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芙蓉と扶桑

本当は16歳から付き合い始めたのだが
彼女はもう大学を卒業しようとしている
私には彼女より三歳下の娘と15歳年上
の妻がいるつまり彼女を小さな温室に
閉じ込めてゆっくりと立ち枯らせして
いるようなものなのだが彼女は
別れ際にいつもありがとう
と若い肌に特有な
すぐ戻る微細な

を瞬かせて微笑むのだ

と妄想を綴り阿保らしくなりながら
立ち枯れた芙蓉の花に水やりに行く

温室の中で立ち枯れていく彼女は
何の後悔もないというのでかえって
私の方が雑踏で周りを気にすること
もなくやや号泣に近く泣いてしまった
そして彼女は自ら温室で芙蓉の花
になって立ち枯れて行ったのだった

と綴りながら芙蓉の花ってどんな
だっけと調べたところ川の上に
雑駁に渡された鉄板の上に咲いて
いた白い花がそうだった
ついでに扶桑と芙蓉を間違えて
書いていたのでトラックかよと
心に突っ込みながらすべての
扶桑を打ちなおした
ちなみに扶桑も調べたところ
中国の
伝説の
巨木だ
そうだ

温室の中で立ち枯れていく若い巨木
芙蓉の花は夏のドレスみたいなふさふさ
した花だと思っていたのだが
すべては勘違いと言うわけだった
まっすぐな茎にフレアの芙蓉以上
薔薇未満のあの花は何の花だろう
私が芙蓉と思っていたのは

白地に薄桃や淡い赤のレイヤー
乳児のこぶしくらいの厚い花
咲いていたら撮っておきますね
教えてくださいね






ヘッダーの花は無関係ですが こんな感じの茎にもっと重ね着したような

薄い花びらのたくさんついた花です

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