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3行短文(詩?)を提唱します

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4文字または4音 4節 3行 定型短文(詩?)を提唱します この方法による作例を 提示していきます
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2020年5月の記事一覧

定型短文(詩?)を提唱します その13 ひねもす

怖いん ですけど 真昼の 公園 誰かが いたって 誰もが 帰って ひとりに なるのが 怖いん ですけど 隣の 玄関 監視の カメラで ひねもす 見ている おこもり 巨漢が 刃物で 畳に 正の字 刻んで だいたい いくらで 売ってく れますか アクリル の中に 封じら れている 少女の ちいさな 関節

定型短文(詩?)を提唱します その12 よそもの

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  #方法詩(文)? 記憶を   なくした   記憶を   なくした ともあれ  記憶を   なくした   からには もいちど   訪ねて   行っても   いいよな 公営   プールを   ちらりと   横目に 走った   電車に   乗り合わ   せている 水着の   ネアンデ ルタール   人たち 水辺に   たたずみ   手を振る   お前を 死んでる   はずだと   無視して   過ぎれば 私を   叱った

定型短文(詩?)を提唱します その11 ふわふわ

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  #方法詩(文)? うしろに  ならんだ  イギリス   帰りの 昔は    これでも    ならした    ものだよ 所持金   わずかに  小父さん   はらぺこ 近所の   やさしい   猫好き   小父さん スナック   由美子の   世話好き   小母さん 出会って  半年  現場は  血の海 配列   文字列   ミロの絵   のような 付加価値   平等  マルクス   のような あなたの   残した  

定型短文(詩?)を提唱します その10 ひぐらし

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  軍国  精神  父から  学んだ ゆびさき  ひとつの  なりわい  諦め 真っ赤な  西風  にんげん  戻して とんだり  跳ねたり  していた  サキュバス 瓦で  炒めた  焼肉  平らげ もてなし  済んだら  しばらく  お別れ ひぐらし  かすかに  くれゆく  貯水池 なくした  時計が  見つから  ないのと 玉網  のばして  水へと  帰るの いいから  いいから  財布を  取り出し いいか

定型短文(詩?)を提唱します その9 目くばせ

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  チーズの  支払い  まだだよ  今月 安否の  確認  いつまで  続ける 夜露の  かみさま  ちからを  ください 山田の  隣に  青山  座らせ 遠くの  愛撫を  実況  しながら 逝く夏  戻して  アイスを  尖らせ 殺して  もらって  ありがと  言われて 覚えも  ないのに  照れてる  男が 屠った  いのしし  流れた  リンドウ 市場の  台車に  書かれた  符合と ひそかな  指令

定型短文(詩?)を提唱します その8 小切手

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  システム  忘れて  日向に  うたたね 子猫の  くしゃみで  帝国  崩壊 ひまわり  咲くころ  はじまる  見せしめ 訃報の  多くは  知らない  ひとたち マイナス  続きの  日経  平均 おおきな  スイカも  重たい  荷物も 学んだ  気がする  麻薬を  ください 信じる  ことだと  でまかせ  先生 電話の  番号  トイレに  貼り出し プリズム  問屋を  都内で  探して 仔犬も

定型短文(詩?)を提唱します その7 転生

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します あなたの  芝居を  知らない  私は カマキリ  つかまえ  頭を  外した それでも  死なずに  私は  しあわせ 疎開の  土地では  地主の  倅が 東京  何ぞと  子分を  束ねて 足腰  立たなく  なるまで  夕焼け 燃え立つ  東京  筑波の  裾から 冬空  のさなか  たたずむ  一家の 防空  頭巾と  はるかな  地鳴りと 悪くも  ないのに  謝る  癖なら 雲母の  箱から  まごころ  捨

定型短文(詩?)を提唱します その6 ロータス

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します 夜明けの  寸前  目覚めた  ロータス 開花の  音すら  かき消す  吐息と 押さえた  頭と  薄れる  花芯と 花嫁  姿に  よく合う  長ドス 夜更けの  布団が  切り付け  られれば おいどの  切れ目に  咲くのが  紫陽花 隊長  みずから  誤解を  恐れぬ つめたい  プールの  全体  点検 全裸の  どこかで  波打つ  松明 君には  トカゲの  たましい  あげるよ ありがた  

定型短文(詩?)を提唱します その5 ドラム

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します  友達  友達  そのまた  友達 いるんだ  確かに  つかない  嘘など 来たんだ  夕べも  嘘など  つかない ドラムが  叩けて  ベースも  こなせて いいんだ  今更  なかよく  できない せつない  思いも  西陽の  日陰に 後ろの  冗談  死人を  背負って なにくわ ぬかおで  ふたたび  とびこみ もしもの  生米  そなえに  しのばせ ラジオの  天気は  テレビと  微妙に

定型短文(詩?)を提唱します その4 古地図

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します 死んだら   会えない  ほんとに  そうかな ほんとに  そうかな  生きてる  限りは 手加減  しないで  クラブを  振りなよ 恋する  惑星  愛した  マレビト ゆっくり  流れて  ラウンド  アバウト 古地図に  しるした  たらいの  落書き 先帝   無視する  子供の  王様 おかわり  あります  炊き込み  ご飯の 肋骨  数える  女官を  叩いた 人参  の花は  小さく  白くて 背丈を

定型短文(詩?)を提唱します その3 鎌倉

4音4節3行の 定型短文(詩?)を提唱します ランダム  国々  入れ替え  条約 カナダと  国境  接した  中国 あわてて  海から  大陸  上昇 殲滅  対象  地区A  地区B 作戦  ネームは  マリリン  モンロー 賑わう  朝市  敵など  かげろう 鎌倉  帰りの  電車に  乗ったら 少女の  写真を  見ていた 男が 小声で  つぶやく  私は  鎌倉 革命  政府の  屋上  庭園 メイプル  シロップ  瓶ごと  落として 粛清 

定型短文(詩?)を提唱します その2 手紙

加害者  被害者  仲良く  水際 発見  したのは  羆の  ジェームス 死体を  抱き上げ  小躍り  しながら たきぐち  修造  みたいな  老人 トイレに  逃げこむ  替え歌  忘れて 警官  到着  妖精  反逆 安全  無類の  アクリル  水槽 希望の  朝まで  光は  射さない 彼女に  狙われ  親子は  さまよう いたずら  ばかりの  子供を  連れ去り 山中  深くに  楽しく 暮らして 仕返し  されたら  あなたと  引き分け

3行短文(詩?)を提唱します

3行 4文字または4音 4節の 定型短文(詩?)を提唱します この方法による作例を 提示していきます 以下 作例 カナダの 小屋から 逃げ出せ シロアリ 合図と 秘密で 女王を たおして 自由を 勝ち取り ワインは 全滅 水晶 とんかつ どちらを 商う 悩んだ 借金 挙句の 相殺 ひぐらし 鳴いても 帰らぬ ノラ猫 宇宙の 軍隊 創設 アメリカ UFO まとめて 地球へ 襲来 火災の 中から 少年 手を振る 浴衣の 流れる 君から 液体