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冥いカタルシス

物語をそれほど好きではない というより根気
の問題 若い頃から長篇が苦手だったが 老眼
が進み目の疲労がひどくなると長い読書自体
つらい そういえば 米国株式市場もつらい 経
済イベントを通過してクリスマスラリーが始まる
かと思えば当てが外れてつらい 株ツライ ツイ
ッターの株式クラスタではよくつぶやかれている
でもやるのだ これは私に課せられた業のような
ものだ とはいえ 中古車価格ぐらいずつ上下
する評価額を見ていると完全にクレイジーにな
っている こういう時に散財したりする えいと

長い物語が好きではない というより人間の
想像力がフルに駆使された壮大で長大な物語
がここへきてつらい これでもかと頭脳の中身を
見せつけられているようで 理解できるかと
問われているようで 迫ってくる感じがきつい
そこで 手軽に読めるエッセイなどに手が伸びる
今日は息子が計画年休なので隣町まで遠征
してきた 吉田修一の薄いエッセイ集を買った
そういえば近頃買った小説はまだ手を付けて
いない 黒井千次の短編集 そろそろ90歳に
なる文壇のおさ やはりこの人についても短篇
ばかり読んでいる たまらん坂 という短編集が
いい たまらんざか というと忌野清志郎の弾き
がたりもいい 歌詞が青臭い

そういえば長篇を含めて好きな作家で大石圭
という人がいる 私が一番好きなのは 処刑
列車 という長篇なのだが この作家のエッセンス
全部入れ みたいな 悪意 運 生まれなかった
もの 人間の醜さ 狂気 妬み そういった負の
想念が渦巻くいわゆる イヤミス のはしりみた
いな小説 本当に息詰まると読み返す 冥い
カタルシスに浄化され ひとときまっさらになれ
た気がする 負の側面は負としてきっちり凝視
したい 怖いもの見たさかもしれないが目を逸
らさない

その大石さんが新作について 編集者から
今度はシリアルキラーものを と注文されて 魅
力的なシリアルキラー!!! というのは難しい と
ツイートされていたので クレーマーを殺るシリ
アルキラーを描いていただけませんか? と返信
してみたところ 嫌われ者のクレーマーをばた
ばたやる殺人鬼 いいですね 検討してみます
とのお返事を頂いた そして先ほどのツイートで
新作のアイディアが浮かんだ とのことだった
ので アイディアが採用されるといいなあ など
と夢想している クレーマーという人にも色々
気の毒な事情があって 寂しさをこじらせている
ようなケースを仕事時代よく見てきたが だから
といって理不尽な要求が許されることはない
大抵自意識と被害者意識が肥大している性格
のように見受けられた クレーマーも結構類型化
できる 小説の世界なのでスカッとやっちゃって
いただければと

そういえば今日は勤め時代にクレーマーと格闘
していた隣町の駅周辺まで行った 私がいた頃
とは微妙に町並みが変わっていて 少し寂れた
ような その代わりに駅近くにタワーマンションが
建っていたり 路地が潰されてレンガ通りにな
っていたり 以前からあった店もつぶれたりま
ったく違う店に変わっていたりと 記憶と照らし
合わせながら歩いた 聳えるタワマンを見上げ
ると見事な青空 雲ひとつ流れていずしかし
隣町というのはどうにも好きになれない 幾つ
かの区市と隣接しているが 日本一子育てのしや
すい町だとか 住みやすそうな町ベストいくつ
とか 隣から見ているととてもそうには見えないの
だが 住めば都 贔屓の引き倒しで自分の町が
やはり一番落ち着くが 出来れば一度中央線
沿線 西荻窪などに住んでみたい気もしている
と書き終えようにも米国先物指数が結構な下げ
株ツライ

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