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月を撮る

月を撮る

リコーGRはとてもいいカメラだと私は思う。気に入っている。玄人の視点ではどういう評価か知らない。しかし、素人としては簡単で自分が気に入る写真が、高確率で撮れるのがいいカメラだ。ただ望遠が効かない。近くの物を撮る専用になっている。

望遠撮りたい。ということで先般、光学三十倍のコンデジを手に入れた。月を撮りたい。そして、撮れた。

珍しく、比較的からりと晴れた日の夜、月が出ていないかと窓の外を見たら出ていた。窓から少し、乗り出すようにして、窓枠で体と手を支えて、月にレンズを向けてみた。最大望遠にするとデジタルと合わせて六十倍となる。その倍率だと少し手がずれただけで被写体を見失う。倍率を下げて、月をとらえて、倍率を上げる。そして、静止しているつもりでも微妙に振るえている手の動きを意識せずにはいられない中、シャッターを押していく。

デジタルの利点、何度も何度も、シャッターを切る。昔はシャッターひとつに入魂みたいな感じだった。今は気楽。しかし、なかなかうまく撮れない。

しばらく、窓から身を少し乗り出して、夕方の渋滞真っ最中の国道の上空の部屋で、月にシャッターをぱしぱしと当てていた。撮れた月にはクレーターも写っていた。こうなると今度は、光学六十倍のコンデジが欲しくなる。そのうち入手するだろう。そしてまた、月を撮る。

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