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【ポケカAdvent Calendar2023】マイフェイバリットデッキ、サナレイドの卒業式をします【14日目】

本記事は、いちょー氏が企画したポケモンカード Advent Calendar 2023の14日目の記事です。

概要はこちら。

ポケカアドカレとは、クリスマスの25日まで毎日ポケカに関する読み物が楽しめる連続記事投稿企画です。今回の執筆者一覧です。


↓昨年担当した記事もご覧いただけると嬉しいです。

さて、前回の執筆者ジョニーさんからバトンを頂きました。
ヘッダーのエルレイドが偶々私の記事を示唆もしていて、センスの塊で100兆点のマナーでした。流石ポケカマナー講師!
面白い記事なので皆さんも読んで下さい。

今回は前回の企画記事でもご紹介した、私が一番好きなデッキ「サナレイド」についての愛や思い出を語らせていただきます。
出会いからD時代の話、新しくGが入ってきたときの変遷についてなどとにかく全部詰め込んで語ります。

そのため私の記事はエッセイ形式なので、もし、戦略戦術について知りたければ、次のような他の執筆者様の記事がオススメです。

あるいは、こちらのポケカの価格比較サイト「ポケカジラ」様にて寄稿させて頂いている記事↓(汎用カードをスタン落ち可能性が高いものにしるしを付けて紹介しています)がオススメです。


他にもシティリーグの環境分析記事↓(他の方執筆)などもあります


さて、ここからは本題の「サナレイド」デッキとの邂逅、の前にサナレイドデッキとは何かから語らせていただきます。

0.サナレイドデッキとは

サナレイドデッキとは、サーナイトとエルレイドを主軸にしたラルトス、キルリア、サーナイト、エルレイドのために構築したデッキです。
特徴的なのは、たねポケモンがラルトス4枚とゾロア2枚しか入っておらず(マナフィやザシアンVなども入れていません)、サポートがピン差しずつの、ラルトスラインの最終進化であるエルレイドとサーナイトが両方入っていることです。
ラルトスライン以外のポケモンはゾロアーゾロアークが2:2とグラエナ(がピンだけ入っていますが、主な役割としてはげんえいへんげからキルリアを出して修復したり、隠し味的にハッスルパークグラエナを出す程度で、メイン(主役)ではありません。(そこがゾロアークバレットとは異なる部分です)
あくまで主役はラルトス達(ラルトス、キルリア、サーナイト、エルレイド)なのです。だから、「サナレイドデッキ」として、今のサーナイトexデッキとは明確に区別をしています。(執筆者はサナレイドもサーナイトexデッキもゾロアークバレットも大好きです)

1.サナレイドとの邂逅(2022年4月)

サナレイドデッキなのですが、実は私が創ったものではありません。
昨年4月に出会ったポケカプレイヤーの方が創ったものです。その方が使っていたサナレイドと対戦して惹かれ興味を持ち、その場で借りて回して、いつの間にかサナレイドに惚れ込んでレシピを聞き出して同じものを帰りに組んだのです。

はじめてサナレイド達を借りて使ったゲームは今でも憶えています。

後手を貰ってバトル場はゾロア、デッキの持ち主はミュウ(ふしぎなしっぽ)スタートでした。後手1ターン目にラルトスを出せて、2ターン目にキルリアに進化してからのミラージュステップで盤面に4体の花が開くように並びました。キルリアのカードに描かれている白い花のようでした。

そして、盤面にはアルカナシャインのサーナイトにバディキャッチを持つエルレイドが並ぶ。相手はいちげきのメルメタルの非エクデッキで、インゴットスイング80打点をだしながら、次の相手の番に特性を持つポケモンからワザのダメージを受けないよう布陣を揃えた。

私の盤面にはアルカナシャインのサーナイト、バディキャッチのエルレイドしかおらず、特性がないダイナブレードのエルレイドは捨ててしまっていたため、メルメタルがインゴットスイングをし続ける限り、どうにもならない盤面。絶体絶命。

しかし、創作者兼対戦相手はまだ勝ち筋は1つだけ残っていると言う。私にも何となくだけど馬鹿げた手かも知れないけど、解った気がした。
だから、デッキの持ち主からの挑戦状に解答を叩きつけた。

ラルトスをベンチに出して、手前のエルレイドのらせんぎり(超無無)のワザの効果でダメージは出なくてもラルトスに超エネルギーを移す。返しにエルレイドはインゴットスイングを受け、残りHP80となったため逃がしてラルトスと入れ替える。そして、エルレイドにツインエネルギーを手張りして、ラルトスでワザあやしいひかりを宣言し混乱させる。

