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【 #ウルトラマンZ 】ベリアル陛下、これまでの歩み

ウルトラマンZも第7話が放送されましたね!
ゼット・ジード・ゼロの三勇士揃い踏みと、ベリアル融合獣の三種盛り!
リクの存在にSSPを思わせる言い訳をするヘビクラ隊長や、つい風来坊という単語を口する朝倉リク!

シャイニングウルトラマンゼロの描写や、坂本監督らしいタイプチェンジ祭りウルトラマンの背丈を超える爆破など、ゼロ&ジードらしい画作りも多かったように思います。
それに、久しぶりの登場となる人間サイズウルトラマンの活躍や、挿入歌に『Ultra Spiral』を使用したことなど、見どころがウルトラ多すぎて語り尽くせない第7話!

なかでもジード好きの注目を惹く描写といえば……
リク体内のベリアル因子を利用しようとするカブラギに朝倉リクが放つ、「父さんを安らかに眠らせてやってくれ!」のセリフでしょうか。

流された最終回の映像。
あの時ベリアルは、その長い戦いの歴史にエンドマークを打ち、ウルトラ作品の表舞台から姿を消したのです。……本当に、長い戦いだった。

というわけでこの記事ではァ!
そんなベリアル様が今日に至るまでの歩みを紹介するゥ!

ベリアル様が歩んだ覇道を、作品ごとに紹介していきますので、
既に知っている方はおさらいとして、知らない方は陛下を知る足掛かりとしてご利用ください。なおネタバレをかなり含みます。


『ウルトラ銀河伝説』悪のウルトラマンの誕生

ベリアル様が最初に我々の前に姿を現されたのは、2009年に公開された映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』です。

当時、新規ウルトラマンTVシリーズの無かった時代、怪獣とそれを操る者・レイオニクスの戦いを描いた作品『大怪獣バトル』の劇場版として制作されました。

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル 』
ウルトラマンさえ封印する力を持つ強大な宇宙人、レイブラッド星人
彼は己の後継者を生み出すべく、様々な宇宙人に己の遺伝子と怪獣を操る道具バトルナイザーを与え、争わせた。
しかしその戦いは、地球人のレイオニクス・レイと、彼が出会った輸送船スペースペンドラゴンのクルーたちによって終結した。

ベリアル様は、大怪獣バトルでは登場しなかったウルトラマンのレイオニクスとして登場。同時にベリアル様は、史上初めて登場する悪のウルトラマンでもあられたのです。

これまでもウルトラマンと同様の力を持った闇の巨人は多く登場してきましたが、M78星雲出身の純然たるウルトラマンが悪となるのは、ベリアル様が初めての事。ファンに大きな衝撃を与えられました。

大きな力を求めたウルトラマンベリアルは、光の国のエネルギー源であるプラズマスパークを手中に収めようとし、結果光の国を追放されます。

その弱った心身に付け込んだのがレイブラッド星人。
レイブラッド星人が己の力をベリアルに注入したことで、彼は赤と黒の今の姿へと変貌。そして強大な力を持つアイテム・ギガバトルナイザーを手に、光の国へと攻め入りました。

これが後のウルトラの歴史でも語られる「ベリアルの乱」。
しかし現れたウルトラマンキングの手によって、ベリアル様は宇宙牢獄へと閉じ込められてしまいます……

本作は、そんなベリアルが牢獄から脱出する所から始まります。
己の封印を解いたザラブ星人を一瞬で蹴散らし、ギガバトルナイザーを取りう戻したベリアル様は単身、光の国へ向かわれます。

この時、ベリアル様を止めるべくウルトラマンタロウが放った光線がデビルスプリンターを生み出したとされるが、当時の映像ではベリアル様は光線を完璧に躱していたはず。何が起こったのか……

復活したベリアル様のお力は凄まじく、多くのウルトラ戦士を蹴散らしたベリアル様はプラズマスパークの奪取に成功、光の国を凍結しほぼ壊滅状態に追い込みました。

しかし残されたウルトラマンたちは決して諦めず、
地球人のレイオニクス・レイ通りがかりのウルトラマンダイナの助力を得て怪獣墓場での決戦に挑みます。

とはいえ、ギガバトルナイザーの力で百体もの怪獣を操って見せるベリアル様の前に、戦士たちは苦戦を強いられ、やがてウルトラセブンが力尽き倒れる。最期の瞬間、セブンが投げたアイスラッガーが向かった先が、当時プラズマスパークに手を伸ばした為に厳しい修行に出されていた、ウルトラマンゼロ。

