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第19聲 人生初の研究論文「音声学を活用した声優演技音声指導概論〜演技で音声は何を表現したらいいのかとその指導法の考察」長塚全(Zen Voice Factory)


歌唱指導のボイストレーニングよりも、より声優を目指す方向けの演技指導は精神論に偏りがち(曖昧な)なんじゃないか!?と感じ、音声学、言語学を勉強する中で声優さんの演技指導に画期的に応用できると考えた事を今回論文としてまとめてみましたので公開致します。

論文は下記よりダウンロードしてお読みいただければです。

ボイストレーナーになって9年、歌唱におけるボイストレーニングはかなり感覚的なものが多く、自分自身もそのようなトレーニングを生徒として受けてきました。

しかし、それでいいのか??、そんな曖昧なレッスンでいいのかと考え理論的に紐解き、歌唱における発声指導は概ね科学的に理論的になったかと思いますし、ボイストレーニング業界でも以前よりも理論的なものが増えたように思います(まだ圧倒的に感覚的トレーニングがプロの世界でも多いですが)

僕は担当している方々に最近は声優さんが多いのですが、近年のアニメ人気か、声優さんになりたいという方が多いのか、はたまた僕が、ボーカルだけでなく演技もしていたからなのか?とにかく多くいらしてもらっています。

その指導をしていて現状の声優業界の演技や発声の指導を耳にすると、よもや歌唱よりも精神論な指導が多いのではないかと思います

歌唱よりも演技の方がより、精神論に行くのは何となくわかる気がしますが、、、

大きい声を出すためには「声が皮膚を越えて壁を越えて街を越えて地球に広がるイメージする」と養成所の先生に習ったと聞いて驚愕しました、本当にその感覚で大きい声を出しているとしたらミラクルすぎるというかアーティストすぎる笑。しかし指導者としてはNGすぎる。声は音は空気の振動ですからね。

無論、感覚や精神論でできてしまう方々は素晴らしい能力ですし、本来それで良いのではないかと思う所もあるのですが、僕はそこで上手くできない方への別のアプローチもいいんじゃないかという形です。

日本は特に感覚、感情至上主義といいますか、「技術じゃない気持ちだ」とか「技術があるのはわかるから感情でもっとやってみて」など聞きますが、皆人間ですから「感情がある」のは当たり前でその感情をどうエンターテイメントとして他者に伝えるかそれは技術で、その技術を持ってるから「プロ」なんだと思います。

また沢山の声色を使いこなさなくてはいけない為、無茶な発声をしているのか、声優さんで「結節」を作った経験がある方が結構多い現実を見ます。

そういった発声改善にも何か繋がるかと感じます

歌唱の科学的、理論的な知識を得るために音声学、言語学、音響学と学んでいるうちに、「あれ?音声学ってむしろ演技は歌唱より直結で役立つ、というか、むしろ演技そのものじゃない??」って思う事が多く、なぜ役者や役者を指導する先生と言われてる人が出入りしていないのか疑問に思うくらいでした。音声学や言語学では「人が会話をし感情表現をする際に何が起きているか」を研究している事が多く

それは演技に直結するわけです。

僕がここ数年で指導をしながら、そして音声学、言語学、音響学の研究者、先生方から学んだ知識を「芸能音声教育」(と僕は呼んでいる)に応用して考えたものを人生初の論文にしました(論文として成り立ってるかわかりませんが)

いかがでしたでしょうか?引き続き「芸能音声教育」の研究をして行きたいと思っています。

重ねて音声学、言語学、音響学の先生方に深く感謝申し上げます。芸能音声教育にこんなにもピッタリな分野がある事を多くの方に知って頂きたいです。

引き続きご指導宜しくお願いいたします。

Zen Voice Factory  長塚 全


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