メルメタルは混乱した状態でワザ宣言インゴットスイングを打ったので、コイントス判定。裏が出た。そのまま30ダメージを受けてワザは失敗となり手番は終わる。私の番、相手が出していたスタジアム「スケーターズパーク」の恩恵を受けて、超エネルギーを手札に戻しながらラルトスを逃がしてエルレイドを出し、戻した超エネルギーを付けてらせんぎりで最後のサイドを1枚取った。

ビギナーズラックといえばそうなのだろうが、あまりに美しすぎた。

混乱のコイントス判定で裏になったこと、相手の出していたスケーターズパークで超エネルギーを回収できたこと、相手がサナレイドを誰よりも知っている創作者で、特性持ちの弱点を突いた完全な立ち回りをしていたこと、そして何より、私も相手も全力で勝負して楽しんでいたこと。

どれか一つ欠けてもこんなに美しい試合にはならなかった。

ポケカは相手が居るからこそ成り立つ遊びなのだと思い知った、本当に大切な一局でした。

サナレイドとポケカをする日々がこうしてはじまりました。

2.サナレイドと私(DEF時代編)

ここで当時のサナレイドの構築をご紹介します。 

サナレイド(元のレシピ)

当時はサーナイトexは生まれていなく完全な非エクデッキでした。キルリアを立ててミラージュステップで3体まで場に出して、サーナイト(アルカナシャイン)、エルレイド(バディキャッチ)、エルレイド(ダイナブレード)の進化先を使い分けます。

当時はリファインのキルリアも出ていないので唯一のリソース源のアルカナシャインのサーナイトで山札を掘って安定させ、毎ターン確定サポートサーチできるバディキャッチのエルレイドで好きなタイミングでボスの指令やらマリィ(今でいうナンジャモ)にセイボリーとやりたい放題しつつ、闘タイプのダイナブレードエルレイドで、場に出ているポケモンVの数×60ダメージのVが主体のデッキに刺さるほか、雷や無に弱点も取りながら各々を状況に応じて並べて戦います。

ラルトスラインがやられてもゾロア、ゾロアークからのげんえいへんげでトラッシュからキルリアを出して復旧でき、時折ミュウVMAXに対してはグラエナのハッスルパークによって、ワイルドタックルをエネルギーなしで打って320打点出してワンパンするギミック付きです。

ねっけつレッスンで300にされても大丈夫。バディキャッチから+30打点をあげるダンデで調整ができ、いざとなればベルトで+30もできます。ベルトはエルレイド(バディキャッチ)に巻けば、らせんぎり160+30でミュウVなら倒せるほか、ダンデを自身の特性で呼べば220ラインまで届くのでほぼすべてのポケモンV(たね)に届きます。

特筆すべきはピン積の8枚のサポートで、まさにエルレイドのバディキャッチが最大限に活かせるように設計されて、私がサナレイドで結構気に入っている部分の一つです。

非エクでワンパン出来るほどの火力が無くて、たねポケモンが6枚でマリガン何回もすることもあって、メインアタッカーのバディキャッチエルレイドのらせんぎりは強制的にベンチへエネルギーを移さなくてはならず、エネルギー6枚とツインエネルギー4枚を闘エルレイドやアルカナシャインサーナイトと計画的にやりくりする必要もある。

見ての通り、とてもトリッキーでテクニカルなデッキなので仲良くなるのに時間がかかりました。最初はアニポケ無印初期のサトシとピカチュウみたいでしたが、だんだん打ち解けていきました。

ですが、スタン落ちによる別れの時が近づいた去年、12月の今ぐらいの時、センチメンタルな気持ちになっていました。

エルレイドのらせんぎりを打つ起点になるツインエネルギーのスタン落ちで、-20されるダブルターボエネルギーを使わなければならず、正直、サナレイドではなくても良いし、どんなポケモンでもらせんぎり2パンで倒せるコンセプトも崩壊するので、デッキそのものが無くなるとお別れしなくてはと覚悟を決めていました。

だから、昨年のアドカレ企画では最後の記念にと、記事内で紹介もして気持ちの昇華をしました。

3.新生サナレイドができるまで(EFG時代編)

なので、サーナイトexの情報が出た時は目を疑いました。

あれ、まだこれツインエネルギーが落ちても、サイコエンブレイスで回せば戦えるのでは?と。

その日からEFG時代のサナレイドを考える日々がはじまりました。

実は今まで、自ら率先してサナレイドのカードを入れ替えるということはあまり積極的にしてきませんでした。元のレシピの完成度があまりに高く、それに手を加える気にはどうしてもなれませんでした。

