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「社長を卒業・VR使った対話の達人を目指す」 Heart Beat Square 関 彩(いろどり)主人 大野雅孝さん


●VRを体感してみた感想は?

三木:今日はzenschool卒業生の大野さんをお迎えして『VRと対話、その可能性を語る』ということでお話をしていきたいと思います。大野さんよろしくお願いします。

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大野:よろしくお願いします。

宇都宮:トーンが低いですね。

大野:よろしくお願いします(声高め)!

宇都宮:声を高めでお願いします。

大野:承知しました。

三木:今日はVRの中で大野さんが登場するのは初めてなんですが、VRを体験してどれぐらいですか?

大野:買ってからはひと月ぐらい経ちますけど、使った頻度は非常に低いです。

宇都宮:11月になってから?買ったの。

大野:あれは何日でしたっけ?このQuest2が出たのは。

宇都宮:2が出たのは最近ですね。10月ぐらいだったと思う。

大野:すぐ頼んで2週間ぐらいで来たんでひと月ぐらいは経つんじゃないですか。

宇都宮:どんな感じですか?VRって。

大野:最初は景色を見たりとかしてたんですけど、結構色んな国に行ってみたいなことを最初はやってたんですけど。

三木:色んな国?

大野:色んな国の映像とかまずは試して。ゲームをやらないので画像系とかアート系のものを見てましたね。

宇都宮:何か違いました?YouTubeとか見てる感じとは。

大野:やっぱり没入感というか空を飛んでるようなものは空を飛んでますし、360度見れるというのは結構初めてだったので新鮮でした。

宇都宮:酔ったりしませんでした?

大野:酔いました。

宇都宮:酔いますよね。結構動き過ぎると酔っちゃう。だから酔わない工夫というかあんまりむやみに動き回らないほうがいいですよね。

大野:そうですよね。あんまりキョロキョロしたり動いたりすると酔いますね。

宇都宮:まったりとかしてるのはいい。

●zenschoolVRマスターになるためにOJTでzenschoolVRに参加

三木:我々のzenschoolっていうのを一緒に今やってる感じなんですよね。

大野:そうですね。参加させてもらってます。

宇都宮:zenschoolマスターにも急遽なることになって、zenschoolVR今度やるからということでOJTで参加していただくことになって。今回の受講生の方は直接面識のある方だったんですよね?

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大野:そうですね。皆さん知ってる人。

宇都宮:中易さんと加藤さん両方とも。

大野:そうです。製造業の知り合いだったので。

宇都宮:zenschoolVRいかがでしたか?抽象的な聞き方ですけど。

三木:zenschoolっていう自社商品開発とかイノベーションの学校をもう我々9年やっていて、コロナになって濃密な空間で対応するのがなかなかできないので、その代わりこのVRを使ったzenschoolVRを11月から始めて。大野さんはそこに興味を持っていただいて、まずVRを使ったzenschoolVRを実践できるzenschoolVRマスターになるということで一緒に参加いただいてっていうところですね。

大野:そうですね。

三木:何でzenschoolVRに興味を持っていただいたのかっていうところからちょっとお話をしたいかなと。

大野:はい。福祉の業界もちょっと興味がありまして、そちらもバーチャルの世界で可能性があるということを文献で読んだことがあったので可能性あるなと思っていましたし、三木さんや宇都宮さんがこの中で対話が可能であるということをおっしゃられたので、それはぜひこの身を持って体験をしたいなと。

三木:すごい早かったですよね。

宇都宮:すぐ決めちゃったよね。

三木:1回僕らとこのVRの中で対話してすぐマスターコースにお申込みいただいて、何がインパクトだったんでしょうかね?

大野:没入感みたいなものはありましたし、このヘッドセットを被って話をするというのに結構話しやすいなというのを私自身が感じたところはありましたね。

宇都宮:リアルに人と話すよりちょっと違いました?ヘッドセットして話すって。

大野:そうですね。それは感じましたね。

宇都宮:どの辺が違うんですかね?