踏みとどまれず追放され、闇に堕ちたベリアル。
彼と違い、セブンによってギリギリの所で止められ、更生の機会を与えられたゼロ。もしかしたら同じ道を歩んでいたかもしれない二人のウルトラマンの、最初の戦いはこの時始まったのです。

「ゼロ、お前がやるんだ!」
「オレの名はゼロ。……セブンの息子だ!」

新たな戦士によって一気に劣勢に立たされるベリアル様は、ギガバトルナイザーの力を使い、百体の怪獣と合体。
百体怪獣ベリュドラへと変貌し戦うも、プラズマスパークに選ばれたゼロによって撃破されてしまいます。

しかし……ベリアル様は死んではいなかった。


『ベリアル銀河帝国』次元を超えた戦い

光の国に突如として襲い来る、ゼロによく似た姿のロボット。
彼らはあのベリアルの波動を宿し、他の次元からやってきたらしい。

光の国の全エネルギーを注ぎこまれたウルトラマンゼロは、次元を超え、別の宇宙アナザースペースへと旅立った!

『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』では、あの戦いの後、別の宇宙に渡り猛威を振るうベリアル様のお姿が描かれます。

いえ、むしろこう呼ぶべきでしょう。

銀河皇帝カイザーベリアル
それがアナザースペースでのベリアル陛下の呼び名なのです。

ウルトラマンのいない次元へと辿り着いたベリアル陛下は、そのお力で現地の強力な宇宙人を従え、ダークロプスレギオノイドといったロボット軍団によってその宇宙をほぼ掌握なされていました。

なぜベリアル陛下が宇宙支配に乗り出したのか?
それは光の国の者たちに、己の力を見せつけるため。

その宇宙で採掘できるエネルギー結晶・エメラル鉱石を求め、エメラル鉱石の力によって生み出したロボット軍団を光の国へと送り込もうと企むベリアル陛下。単身その宇宙へ乗り込んだウルトラマンゼロは、現地で出会った仲間たちと共に、猛威を振るうベリアル銀河帝国へと立ち向かう。

この映画では、ベリアル陛下のご尊顔に、かつての戦いでゼロに付けられた傷が残っています。顔に傷を負い、深紅のマントに身を包んだベリアル陛下のお姿は、今なお強い魅力を放っていると言えるでしょう。

性格面においても、野望に満ちた精力的な面は変わらないものの、皇帝としての威厳のようなものを感じさせてくれたのが、本作でのベリアル陛下。
未だにベリアル様を陛下と呼ぶ方が多いのも、この時のイメージが強く残っているからではないでしょうか。Z最新話でも『陛下のメダル』とされていましたし、やはりベリアル様はベリアル陛下でもあらせられるのです。

ただこの時も、最終的にはウルトラマンゼロに倒されてしまいます。

貯蔵していたエメラル鉱石を取り込み、巨大な怪獣の姿アークベリアルへと変貌した陛下を、ゼロはウルトラマンノアの力が宿った鎧ウルティメイトイージスの力で打倒しました。

ゼロを撃墜しようとするベリアルと、ベリアルを倒すべくエネルギーをチャージするゼロ。ゼロを援護する別次元の仲間たち……熱い最終決戦が観られるのもこの映画の特徴。銀河伝説と合わせて、未見の方はぜひご覧になってください。朝倉リクそっくりな小さな男の子も登場しますよ。


『ウルトラゼロファイト第二部』ベリアル様の復活

『銀河帝国』でベリアル陛下が敗れてから、約2年。
2012年に『ウルトラマン列伝』内で放送された『ウルトラゼロファイト第二部「輝きのゼロ」』にて、あのお方は再び我々の前に姿を現してくださいました。

『銀河帝国』での戦いの後、ゼロはアナザースペースの勇士たちとチームウルティメイトフォースゼロを結成し、独自に宇宙の平和を守っていた。
そんなウルティメイトフォースゼロの面々に襲い掛かる、五人の凶悪な宇宙人!

ヒッポリト星人・地獄のジャタール
メフィラス星人・魔導のスライ
テンペラー星人・極悪のヴィラニアス
デスレ星雲人・炎上のデスローグ
グローザ星系人・氷結のグロッケン

あるお方の元に集った彼らダークネスファイブ
魔導のスライによって怪獣墓場へと連れていかれたゼロの前に、姿を現したのは……

かつてベリアルがその力に惹かれたウルトラマンの宿敵、暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人。そのエンペラ星人が、己の為に作っていた凶悪な怨念籠る鎧、アーマードダークネス……を身に着けた、我らがベリアル様!

