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自費出版
自費出版
自費出版は思ったよりも簡単にできた。今から二十年以上前の私の場合。ある仕事で印刷所と取り引きすることになった。そこで、個人的に冊子を作りたいと相談をしたらいいですよ、となり、それから二三ヶ月程度で本ができあがった。
原稿はPC作成のMSDOS形式で、フロッピーで入校した。デザインは好きな漫画家に出版社気付けで依頼し、幸いにも承諾していただけた。原画は今でも額に入れて飾ってある。
表紙の紙は確か、文具のイトウヤの全紙取り扱いの店で好きな物を選んできた。それを印刷所に持ち込んだと思う。中表紙、本文その他の用紙はは印刷所で選んだりある程度任せた。フォントも提示された物から選んだ。本文については三校までやったと思う。編集、表紙デザインは自分でやった。
ここで一つ、参考までに言うと、表紙をカラーにすると印刷代が二倍になる。安くあげたければいかに単色で格好良く表紙をデザインできるかがとても重要だ。こうしてとりあえず本はできた。三百部で当時三十万円ぐらいだった。全部ブロに任せてきちんとした、書店に流通する本にすると最低でも百万円はかかった。それはいまも同じだろう。
できた本は帯も何も付いていない。そこで、近しかった詩人の方々に栞文をもらった。それを色用紙に、さらに帯も自分で作り、コピーして一つ一つ挟んで巻いた。
そして本は完成した。が流通させる手段がない。半分は物書きの人たちに献呈した。それで郵送代が数万円。ほかは直販を取り扱ってくれる本屋に行っておいてもらった。また、マイナーな文芸雑誌ではあるが、全国流通誌に広告を出した。それが三万円程度。全部でかかった費用は四十万欠ける位だったろうか。
当時は世に自分の作品を問う手段はこんなことしかなく、というか思いつかず、とりあえずすべて自分でやってみた。今はブロクなりサイトなり、人目に自分の文章をさらすことができるのでこんな苦労しなくてもいいかもしれない。電子書籍という手もあり、手間は自分で紙の本として出版するよりかなり手軽に出せるようだ。しかし、いつか、暇だけはふんだんにあるので、紙の本をまた出版してみたい。
ちなみにこのような形態の本を「私家版」というようだ。流通させたいのならやはりプロの出版社に任せた方がいいだろうと思う。お金があれば。
付記
今は本を作るだけなら
10万円かからぬ世界 カラー表紙でも
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