元のサナレイドを受け継いだと言えるレシピにするにはどうすれば良いのだろう。元の構築の美しさを歪めずにどうしたら継承できるのだろうか。
試行錯誤を積み重ねました。

その結果、次のようになりました。

新生サナレイド

まず、キルリアがミラージュステップだけだったのが、リファイン3枚積んでます。ミラージュステップで出せたら嬉しいし、ミラージュステップの課題でもあった、サイド落ちのリカバリー力も改善しました。2枚くらい落ちていても、そのまま素だし進化させてリファインでリソース揃えながら、ふしぎなアメで3ライン目を立てて回していくこともできます。

また、新たなラルトス一族のサーナイトexが加わったのも大きな違いです。
この子はサナレイドデッキの救世主で、この子が居たからツインエネルギーのスタン落ちをサナレイドは乗り越えられました。
落ちたツインエネルギーの代わりに超エネルギーを積んで、特性サイコエンブレイスで2種類のエルレイドにもサーナイトにもゆとりをもって付けられるようにしました。

今まではメインアタッカーのバディキャッチエルレイドが基本だったのに、アルカナシャインサーナイトが青天井を出すメインアタッカーとなって、小物をバディキャッチエルレイドのらせんぎりで取りつつ、アルカナシャインサーナイトに付け替えて加速し、時折、ミライドンexやらアルセウスに思い切りぶっ刺さる(執筆者はサイド3‐5の状態から、レジエレキVMAX倒して逆転勝ちしたこともあります)闘タイプのダイナブレードエルレイドと、今まで以上に各々の魅力が引き立つようになりました。

また、サポートも新たにセレナ、ジャッジマン、ミモザ、ジニアが加わりましたが、今まで通りピン差しスタイルは変えていません。セレナは超エネルギーを落としながら手札を引けたり、少なくなってはいますが疑似的なボスも担当できるため2枚、ジャッジマンはマリィの代わり(今はナンジャモにして2枚で、セレナは1枚になって最終的にはさぎょういんに)、ミモザは修復や手札に来すぎたリファインを捨てて山札に戻せるのと、つりざおと異なりバディキャッチで触れられるため採用し、ジニアはしんかのおこうが落ちてしまったのでリカバリーに入れています。

Vが減ったのでベルトは無くして代わりに枠が無くて入れられなかったスタジアムを、DEF時代とは違い雪道ケアする必要もあるため優先しました。テーブルシティはコイントスで表が出たら、好きなポケモンを互いに持って来られるところがユニークで、多分、最初の試合の思い出を踏襲して入れているのだと思います。

4.エクストラのサナレイド

こんな思い入れあるサナレイドですが、次のスタン落ちこそお別れです。今度はデッキの根幹である大事なラルトス一族のサーナイトとエルレイドの片割れ、何よりすべてのはじまりだったあやしいひかりのラルトスはEなので、スタンダードでは使えなくなってしまいます。

てなわけで、エクストラ版サナレイドを作りました!

エクストラレギュレーションではBWシリーズ(2010年9月)から最新のカードまでのカードが入れられるため、スタン落ちしてもエクストラでは遊べます。ただ、前述した通り2010年9月からのカードプールとなると約23年分ともなるので、一人で最初から組むのは大変ですし知識も必要です。

なので、TDSチャンネルさんにあったエクストラ版のサーナイトデッキを参考にして、エルレイドも加えたものを作成しました。

ここからTDSチャンネルさんについてしばしご紹介させてください。
TDSチャンネルさんの対戦動画ですが、エクをあまり知らない私でも楽しく感じるほど素晴らしいです。
効果を丁寧に説明していたり、コメントでも一つ一つ丁寧に答えていたり、海外の方からのコメントにも英語で返されていて感動しました。
何よりTDSさんとごはんさんのプレイングも鮮やかで、一つ一つの所作も美しく、互いがリスペクトしあって楽しく対戦していて見てて大変気持ち良いです。

対戦動画も最高なのですが、特におすすめしたいのは1分解説シリーズです。その名の通り1分程度でデッキのことを解説されています。
構成も次の流れでフォーマットが定まって、1つの画面でそれぞれ紹介しているので非常に見やすく解りやすい。

  1. スタンダードでのあるあるな課題を2つまでに絞って提示

  2. 解決できるエクストラのカードを2枚紹介

  3. 実際に使った場合どうなるか、課題解決後のビジョンも提示

  4. 他のエクストラの強力なカードを厳選し3ブロックに分けて、戦術と合わせて提示

  5. デッキのコンセプトを〆に一言で提示

これ繰り返しますが1分でやってるんですよ?
しかも、私がポケカをはじめたドラパルトVMAXや現在進行形で使っているれんげきデッキ2つについてのスタンのあるある課題を見て、「うんうん、そうなんだよな」って共感できる内容で、クオリティもしっかりしています。

