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未来を担う子どもたちに 食の大切さを伝えたい。

こんにちは。全農広報note編集部員のTです。

突然ですが、こんなことわざがあります。
You are what you eat. 「健康は食べもので決まる」
食は、人間にとって身体的にも、精神的にも健康のために大切なもの
という意味です。

そんな食の大切さを実感し、自分にとってよい食生活を選択していくには、子どもの頃からの体験が重要だと私たちは考えています。
そこで私たち全農は、子どもたちに食の大切さを体験してもらう「食農育」に、昔から取り組んできました。

「食育」とそれがパワーアップした「食農育」

「食育」という言葉は時々聞くけれど、「食農育」って何?と思われる方も多いと思います。
そもそも「食育」とは何でしょう?「食育」とは、【「食」をめぐる環境の変化の中で、国民一人ひとりが食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資すること】と、食育基本法に掲載されています。
生活が便利になり、食生活を取り巻く環境も大きく変化しています。便利になる反面、朝食の欠食や、栄養の偏り、子どもだけの孤食など、子どもたちの心身に悪影響を及ぼす問題も多く生まれました。この問題を解決するべく生まれたのが「食育」です。

食に関する問題の中には、「消費する側」から「生産する側」が遠い存在になっているという現実があります。都市部の子どもの中には野菜やお米がどんな風に育つのか、見たことも想像したこともない子もいるそうです。

全農は、「食」がもつ多様な役割の大切さを伝える「食育」をさらにパワーアップして、「食」を支える根本である「農業」に関する知識・体験も含んだ「食農育」を実践しています。
「食べる」という行為そのものだけでなく、その背景にある動物や植物の「いのち」も感じ、子どもはもちろん大人にも、日本の豊かな自然や四季の尊さ、農業の果たす役割など、「食」と「農」との目には見えない強い繋がりを学んでもらいたいと思っています。
※その活動のひとつに、以前noteでご紹介した「農業体験ツアー」などもあります。

開始から20年以上 「全農親子料理教室」

全農では、1998年から子ども向けの料理教室を実施しています。1998年から2019年までの21年間で136回実施しています(2020年~2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で未実施)。一番はじめの料理教室に参加した子どもさんの中には、今はお父さん、お母さんになっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

全農親子料理教室は、小学生の子どもたちが保護者に頼らないでお弁当作りに挑戦する料理教室です。自分でお弁当を作ることで自信に繋がり、また食べ物の大切さと食材への理解・関心なども高まります。
料理を食べた後には、日本の農業や食材にまつわる食育クイズなどをおこない、参加者に農業や食の大切さを考えてもらっています。

食材は、全農グループ各社と連携して、旬や季節感を意識した新鮮な日本の農畜産物を使用しています。また、メニューは栄養バランスが良くなるよう工夫されていて、過去136回全てで違うメニューになっています。

②2019先生の説明

この料理教室では、保護者の方はアドバイザー。包丁を使った作業もフライパンを使った調理も、料理の作業は基本的に子どもたちだけでおこないます。ドキドキしながら傍で見守っている保護者の方と、真剣な表情で料理をする子どもたち。そして、自分で作ったお弁当箱に詰められた料理を見る子どもたちの嬉しそうな表情がとても印象的です。

③料理教室

④食農教育

料理を食べ終えると、牛乳やお米、果物、卵、お肉などのお話と食農育クイズがあります。お話の後には子どもたちからさまざまな想定外の質問もあって、話をするわたしたちも、とても勉強になります。

⑤2019お話し

⑥2018食育クイズ

参加していただいたみなさんの感想をご紹介します。

【保護者の皆さん】
・自分から積極的に「これをやってみたい」という姿がたくさん見られて、参加して良かったと思いました。
・卵焼きが上手に焼けて、照れながらも満足気な顔が印象的でした。
・うちの子は野菜全般あまり好きではないのですが、今日はペロリと食べていました。
・家では忙しくて、なかなか子どもの料理作りをじっくり見てあげることが出来ないので、とても良い機会でした。
・料理が本格的で、子どもと真剣に向き合う全農の姿勢が伝わってきました。
・初めて顔を合わせた同じ班の子とちゃんと協力して楽しく過ごせていました。楽しい雰囲気の中で料理をして、楽しく学べたと思います。
・食のお話は大人でも知らないことがたくさんあって、親子で勉強になりました。
【子どもたち】
・楽しかったです。いろいろな料理が作れて良かったです。料理とっても美味しかったです。
・色んな栄養が食べ物にあることがわかりました。
・食べ物を大切にしようと思いました。楽しかったのでまた参加したいです。
・今まで普通に牛乳を飲んでいたけど、話を聞いて牛に感謝して飲もうと思いました。
・農業の人は、みんなが元気にくらせるようがんばってくれてありがとうございます。

⑦2016報告書⑪お友達と一緒に

新たなチャレンジ。「全農みんなのこども料理教室」

また、2016年から障がいをもつ子どもたちにも料理の楽しさや食の大切さを感じてもらえる料理教室として、「全農みんなのこども料理教室」を開始しました。新宿区の特別支援学校や、茨城県守谷市障がい児父母の会、東京都八王子市障がい児父母の会のご協力のもと2016年から2019年で12回実施しています(2020年~2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で未実施)。

知らない大人がたくさんいて最初は少し緊張気味の子どもたちも、料理のチカラでだんだんと打ち解けて、一生懸命に料理をしている姿を見て、こんなに積極的に料理できると思わなかった!と驚かれる保護者の方や先生もいらっしゃいました。
まだ始めたばかりで回数も少ないですが、これからも地道に開催していきたいと考えています。

⑧2018みんなのIMG_7765

※写真は2019年開催の様子です

⑨2018お弁当IMG_1796

コロナ禍の「食農育」のカタチ 「料理レシピコンテスト」

2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響により、料理教室は開催できなくなりました。
外出自粛が続き、自宅でごはんを作る機会が増加しているなか、小学生の自主性や料理体験を後押しするため、また、インバウンドの激減や外出自粛での国産牛肉の消費の落ち込みと、学校給食の停止で牛乳の消費が低迷していたことから、2020年は「国産の牛肉と牛乳を使ったお弁当レシピコンテスト」を開催しました。

⑩レシピコンテスト優勝

お弁当コンテスト入賞レシピはこちらからもご覧いただけます。

【2020国産の牛肉と牛乳を使ったお弁当レシピコンテスト入賞レシピ】
https://dodontodonburi.com/recipe/nyushou/

2021年度は、「『お米を使ったおかず』と『ごはん』のお弁当レシピコンテスト」を開催しました。「おかずの中でお米を使う」というユニークな料理を小学生の子ども達に考えてもらい、お米の活用の可能性を広げていくこと、子どもたちの自主性や料理体験を後押しするとともにお米に対する理解を深めてもらいました。

⑪2021お弁当コンテスト最優秀賞:まるめて❕つつんで❕ライス肉団子とミニバクダン弁当

入賞20作品のレシピをぜひご覧ください。

【2021「お米を使ったおかず」と「ごはん」のお弁当コンテスト入賞レシピ】
https://dodontodonburi.com/recipe/okome/

また、「全農親子料理教室」「全農みんなのこども料理教室」で作ったお弁当のレシピも一部こちらに掲載しています。
おいしくて簡単な料理が多いので、ご家庭で是非作ってみてくださいね。

⑫2018お弁当写真

【料理教室お弁当レシピ】
https://dodontodonburi.com/recipe/obento/

 全農では、これからも様々な活動を通して、未来を担う子どもたちに、料理の楽しさ、食の大切さ、農業の大切さを伝えていきます。