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一番東京らしい東京

西荻窪は東京の中で三指に入る好きな町 古
本 古物が沢山あって あまり車が入ってこな
くて歩きやすい 裏路地もあって 吉祥寺なんか
に比べると落ち着いていて 気取った感じがし
ない 音羽館という古本屋があって あまり大きな
店ではないが 多くの人が気に入っているよう
に私もとても気に入っていて 結構な値が他
ではついている本を何冊も手ごろに買った い
つだったか 開店何周年記念というのに出くわ
して ピンバッジをプレゼントしてもらったことが
あった しかしどこかに無くしてしまった 東京堂
でもらった布のトートに着けておいたはずなん
だけれど

昨年とってあって見ていなかった番組を見返し
ていたら西荻の特集があった そういえばおぎ
とはぎをよく間違えていたが最近 草冠に秋が
萩 と妻から教わった 獣が荻だね と確認し
た 

その画像の中で 福田拓也詩集 DEATHか裸
が画面に映って面白かった 去年 この詩集は
読んだ 色々な当て字が散らばっていて いつも
の福田節よりナンセンスの度合いが上がってい
て 凄みがあった いつもの福田節 と言っても
知らない人にはわからないだろうが 次から
次から言葉が洪水となってページを満たしていく
ような散文詩スタイルで ダーティー言葉もき
れいな言葉も区別なく土石流のようにページ
を埋めていく 三十年前から知っていたが ここ
数年 FBでつながった しかし私は去年FBを
やめてしまったので また遠くなってしまったが
書いたものは読んでいる 何だか 好きな人

西荻には流通にのらない 著者持ち込みの本
を扱う店が何軒かあるのを番組で知った 西荻
好き とか言いながらもう十年は行っていない
今は自分で本を作って売る というのが昔に
比べて容易になっているようだ 文学フリマ
というのもあるようだし そういう委託持ち込み
の店も増えたようだし お茶の水に地方集出版
流通センター 書肆アクセス というのがあって
時折覗きに行っていた 店の人がいつも忙しそ
うにしていた 人もわさわさといた 今はもう
無くなってしまった場所だ

東京っぽくない東京がいい といって西荻など
はある種一番東京らしい東京かもしれない 生活
の場としての東京 概して 中央線沿線は生活
のための東京で そこに特色のある店があつ
まって 住民ではない私のような人間がその
独特の空気に浸りに行くようなところだ 私に
とっては 上野や新宿はわさわさしたおまつり
だけれど 中央線は縁日の夜店みたいな町の
路線 渋谷は私にとってはきつい 目黒や恵比寿
や六本木麻布はほとんど行ったことがない ち
なみに六本木まで自転車でどのくらいかかるか
と計算したら二時間あればなんとかなるという
結果だった 車どおりの少ない夜に家を出て
朝帰ってくるような往復でもしてみようか いく
つか川を跨ぎ橋を渡る間に夜が明けてくるよう

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