大野:やっぱりアバターだからかな。ちょっと分からないけど。

三木:この空間もすごいサンフランシスコっぽい感じで海の音が聞こえる。

宇都宮:あと社長業を卒業されたこともあるんじゃないですか?時間的なものとか制約とか。

大野:そうですね。家にいるという制約が今あるので、そういう意味では外に出にくい状況にいるので、VRならどこにでも行けるじゃないですか。

宇都宮:ネットがつながってれば大丈夫です。逆に外に出たほうがネットにつながりにくいので。

大野:そうそう。家にいなきゃいけないっていうわけじゃないですけど制約がかかってるので、そういう意味ではVRが自分にとっては有効な外出の手段だったかもしれないですね。

宇都宮:外出ね(笑)。確かに外出。

大野:外出(笑)。

●アバターの表情を読み取る「人形浄瑠璃エフェクト」に脳が進化。

三木:zenschoolVRに参加して感じたことってありますか?実際に対話をずっと横についていただいて受講生の様子とか見ていただいてたかと思うんですけど。

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大野:最初は表情とかは当然アバターなので分からないんですけど、声のトーンとかは当然伝わってくるので、そこで動きが出たりとか人によって体の反応が出たりとか。

三木:体のこういうね。感情がね。

大野:「あ、するんだ」みたいなところはやっぱりありましたね。

三木:一生懸命になるとこういう風に腕のボディジェスチャーが出てくるんだよね。

大野:ボディジェスチャーも出てきて、最終的に錯覚かもしれないんですけど表情が見えてくるっていうね。

宇都宮:そうそうそう。

三木:そうですね。浄瑠璃人形ってありますよね。人形なんだけど、その人の脳が作り出す表情がそこに生成されるのと同じように、話の内容とか状況とか関係性によってそのアバターに表情が発生するんですよね。これは日本人だけの脳なんですかね。海外の人でも同じようなアバターに表情が出てくるってあり得るのかな?日本人の脳だからなるのか分からないけど。

三木:ちなみに、わたしはこれを「人形浄瑠璃エフェクト」と名付けました。(笑)

大野:でも3人で「今笑ったよね」とか言って。

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三木:アバターの表情が変わって見えるんですよね。

宇都宮:僕だけでもないし、三木さんだけでもないし、大野さんだけでもない。3人が3人とも同じシチュエーションで同じような情報を受け取って脳のシンクロが起きてるっていうか…。でも場所は全く違う場所にいるわけじゃないですか。肉体自体は。僕らは鎌倉だし、大野さんは岐阜にいて、だけどシンクロしてましたよね。

大野:それはありました。だから不思議でした。

宇都宮:表現しづらい体験ですね。他に表現ができないっていうか。

大野:そうですね。やっぱり体験してみないと分からないこともありますし、面と向かってるって錯覚された受講生の方もいるし。セリフで出ちゃうっていう。

宇都宮:Zoomでは逆に言うと起きにくいんですよ。リアルな動画としての表情を見てるんだけど、シンクロしてるような感じはないんですよ。

大野:確かにそうかもしれないですね。

三木:何か衝撃でしたね。今リアルに対面してるっていう言葉がその受講生から出た時に「いや、それすごいわ」って。この錯覚度合いっていうかリアル感がこっちもびっくりして。

宇都宮:僕らもzenschoolVRできそうだっていう確信を持って企画をしてスタートさせましたけど、あくまでも仮説でしかなかったんですよ。

三木:そこまで意識変容が起きるとは思ってなかったので。

宇都宮:大野さんはzenschoolを受講されたから分かると思うんですけど、リアルでzenschoolしてる時って結構時間をかけて自己開示をして対話する感じだったと思うんですね。特に大野さんみたいに歯ごたえがある人はなかなか自己開示ができなかったと思うんですけど、今回VRだと割とあっという間だったでしょ?

