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ブレストレーニング:トロンボーン復活の為のレッスン(1)

楽器を吹くことは楽しいこと

口を壊してまともに音を出せなくなり始まったレッスン。

「楽器を吹くと恐怖心が増してしまうだけ」なので、ブレストレーニングと
ロングトーンを行うことに。楽器を吹く時間は15~30分で長く吹かない様に注意し、以下の練習を行うように教わりました。

ブレストレーニングの内容

練習①:事前準備(1分)
まず、練習の一番最初にすることは「楽器を吹きたいか」を考えましょう。気分が乗らなければ、楽器を出す必要はありません。楽器を吹くことで生活を立てるプロでないので『楽器を吹きたい』という思いがある日だけ練習をしてください。

練習②:ブレスチェック(4分)
メトロノームは必須。一般的な速度(♩=60)だとブレスと音を出す間が広く、色々考えてしまうので♩=92くらいの吹きやすい速さで行います。

(8拍ブレスの練習)
1,2,3,ブレス(1拍の間まっすぐに息を吸う),5,6,7,8

ポイントは、以下の通り。
 ・息の流れ(スピードはテンポにあわせて一定に)
 ・吸う→吐くの間に息を止めない事。
 ・手のひらを口に向けて息と一緒に動かす。息を吸うときに手を近づけ、
  5,6,7,8は手を遠くに動かしながら息が一定かチェックする。

練習②で大事なのは、息のリリースポイントを意識することです。
※私の場合は、音を出す怖さからか口の奥の方(喉に近い部分)から
 息を出していたため、唇の裏を意識して息を出すように指示されました。

練習③:アパチュア確認と音出し(2分)
ストローを使って、上下の唇の感覚を確認する。
(ストロー⇔楽器の繰り返し)
 ・ストローをくわえる。
 ・ストローが軽く潰れる程度に上下唇の圧力をかけて
  ブレストレーニングを行う。
 ・楽器で(p~mpの音量で)中音Fの音を出す。

※私の場合、「自分から口を開きに行く」癖がついてしまっていたためB♭ 
 の音ですらきつくなり息も足りなくなる事象が起こっていました。
 そのため、口を開きやすいmf~fではなく、音量は抑えてトレーニング
 していました。

練習④:豊かな音を意識する(3分)
アパチュアを意識して、練習③の口を閉じた状態を維持します。

ただし、先生からは「口を閉じることを意識するあまり、閉じすぎて音がつぶれたり細くなったり」する事が無いように、クレッシェンド→デクレッシェンドのロングトーンをするようにと教わりました。

ロングトーンイメージ

1,2でクレッシェンドして音を維持。7,8でデクレッシェンドします。

クレッシェンド・デクレッシェンドの注意点としては、音が「上下」に広がることを意識してはダメ!だという事です。理由は、イメージ的に口が開いてしまいやすい。また、音程も変わってしまい易いからです。

『身体が風船の様に横に広がるように』と先生はよく仰っていました。

練習⑤:ロングトーン(5分)
上記①~④を意識しながら、ようやくログトーンです。
①~④で練習した口を閉じた状態(注:あくまで軽く重ねた状態)を維持し、中央のFから4拍、8拍で半音づつ下へ降りていきます。

F→E→E♭→… → B♭ → A → F まで。

トレーニング時の心構え

たったこれだけの練習ですが、当時は全くできませんでした。特に、口が壊れていたため、音の最初が当たらず空気だけ出る「(……フゥー)パァーーーン」という状態が気持ち悪くてロングトーンも大嫌いでした。

そんな気持ちを見透かしてか、以下のアドバイスを頂きました。

・この練習はクラリネットのリード選びと同じ。続けていれば、あなたの唇はよく振動する(反応がどんどん良くなる)様になります。時間がかかっても、焦らなくて大丈夫。「鳴らす」のではありません。「鳴るまで待とう」気持ちで自分のリード(唇)がよく振動するように時間をかけて磨いていってください。息だけが出て音が全くならなくても何も焦る必要はないです。そのうち、勝手に出る様になります。

・この練習(Warm-up)では、「息」と「振動する」ことだけに意識してください。発音や音色は決して求めないでください。色んなことを同時にするとどんどん難しくなります。

この2つは、今でも私の楽器人生を豊かにしてくれる言葉です。
当時、「大丈夫。必ず鳴る。だから、鳴らないことを気にしない」
と声をかけ続けてくれた先生には感謝しかありません。











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