なので、エクをしたことがないスタンの皆さんにも、エクを楽しんでおられる方にもTDSチャンネルさんは特におすすめです。

話をサナレイドに戻します。
試作品として次のような形を作りました。

サナレイド(エクストラVer)

コンセプトとしてはソーナンス(がまんのかべ)で時間稼ぎをしながら、ラルトスからキルリアをミツルを使って立てて(エモいですし、何ならサナレイドにはミツルとエルレイドのスリーブ使ってます)、起点にミラージュステップしてキルリアを並べて、サイコミラージュサーナイトで超エネ2つ分カウントしてアルカナシャインでサイコエンブレイス絡めてどんなポケモンも青天井、バディキャッチで延々と支えるサナレイドデッキです。

ラルトスはテツノブジンをはじめとしたダメカンばら撒きを警戒しHP70かつテレポートブレイクでベンチに逃がせる種類にし(コメント欄でもこちらの方が良いとTDSさんが言及されています)、キルリアもミツルからのミラージュステップを狙いリファインと2:2、ギミックメインのサーナイトexを2枚、アルカナシャイン&サイコミラージュ(超エネ1枚を2つ分としてカウントする特性)サーナイト、エルレイドをサポートを毎ターン手札に山札から持って来られるバディキャッチ2、さきよみ(山札5枚みて並べ替える特性)をそれぞれ2枚ずつ採用しました。
また超ポケモンが多いこのデッキにピッタリながまんのかべ(バトル場にいるかぎり超ポケモン以外の場、手札、トラッシュすべての特性がなくなる)を2枚、テテフ(エクのネオラントV)をラルトスライン以外では入れています。

グッズについては完全にTDSチャンネルさんの動画構築そのままで、手札1捨てと引き換えに超かドラゴンタイプのポケモンを何でも持って来られるミステリートレジャーにトラッシュに不要なカードを山札から落とすバトルコンプレッサー、トラッシュのサポートを拾うバトルサーチャー、手札2捨てと引き換えに何でも好きなカードを持って来られるパソコン通信にトラッシュから1枚ポケモンを拾うか、山札に3枚戻せるレスキュータンカ、盤面のグッズとスタジアムを計2枚まで消せるフィールドブロアーなどエクならではのカードも入れています。

サポートはマリィ(今でいうナンジャモと似た効果で山下に無作為化した手札を送り、マリィは自分は5枚、相手は4枚固定)、N(手札全部互いに戻してサイドの枚数分引く)、グズマ(ボスの指令効果した後に自分のバトル場のポケモンをベンチと入れ替える)、ミツル(出たばかりのポケモンでも何でも、山札からポケモンを進化させる)、アズサ(たねポケモンを山札から3枚ベンチに出す)などエクならではのカードを採用しました。

プラターヌ博士は博士の研究と同じ効果で名前違いだけで、キバナはバディキャッチ採用するため非常に強く使えて相性良いと入れました。

カードを揃えてエクストラデビューさせる日がとても待ち遠しく楽しみです。

5.あとがき

どんな絶望的で不利な状況でも最後まで諦めないこと
最後の勝ち負けを忘れるほど、目の前の試合に全神経を集中すること
実力も運もその日の自分のコンディションとかも全部を含めてゲームなのだと全力で楽しむことetc

全部、ポケカにのめり込んで得た気づきです。

ポケカをしていくうえで沢山大切にしていることはありますが、
何より、ポケカは相手が居るから成り立つ遊びなのだということが、私がポケカにおいて一番大切にしている信念です。

最初の美しい一局も相手が居なければ生まれなかったのは勿論、サナレイド自体他にはない構築だったので、相手が居なければこんなに愛せたデッキと出会えなかったし、ポケカにもこんなにオーガナイザージャッジ資格を取るほどまでは夢中になっていなかったと思います。

だから、サナレイドは私にとって特別なデッキで、スタン落ちして対戦では使えなくなっても、一緒に過ごした時間は消えないし、ポケカと向き合い続けていく上で受け継がれていくであろうものも沢山あります。

以上、マイフェイバリットデッキサナレイドの卒業記念記事を執筆させていだきました。記事をお読みいただきありがとうございました。

次回はzbさんによるティーチングの記事です。zbさんはティーチングのティーチングをされている大ベテランです。
なのでティーチングイベントのスタッフをしている身としても楽しみです。







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