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赤い内臓は青い雨

終わりは始まり
お互いには何も見ていないつもり
未来という誘惑より
その瞬間の永遠を確保した
宝物がごろごろしていた
覗き込んだ密室に言葉が何個かあり
ぼくは拾った
あなたは輪転機を回しつづけ放出をつづけた
夜の空の星がキラキラ輝いているのはそのせいだった
おそらく、あなたはいつでもあなただ
ぼくは拾った欠片をのみ込み
輪転機を回そうと四苦八苦しているところだ
それを言語化するために
密室に行けばいつでも言葉は落ちているのに
ぼくはぼく自身にとりつかれてしまっているのだ
部屋の光がぼうっとあなたの体を照らす
外は豪雨でうねっている
どちらがぼくであなたなのかの判別はもうそこにはないような気がしてくる

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