついていた子猿が今日やっと離れて遊んでいたとか、いつも散歩にくる人が見つけられる小さな変化は愛おしい。いつも虫を見つけて記録に取っている人もいた。悩んだときにいつも動物園に立ち寄って、遠くを見ながら心の中に小さな決意を作って帰っていく人もいた。

毎日の暮らしの小さな変化は、大統領選挙のような騒がしさはない。社会を大きく変えるような活動でもない。社会を変えねば、社会に貢献せねば、自分の意見を作らねば、主張して人を動かさねばと思うことにつかれているのだろうか。小さな決意を積み重ねることはそれだけで気力がいる。決断できる量は限られている。

久しぶりに、ただ通りがかる人のひとりひとりにあるそれぞれの暮らしを見つめる時間をもらった。

暮らしの小さな変化を見つめるだけの心の余裕は持っておきたい。

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