暗黒大皇帝カイザーダークネスとして、またも怨敵ゼロの前に登場したベリアル陛下。ゼロも流石にちょっと飽き飽きしてましたが、その力は本物。
ウルティメイトイージスを装備したゼロ相手に一歩も引かず戦って見せるも……ゼロの剣がカイザーダークネスの鎧を貫く。

しかし鎧は空洞だった。
そう、陛下は御身を取り戻してはいなかったのだ。
一瞬の隙を突き、ゼロの肉体を奪い取る事に成功する陛下。
最強最悪の姿、ゼロダークネスとしてこの世に復活を遂げます。

ゼロダークネスの力によって、ゼロの仲間たちは次々と葬り去られる。
陛下の完全勝利かと思われたその時、打ちひしがれるゼロの心に、仲間たちは呼びかけた。

「進め、ウルトラマンゼロ!」

仲間たちの声によって、己の光を取り戻したゼロ。
絶望から立ち直った彼は、シャイニングウルトラマンゼロとして心の中のベリアル陛下と対峙。その力でベリアルの闇を消し去っていきます。

己の力を見せつける為、恐怖と破壊を繰り返すベリアル陛下。
しかし守る事こそが戦うことだと知っているゼロは、陛下に言い放つ。

「お前だって……ウルトラマンだろうがァァァッ!!」

陛下をまたも退けたゼロは、シャイニングの力によって時間を逆行。
失った仲間たちを取り戻して見せました。

……けれど、その時。
シャイニングの力の余波によって、ベリアル陛下は御身を完全に復活させるのであった……

守る力を見せつけられたベリアル陛下は、己の部下たちに目を向ける。
そこから再び、陛下の覇道が始まっていくのだと、思われたが……?

ちなみに、この『輝きのゼロ』からベリアル陛下の声は声優の小野友樹さんに変更されています。
『輝きのゼロ』においては性格はそのままでも、若干ダウナーな気配を漂わせ始めるベリアル陛下。お声が若干若返ったように聞こえるのも、ウルトラの父と同年代な肉体を一度失った影響かもしれませんね。


『ウルトラマンジード』これでエンドマークだ

『ウルトラゼロファイト』でご復活を遂げられたベリアル陛下。
けれどその後、映像作品で目立った活躍のないまま、5年ほどの月日が経ちます。……そして、陛下の臣民たちに衝撃が走る。

「次のウルトラマンは……陛下の息子!?」

『ウルトラマンジード』の発表と共に、陛下にご子息がおられるという事実に衝撃を受ける臣民たち。セブンはともかく、ベリアル陛下が子を持つタイプにはとても見えなかったので、その動揺は大きかった。

さておき、『ジード』でもそのお力を見せつけるベリアル様。
臣下であるストルム星人の助力を得たベリアル様は、多くのウルトラマンたちを相手に激しい戦いを繰り広げ、遂には一つの宇宙を崩壊させてしまいます。

しかしOPの歌い出してウルトラマンキングによって修復された。

その戦いの影響もあり、本来のお力を発揮できないベリアル様。
一計を案じた部下のストルム星人伏井出ケイは、光の国から盗み出したウルトラカプセルの力を用い、ベリアル様のクローンを生成・成長させることでベリアル様の復活を手助けしようと目論見ました。

そうして生まれたのがジード。
ベリアル様の復活のため、成長を仕組まれた模造品のウルトラマン。

ある程度の力を身に着けたジードの前に、ファイブキング・ゾグ(第2形態)の力を得た融合態、キメラベロスとして立ち塞がるベリアル様。
ジードを息子と呼び、取り込もうとするも、周囲の人々との関係によって成長した朝倉リクはこれを拒否。父であるベリアルと死闘を繰り広げる中、かつてベリアルを投獄した張本人であるウルトラマンキングによってその力を認められ、ウルトラマンジード・ロイヤルメガマスターとなって父ベリアルを撃破します。

けれどもベリアル様はそれで終わる方ではない。
傷付いた肉体を地球人の女性に憑依させ、伏井出ケイのストルム器官を吸収。力を取り戻し、エンペラ星人とダークルギエルのカプセルで最強の姿・ウルトラマンベリアル・アトロシアスへと変身を遂げます。

かつて以上の力を持って戦うベリアル様。
しかし成長したジードは、己の全霊をもってこれを撃破。
最期には通常の姿へと戻り、次元の狭間で対峙します。

「疲れたよね……もう、終わりにしよう」

ベリアルの過去。
レイブラッドの力によって邪悪へと堕ち、倒されても倒されても復活を続け、戦いと破壊を続けるベリアル様。
朝倉リクは、そんな父に呼びかけ、抱きしめる。終わりにしよう。しかしベリアル様はそれを受け入れず、「知った風な口を聞くな」と戦いを続行する。