自己開示

VRの中での自己開示

大野:そうですね。早かったと思います。

宇都宮:大野さんはリアルにご存知のお二方ですけど、リアルでお会いして対話した時とまた違う風情が…

大野:違いましたね。「あ、そうだったんですね」みたいなことはあったんですね。

宇都宮:そこがすごい効果ですね。すごくおしゃべりになってましたよね。

三木:ほとんどしゃべらない方が饒舌に自分のことを語ってましたよね。

大野:もうロボット的になるんじゃなくて本当に何て言うんですか…

三木:人間になっていく。

大野:声のトーンは上がるし、早口になるしっていうのはありましたね。

三木:実際このVRを使ったセラピーがアメリカではかなり研究されていて、カナダのモントリオール大学のセラピーでは精神疾患の方に対して自分の患者さんの声をサンプリングして患者さんの声自身でセラピストが語りかけることによって劇的にその疾患が改善して、そのセラピーの後の3ヵ月の追跡調査でも患者さんのQuality of Lifeが非常に上がったっていう結果が出てたりとか。あと早稲田大学の研究でも鬱っぽい心がどんどん減って元気な心が出てくるっていう結果が出てたりとか。まだ日本では本格的にその辺の研究はないんですけど、欧米ではかなり研究されていてっていうのがあるんですね。実際にそれを色んなワークショップに使ったりとかそういう研究もまだないので、たぶん我々はこういうワークショップ分野では最先端にいると思うんです。実際にこれから受講生がどういう変化を起こすのかっていうのは研究段階なんだけども、今のところかなり好ましい状況が生まれてるのかなっていう気はしますね。

大野:なるほどね。

●zenschoolVRの記録は講師の育成にも効果的

宇都宮:僕らがもう一つ気づいたのは、大野さんはOJTとして参加して実際zenschoolを2日間見ていただいたじゃないですか。実はこのエンゲージの中で記録を取ってあって、zenschoolが終わった後に大野さんと一緒にその記録を見ながら色々反省会をしたじゃないですか。あれってすごい今までにない経験で。

反省会

VR記録を見ながらの反省会

大野:確かにそうですね。

宇都宮:現実は記録ができないんですよ。写真とかビデオでは撮れるんだけど、VRの中の3次元情報がそのまんま記録されてるから、反省会の時にポジションこっちのほうがいいよねとかこの言葉がこういう風にきてこうなったんだっていうことがありありと分かったじゃないですか。

三木:受講生に声をかけるのか、あるいは沈黙が訪れたらここはちょっと待ったほうがいいとかそういうのも学ぶことができるので、対話の練習がすごい…

大野:そうですね。確かに。

宇都宮:大野さんが見てたわけですよ。あの時って。

大野:そうですね。私もそこにいますからね。

宇都宮:そんな経験まずないですもんね。幽体離脱してるようなもんで、しかもその中の登場人物は自分でもあり三木さんでもありそのまんまのスタンスで対話してるのを全く第三者で眺めてそこを…

大野:超俯瞰して見てる感じですね。

宇都宮:そう。俯瞰した状態で反省会してるっていうのは講師としての育成にはすごく効果的だって改めて思って、そっちのほうが価値があるのかなって。

大野:確かにそうかもしれないですね。

宇都宮:実際OJTって製造業でもよくやりますけど、なかなか難しいじゃないですか。同じようなことができないし。

大野:頭の中のイメージが話してるその人達が一緒だとは限らないですからね。これの場合もう目の前にあるので、逆に逃れられないし。

宇都宮:しかも記録だから何回も再生し直したりもできるし、色んな方向からも見れるっていうのはすごいことだなと思って。そこにまた新たな可能性を感じたというか。

大野:確かにそうですね。

●VRはZoomと違って会話中でも気が抜ける

三木:会話の専門家っていうのがzenschoolの卒業生でいらっしゃるんですけど、小畑さんが提唱されてる三角の会話っていうのがあるんですね。

三角の対話

宇都宮:ちょうどこういう風に三角形のポジションについてやってるっていう。

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三木:お二人が会話してるのを第三者の人がここで見ていて一切介入しないっていうタイプの会話法なんですけど、会話してるのを見てその方がどう思ったのかっていうのをまた会話していってそれをお互いにやり合うというやつなんだけど、このようなものでもたぶんこれはかなり使えるんじゃないかなって。

宇都宮:しかも岐阜と鎌倉でやってるわけで、ここの人(大野さん)は岐阜にいるし、ここの人(三木さん)は材木座にいるし、僕は由比ヶ浜にいるし。

三木:Zoomでも似たようなことはできるんでしょうけど、そのプレゼンスがあるっていう部分になるとやっぱりこのVRのほうが…

宇都宮:そこに人がいる感っていうのが伝わってくる。別に手で触れるわけじゃないけど、いる雰囲気があるというか…

大野:そうですね。最初の宇都宮さんと三木さんとVRで対話した時に可能性を感じたのは身体性というか振り向いたら三木さんがいるみたいなところはZoomではないじゃないですか。

