国際貿易と物流が与える世界的な影響力について考えよう

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こんにちは、Zenportの広報担当のインターン生です。
私たちZenportはシンプルで持続可能なグローバルサプライチェーンの構築を目指しています。

これから様々な視点で、Zenportが主戦場としている国際貿易や物流の現状などご紹介していきたいと思います。

今回は『貿易の世界経済における影響力の大きさ』についてをまとめました。

貿易というと、「あまり身近でない」「何をやっているのか詳しいことはわからない」というイメージを持たれる方も多いのではないかと思います。
今回は幾つかのデータをもとにしながら世界経済における貿易の立ち位置や重要性をご説明していきます。

日本は貿易に依存している?

まず、日本企業の中で貿易に関係している企業は数万、多くても7〜8万社程度だと考えられています。
これはあくまで、Zenport調べのデータですが、市場調査などから一定の正確性はあると考えられます。一方で、日本の企業数は約380万社あり、実際にかなりニッチな領域であると言うことができます。

ところが、金額ベースで見てみますと日本のGDP約500兆円のうち、実は貿易総額が約160兆円と30%近くを占めており、あながちニッチとも言えない領域です。
ちなみにこの割合は貿易依存度といい、その国の経済がいかに貿易に依存しているのかの指標とされています。

例えば、日本ではアパレル業界だと97〜98%は輸入品だと言われていますし、2018年度の食料自給率も37%(農林水産省:カロリーベースの試算)となっています。つまり、皆さんの生活、衣食住の多くの部分に国際貿易は関わっており、身近で、なくてはならないものなのです。

ちなみに、ドイツでは、貿易依存度は70%と非常に高い値になっていますが、これはEU域内貿易が活発に行われていることが影響しています。
(※貿易依存度について、貿易額は貿易輸出総額と輸入総額の合計値で国際収支ベース)
もし興味を持った人がいたら、ぜひ世界一の貿易依存度の国やアメリカ、中国などの貿易依存度を調べてみて、その背景も考えてみると面白いかもしれません。

貿易って大事なの?

ここからは、世界全体での貿易の世界経済における重要性を見ていきます。
結論として、貿易の世界経済に与える影響力も大きくなっています。
世界銀行とWTOのデータによると、世界のGDPの総和に占める貿易額(輸出額ベース)の割合はここ15年以上20%以上を維持しています。

世界的な貿易額の推移をみてみると、以下のグラフのようになっています。

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2兆ドルほどであった1980年前後から比べると2018年時点で約10倍になっています。
1980年代後半から1990年代前半にかけては、世界経済の拡大と相互作用する形で、製品貿易を中心に世界貿易も拡大したために、安定した成長を遂げ、5兆ドルほどにまで成長しています。

その後、2000年前後にはITバブル崩壊やアメリカ同時多発テロ、イラク戦争の影響もあり成長は鈍化していますが、基本的には右肩上がりの成長を続けていました。

そして、2003年から2011年にかけて、リーマンショックの影響を受けた2009年を除き、YoY20%近くの急成長を遂げていました。背景には、自由貿易の拡大やグローバリゼーションの進展、中国の台頭が挙げられ、貿易額は約7.5兆ドルから10年弱で約2倍に跳ね上がりりました。

同様にGDPも同期間で急成長を遂げており、1980年に10兆ドルの大台に乗った一方、2018年時点で85兆ドル超に成長しています。

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GDPも貿易額と同じような推移を辿っていますが、総じて成長率自体は貿易額より低く、特に2000年前後には成長率が0%やマイナスの年が複数見られます。

また、1980年から2018年までの38年間で2003年以降を中心に成長率が2桁の年が17回あった貿易額に比べ、GDPの二桁成長は38年間で11回であり、一桁成長の年が多くなっています。

実際にGDPに占める貿易額の割合の推移を見ても、初めて割合が20%を超えた2003年から一度も20%を切ることなく推移しており、ここからも安定した貿易の影響力の大きさがみて取れます。

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いかがでしたでしょうか。1980年以降、世界経済は貿易と共に成長を続けてきたことがご理解いただけたかと思います。少しでも、国際貿易や物流について関心を持っていただけると幸いです。

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