5色神の乱(日本選手権ベスト32)デッキ解説

 5色デッキ・・・私の好きな言葉です。 

 ということで、5色の人、ゼノです。パチュリーという全属性を使うキャラが大好きすぎて、常に5色デッキを使い続けている変人です。

 今回、日本選手権で2日目進出プレイヤーの中で、唯一の『5色神の乱デッキ』の使用者でした。
 結果としても後少しでベスト8を狙えるくらいではあったので、ありがたい限りでした。(3-2からIDしてベスト32)
 そんなわけで、僭越ながら自分のデッキ解説を久しぶりにしようと思います。
 デッキ解説は少し下にあります。

 一応過去の実績としては、
5色サルベイジャー『シルバードラゴン』・・・レガシー選手権 準優勝 アジアレガシー選手権10位 他色々
5色アルーレン『ファイブシーズン』・・・エターナルパーティー 準優勝&ベスト8 元東海王 レガシー選手権 準優勝&複数回ベスト8入賞 他色々 
5色出産の殻『賢者の石』・・・グランプリ初日8-1からマネーフィニッシュ 他色々 
 などなど。
 一応世界で一番アルーレンで稼いだプレイヤーではないかと思っています。

構築までの流れ


 さて、自分は基本的にレガシーフォーマットをメインにプレイしていました。
 そんな毎日を過ごしている中で、日本選手権の復活というニュースをしって大興奮。もちろん参加するには予選を抜ける必要があります。

 さて、5色をこよなく愛するプレイヤーとしては、当然スタンダードでも5色デッキを使うしかありません。

 色々カードとレシピを見ている中で、現環境(ゼンディカーの夜明け~神河 輝ける世界)では多色のパーマネントの対処がされにくいと感じました。
※人気の白黒系デッキは除去のメインカードが「消失の詩句」のため。
 そこで「神の乱」を使うことに決めました。

 MTGアリーナでしばらく回して、それなりに形になったため、早速日本選手権予選に参加。3-1の結果で、考えが間違いではないと実感。
 ただし、負けた相手は白黒ビートダウンで、もっさり系のこちらとは相性がかなり悪いことを実感。
 また、アリーナとは違い、両面土地カードの交換に時間を取られるすぎる事に気が付く。そのため、そのあたりの時間のロスを減らす構築にシフト。
 その後、晴れる屋さんのスタンダードで3-0して自信をつけ、日本選手権予選に挑戦。
 累計3回目の挑戦で権利ゲット!
 かなり幸運ですね。
 この時は多色のエンチャントは破壊されない環境だったため、『精霊の姉の招集』を使っていました。この環境では真面目に強くて有効なカードでした。
 ただ正直なところ、日本選手権の予選も本戦も、プレイヤーの腕ではなく、デッキパワーで勝てたのだと思います。いわゆるわからん殺し全開ですし、対処の仕方が分かりにくいですからね。

 日本選手権予選を抜けた時のレシピはこちらです。
 
『5色精霊神の乱』

 そして、このデッキをベースに、ニューカペナ発売による影響と、日本選手権本戦の環境に合わせてカードを入れ替え。

1 エスパー系のPWを多用するデッキと、ジャンドのオブ・ニクシリス対策に、「家の焼き払い」を採用。
2 多色エンチャントが対処されやすくなってしまったため、「精霊の姉の招集」を解雇
3 ボードコントロールに徹するため、「茨橋の追跡者」を解雇。これは、「鏡割りの寓話」で出てくるキキジキによるコピー能力を活かすために入れていたのですが、なくても十分強いことが判明したためでもあります。
4 サイドのクレリックとパワーワードキルが効きにくくなったため、「業火を放て」と「レイ・オブ・エンフィーブルメント」に変更。
 といった感じに変更しました。


 ということで、デッキ公開&解説です。じゃじゃーん。

5色神の乱

 基本的には序盤をしのぎ、後半に強力なカードを連打して圧殺するデッキです。
 ミッドレンジ環境になった今だと、非常に相性の良いデッキが多くなったのが幸運でした。
 
 いわゆる除去コントロール系になり、メインで除去カードが21枚。それ以外のカードは、世界樹への道、象徴学の教授、オブ・ニクシリス、鏡割りの寓話の4種類。これらもドローや履修で除去に繋げられるカードであり、実質的に土地以外の全てのカードが除去に繋がるという徹底ぶりです。

 もちろん除去だけしていても勝てません。特に令和のカードパワーは凄まじく、アドを取れるクリーチャーが大量に存在します。
 そのため、シンプルな単体除去はなるべく少なくし、おまけつきの除去を多めにする構成にしています。
 
 また、除去で時間を稼げれば、重いカードで一気にアドを取り返していけます。
 ネタっぽい『神の乱』ですが、これも除去兼アド装置になるため、優秀なカードです。
 とはいえ、アド装置としては、PWティボルトが凄まじいのと、何よりも『世界樹への道』が最強です。
 特に、『世界樹への道』は日本選手権2日間ですら、ほぼ毎回テキストを確認されるほどの知名度の低いカードでありながら、異常な強さを発揮して、勝利をもたらしてくれました。凄い。