宇都宮:Zoomはみんなこっち見てるだけで。

三木:あれ辛いんだよね。視線を外せないっていうか…

宇都宮:大野さんと話する前にまた別の人ともエンゲージの中で話してたんですけど、Zoomって割と言葉に注力せざるを得ないんですけど。

三木:言葉に言葉を被せることができないんですよね。

宇都宮:リアルの時って何かそこに人がいるみたいな気分があって、だから気が抜けるっていうか…

三木:僕がこう離れててもいいわけです。でも何かボーっと見てる。

三木さん離れる

宇都宮:三木さんよく人の話聞かずにニワトリ作ったりしてますから(笑)。

大野:(笑)。確かにこの間もオブザーバー的な位置だったのに遠く離れてることが多かったんですけど、会話は常に近くで聞こえてるしっていう不思議な感覚はありましたし、逆にちょっと気は抜ける感はありましたよね。

宇都宮:そう。気が抜けるんですよ。近づいても別にコロナ移らないし。

大野:近い、近い、近い(笑)。

近い

三木:外れてても何か聞かれてるなっていう感じは…

大野:ありますね。

三木:聞いてるし聞かれてる感じがね。

大野:聞いてない感じもあるし(笑)。

宇都宮:何か分かるんですよね。不思議と。

大野:そこは感じましたね。確かに。

三木:こういう気晴らしもできるんですね。何か会話のネタみたいな。

宇都宮:邪魔だと思うんだけど(笑)。会話のネタっていうより。

大野:ネタ。(ニワトリ)デカい。

宇都宮:ヘッドセットしてるっていう大変さはなくはないんですけど、会話しなきゃっていう大変さがないんですよね。

三木:無理やり感がない。何かばかくさくなったらあっちのほうに行って。

宇都宮:自由だな。

大野:でも受講生の方で「Zoomでも僕しんどいんです」っていう方見えたじゃないですか。

宇都宮:そうそうそう。人と面と向かってしゃべるのが本当に辛いとか気を遣い過ぎて神経使い過ぎて疲れるとかっておっしゃってた人もいるんだけど、でもVRだとあんまりそういのがなかった。

大野:そういうのはない感じは確かにありますね。

三木:でも後からフォローアップで別にZoomとかしたんですけど、もうお互いのことをすごい知ってる感じがして全然気を遣わずにしゃべれた感じでしたね。

●コロナの時代はVRを使った自己開示とカウンセリングが有効

宇都宮:自己開示しやすいっていうのはすごい改めて効果としては強力なのかな。VRの効果プラス僕らがやってるような手法の対話の仕方みたいなのがたぶんすごい相乗効果があってだと思うんですけど。リアルでzenschoolしてた時よりもすごく短時間に打ち解けられるっていうか…

三木:堅いビジネスミーティングをするっていうよりかは対話が向いてるんです。圧倒的に。

宇都宮:そもそも堅いのできないし。VRは別に普通にジャージでもいいし、Zoomだと動画写ってる関係上女性だってなかなかスッピンではできにくいと思う人もいるだろうし、VRだと肉体がそのまんまないので。一応僕らのアバターの顔は顔写真をちょっとはめ込んでるのでそこそこリアルっぽい顔になってるんです。でも髭ボーボーでも全然いいわけで、そこがすごい気が抜けるっていうか…

三木:たぶんビジネスに使うっていうことだけではなくて、これからコロナの影響で心が色々トラブルになる人が多いと思うんですよ。でもこれを使うと自分自身をもっとさらけ出せるし、カウンセリングっていう意味だとかなり可能性を感じるんですよね。距離も離れてるし。

大野:その可能性は感じますね。

三木:大野さんの周りにいらっしゃる方とかでも医療関係の仕事とかも結構心が色々大変そうじゃないですか。コロナもあるし、気を張ってないといけないし。でもそういうのをあんまり表に出せないというかそういう方達にもVRを使ってのカウンセリングって有効なのかなっていう気はします。今日はzenschoolVRに参加して今zenschoolマスターを目指している大野さんとゆるっとVRと対話の可能性のお話をさせていただきましたということで、皆さんまた見てください。

宇都宮:ありがとうございます。

大野:ありがとうございます。

三木:ありがとうございました。失礼致します。

▶今回の対談の大野さんからの感想

▶2020年2月の対談

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