リクは、ジードは、そんなベリアルを眠らせる為に最期の光線を放った。
「さよなら、父さん」彼が父であることを受け入れず、ただベリアルとだけ呼んでいた彼が、ベリアルを父と認め呼びかける。
「ウルトラマン……ジードォォォッ!」反面、彼の意志を認める事無くただ息子とだけ呼んでいたベリアルは、彼を一人のウルトラマンとして認め、叫び、光線を受けて撃破された。


……以来、本物のベリアル様が映像作品に姿を現すことはない。
息子の手によって、終わらない戦いはエンドマークを打たれ、ベリアルは安らかに眠ることになった。

しかしベリアル様のお力はベリアル因子やデビルスプリンターとして宇宙中に拡散、今もって悪用されている。本当の意味でベリアル様が安らかに眠れる時は、果たして訪れるのだろうか……?

ちなみに、『ジード』におけるベリアル様は、これまでの粗暴な印象が鳴りを潜め、知性ある黒幕のような性格をしている面がある。
それまでのベリアル様とは一線を画す部分があり、またかつて「守るべきもの」として目を向けた部下たちも、彼の元にはいない。

我々の知らない間に、ベリアル様に何が起こったのか……
ダークネスファイブの身に何が起きたのか……
それを知るすべは、我々にはない。


それ以外のベリアル様

上記の映像作品以外でも、ベリアル様は数多くご登場なされている。

『ウルトラマン列伝』ではダークネスファイブと共にナビゲーターを務めた事もあり、その横暴さは今でも語り草になっている。
『ウルトラマンフェスティバル』などのショー作品では、はっきりと言葉に表わしはしないものの、ジードという存在に特別な感情を向けるベリアルが描かれることもぽつぽつあり、時にはジードにギガバトルナイザーを貸し与えることも。
TVや映画にベリアル様の偽物が登場することもあり、前年『ウルトラマンタイガ』でもベリアル因子から生成されたニセベリアルがタイガと戦ったりした。手が黄色いのでバナナ扱いされている。ところでベリアルのクローンってことはこれジードの……止めよう。

伏井出ケイ「バナナとかふざけるなよ!」

舞台作品『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』では、人間の姿で復活させられたベリアル様が、今なおブレずに皇帝として宇宙支配を企んでいるし……(続きが気になるぜ)、続編が出たら、光の国出身のもう一人の悪ウルトラマン・トレギアとの絡みががっつり観られる……かも、しれない。

ウルトラマンゼロに始まるこの10年のウルトラの歴史で、ベリアル様は非常に強い存在感を放っている。自身が眠り続ける事を許されないほどに。

そうして登場を続ける中で、粗暴な悪人であったベリアル多くの宇宙人を統べるベリアル陛下へと変化し、またその立場が彼の立ち振る舞いを少しずつ知的で落ち着いたものへと変化させていく。

不良だったゼロが更生し、戦いの中で成長を遂げ、やがては自称弟子が付いて回るようになったように、ベリアル様もその性質を少しずつ変化させながら戦いを続けてきた。そんなベリアル様を安らかに眠らせることなど、本当は出来ないのかもしれない……と、思ってしまうこともある。

それでも、今なお父の安眠を願い戦い続ける朝倉リクの姿を見れば、やはりベリアル様は休息していていただいた方がいいのだ、とも思うのだ。

ベリアル様がご登場なされてから、もう10年。
果たして次の10年までの間に、ベリアル様を取り巻く環境はどう変化しているのか。これからのウルトラの歴史に、目が離せませんね。


ところで、こうしてベリアル様の歴史を振り返ってみると、やはりベリアル様の歴史はウルトラマンゼロの歴史でもあるということを実感させられます。そんなゼロとベリアル様の10年を振り返った本が出ているのはご存じでしょうか!?

https://m-78.jp/zero10th/post-868/

豊富なキャストやスタッフのインタビューと、ゼロ・ベリアルに関わるデザイン画、そして最新作『ウルトラマンZ』の情報までぎっしりと詰まったこの一冊!

私も先日読んだのですが、かなり充実の内容でした。
ゼロ好き、ベリアル好き、ジード好き、ゼット好き……兎にも角にも、ゼロとベリアルが関わる多くの作品のファンにお勧めの一冊です。もしまだ読んでいなかったら、是非チェックしてみてください!


……なんか広告みたいになりましたけど、ベリアル様の歴史を振り返る以上、必携の一冊と言えるかなと思います。マジでウルトラお勧めですよ。


思いの外長くなりましたね。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

ベリアル様に栄光あれ!!


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