 そして、活躍したカードなどの解説です。

完全なオリカ。チートカード。

 ぶっちゃけ、このデッキが結果を出した理由の8割位をしめてる気がします。信じられないぶっ壊れカード。
 まず、2マナで出すだけで、5色デッキでは非常に需要なマナの安定を行ってくれる優秀なサーチカードです。
 そして、後半で真の能力を起動すると、なんと4枚のアドが取れます。最初の土地サーチを合わせると、2マナカードのくせに1枚で5枚分のアドを取るぶっ壊れカードになります。
 内訳
 +1 出たときに基本地形サーチ
 +1 相手のクリーチャー除去(2点ダメージ)
 +1 2/2の熊トークン生産
 +2 2枚ドロー
 +0 2点ドレイン(すごい便利)

 後半でこれを1回起動出来ると、一気にアド差をつけることが出来ます。
 コントロール系同士で2回起動できたら大体勝ちですね。

 

圧倒的なゴッドパワー


 デッキの象徴ともいえる「神の乱」
 とりあえず出てさえしまえば、追放+バウンス+ハンデス+フィニッシャーというアドカード。
 なぜか伝説じゃないので、連打出来るしコピーも出来ます。
 ただし、前環境と違って、多色クリーチャーでも簡単に除去されてしまうので強さは落ちました。
 とはいえ、適当に使ってもアドが取れるので、出せるなら出し得。一応即死コンボっぽいのもあります。

 鏡割りの寓話によるキキジキが戦場にいる状態で、神の乱変身。
キキジキで神の乱をコピーしてアタック!パワーが必ず2以上増えるため、最低8点ダメージ。事前に告別で墓地を追放しているときも多いため、パワーが5以上増えるときもあります。
 戦闘後。オブ・ニクシリスで犠牲にして忠誠度8以上のPWを作成。
 プラス能力と奥義で9点ダメージ。勝ち。

 まあ、現実的じゃなく見えますけど、実際キキジキでのコピーは結構ありました。オーバーキル感すごいです。

序盤の妨害札


フィニッシャー

 嘘の神ヴァルキー。ホント便利。
 現環境はクリーチャーの性能が高いので、どのデッキにもクリーチャーのが存在しており、普通にプレイしても無駄になりにくいです。
 また、除去されてもアドを失うわけではないですし、相手を少しでも減速させられれば有利になるため、非常に便利でした。


マナベースについて

 色事故自体はほとんど起こらないため、非常に上手くまとまっていると自画自賛しています。一応5色デッキを使い続けている以上、マナベースは一番気を使うところですしね。
 まず、通常の土地24枚。
 これに、土地サーチカードである、世界樹への道が4枚。
 タイムラグはあるものの、環境科学を手札に加えて、土地サーチできる象徴学の教授を4枚。
 トライオーム3種類にアクセスできる、古き神々への拘束を3枚。
 (土地がなかったら手札入れかえが出来る、鏡割りの寓話を4枚)

 という、土地サーチカードが実質11枚入っているため、さすがに安定します。

 中身は、
 基本地形5種類
 森 平地 島 沼 を1枚ずつ。
 山 を2枚。
 これはサーチ用の土地であることと、家の焼き払いを使う事と、2色地形の色の都合上です。

 白緑ランド 3枚 + 赤緑ランド 1枚
 赤白ランド 4枚
 もともとは白緑ランド4枚でしたが、できる限り3ターン目に鏡割りの寓話を出したかったため、この枚数に。

 トライオーム
 青緑白 1枚 赤緑白 1枚 黒赤緑 1枚
 古き神々への拘束でのサーチ用に、緑絡みのトライオームを各1枚ずつ。

 廃墟の地
 好きな基本地形に変わる便利なカード。
 また、現環境では基本地形の数を絞っている人が多いため、不毛の大地+土地サーチになることも多々ありました。すごい強い。
 ミシュラランドが苦手なため、採用しました。

 耐え抜くもの、母聖樹
 まあ強い。ミシュラランドや置物対策として採用。
 正直あまり強さを感じませんでした。クリーチャーに触れる白と青でも良いかも。

 黒緑両面ランド 4枚
 めちゃくちゃ便利。

 現環境は非常にテンポが重要で、タップインで動きが遅れると即死する可能性があります。
 そのため、2種類のスローランドタップイン+黒緑両面ランドで序盤に使うマナが揃うように組みました。
 1ターン目、白緑or白赤タップイン→2ターン目、黒か緑の両面カードで、象徴学or消失or世界樹orヴァルキーにつながるのはありがたいです。


 というデッキでした。

 正直、ネタっぽい『神の乱』ですが、やはりパワーはあるため、真面目に組むと十分戦えるデッキになるという実感がありました。
 
 ただ、6マナという高マナコストなのは間違いないため、何も考えずに4枚投入できるカードではないのが残念ですね。

 ともあれ、こういう好きなカード、好きな構築、いわゆるオリジナルデッキで大会に出ても結果を出せるのがMTGの良いところです。

 みんなも好きなカード、好きなデッキを使って大会に出ましょう。
 オリジナルデッキが板!

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