黒猫
黒猫
野良猫はきつい顔をしていた。石段の登り口に二匹でいて、オレンジ色の粒々を食べていた。金木犀の花に似ていたが細かい柿の種だったのだろうか。黒の子猫。
一月ぶりに外出した。半年ぶりの川べりだった。レンズから覗くと鳥やごみばかりが目についた。台風が過ぎたのだ。
雨風の際の猫は上方の茂みに身を隠していたのかも知れない。日曜日に降りてきた。
黄色い目玉を何度かこちらに光らせはしたが、気にとめられている風ではなかった。後で見ると黒い毛の固まりが古い階段に膨らんでいてどのような格好なのか潰れていてわからなかった。
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