花見川
花見川
夢では高頻度で高校生に引き戻される。夢の授業は殆ど受けていないし、体育館での夢の集会に合流する気もない。タイミングが合わないのだ、と落胆しながら人のいない教室を通り過ぎる。
夢の教室は町工場にグラデーションしていき、廊下の向かい側は線路になっている。傘を探しに戻ろうとしたところは町工場の事務所で、傘詰め放題のような傘立てから抜き取った蝙蝠は本降りに負けて役に立たない。靴は泥にまみれ、歩くうち靴自体水没させながら暗くなりかけた県道の交差点で信号を待っている。
ここは花見川に至る登り坂の始まりだ。川までは雑木林が続く人の歩きが少ない道。舗装の陥没に靴を踏み手で泥を洗い落とした。じゅぶじゅぶと音を立てて靴から泡がわいてくる。
たしか、川べりで違法な菜花栽培が蔓延していることを思い出した。イリーガルな菜花か栽培が違法なのかそれとも両立てか。
高校の時分にはなかったこのような問題をレポートすれば夢の高校を卒業できるかも知れない。坂をあがっていけば目処がつくと確信していて、安堵の気持ちが目を覚ました。
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