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【劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス】タイガ物語の締めくくり!映画館に行こうぜ!!

ニュージェネクライマックス、観に行きました!
やむを得ぬ状況下で、約5か月もの間、延期を余儀なくされていた本作。
それがようやく公開されたのですから。

「待っていたよォッ!」

暗記するほどCMを観続けていた日々はもう終わり。
ようやくお父さんを助けに行けるとあらば、喜び勇んで行きますよね。
もちろん、タイガとの約束は忘れずに。手洗い、マスク、体調管理はしっかりと気を付けましたよ!

それで、肝心の映画なのですが。
良くも悪くもウルトラマンタイガらしい、TV版の延長線……という形で、ニュージェネ大集合映画としてももちろん楽しめるのですが、タイガとヒロユキたちの物語、その最終章としての側面が強かったように思います。

おや?と思う所はぽつぽつありつつ。
一言で感想を述べるなら、面白かったです!!

ヒロユキとタイガ、トライスクワッド。
そしてイージスの仲間たち。彼らの良い所が存分に発揮されつつ、ニュージェネの諸先輩方も皆さん活躍されていて。

というわけで、ここからは細かい感想です。
当然ながらネタバレを含みますので、その辺お気を付けください。

楽しいその先の話

まず序盤が良かった……
最終回の後、変わらず警備の仕事に打ち込むイージスメンバー。
中にはあの元ヴィランギルドのマグマもいて、不平を言いつつもみんなで力を合わせて働いている。

今回の仕事は博物館の警護。
だけどよりにもよって目玉の展示品を盗まれてしまった!

ここのパート、目玉展示品があのバラージの石だったり、追い詰められたダダ星人が例のポーズを取ったりなどの小ネタを出しつつ、全体的にウルトラマンタイガの明るい部分が出てたのでめっちゃ好きです。

中でも「おおっ」と思ったのが、ヒロユキを助けるトライスクワッドの描写。単独突っ込むヒロユキをサポートするタイガたちと、彼らの声に合わせて戦うヒロユキ。短いながらもヒロユキとトライスクワッドのバディ感が出ててよかったなぁと思うんですよ。TV作中だと、どちらかと言えばヒロユキが(体を貸すなどで)タイガたちを助ける、という描写がメインになってたかと思うのですが、こうして三人の存在が人間としてのヒロユキ自身の助けにもなっている、と描写されることで、彼らの絆の一端が再確認できるように思うんです。

しかしヒロユキは調子に乗っていた。

強い使命感多くの困難を乗り越えてきた自信が変な方向に行って、なんか腹立つ感じになっちゃうの、ヒロユキっぽいですよね。使命感の持ち方と出力の方向性がちょっとズレてる感じがするのとか。これにはタイガたちも困惑気味。そんなヒロユキが心配で、何か大切な事を言い出せないタイガたちであった……

例えばリク君の場合だと「ウルトラマンは自分一人なんだから、自分だけで解決しないと!」と前のめりになって苦しくなっちゃってましたけど、ヒロユキの場合だと「タイガたちと一緒なら大丈夫!」で調子乗っちゃうんですよね。TVでも後輩が出来た時にちょっと調子乗ってたから、もともとそういう子って面もあるんですけど。

撃たれそうになったホマレ先輩を助けるマグマや、入院してしまったマグマを気遣って好きなものが何か知ろうとするホマレ先輩など、宇宙人との共存共栄というテーマを具体的に進めていく描写も良い。両方宇宙人なんですがそれはそれ。異なるもの同士が手を組み、一つの目的に向かい、互いを思い遣る。タイガで語ろうとしていたものの一つがこの序盤には詰められていたように思います。

戦闘パートも楽しくて、まず夜間戦闘はそれだけで得点倍増なんですが、タイガ・フーマ・タイタスとそれぞれが己の特技を活かしながら次々に交代していく描写が楽しい。TVだと手間取ってやり辛い所だったかなと思うのですが、やっぱり三人のウルトラマンの特性や性格は個性的ですし、こうしてそれぞれの違いを描いてくれるのは嬉しいですね。敵がレギオノイド・ダダカスタムなのも好き。


ニュージェネヒーローズとの出会い

グリムドを封印すべく、ニュージェネウルトラマンたちはエネルギーを使い果たし、変身出来なくなっていた。
しかしそのグリムドの封印も、やがて解けてしまう……!!

本編の流れは概ねそういう感じ。
『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』を思い出しますよね。
あの作品もウルトラ兄弟がUキラーザウルスを封印すべく変身能力を犠牲にして……という流れで、今作とも共通点があるように思います。メビウスはタイガの兄弟子だしね!

「うちの店が宇宙人に狙われている気がするんです……」

そう言ってイージスに依頼に来たのはカツ兄。
ぶっちゃけ宇宙人に狙われるような人には全然見えないので、気のせいじゃないかと思われてしまう。「ですから念のため!」とどうにか依頼を受けてもらおうとするカツミの態度が気にかかる。名刺が手作り感溢れてるのが問題だよカツ兄……

実際にお店に向かってみると、お店と言いつつ完全に露店。
ドンシャイングッズの置き場所で揉めるリク君とイサミのコメディ感が楽しい。っていうかそれ、あのタコか!作品を超えて登場するタコぬいぐるみ。

リク君をみて「ベリアルの気配がする……」なんて余計な事を言うタイガ、ジードの事は知っていても朝倉リクのことは知らない。調子に乗って前のめりなヒロユキは人の話を聞かない。そこで襲い来る宇宙人の狙いは、カツミたちではなく工藤ヒロユキであった……!

ここらのシーン、風船を離しちゃった子どものためにリクが跳ぶのも良かったですよね。リク君の身体能力描写、ほとんど出てくることはないんですけど、ここ霧崎との対比にもなってるのかなぁ……
ベリアルの話の直後に風船のシーンを入れたことで、リク君を知らない人でもいい人なんだって分かってもらえる。

生身の格闘シーン、例の特訓棒を持ち出す湊兄弟がちょっと微笑ましく、それはそれとして普通に強いの見入ってしまった。ウルトラマンとして戦った経験が生身でも活かされてるんだなぁ。前夜祭だとコメディっぽくする案もあったと語っていましたが、やっぱここはカッコよく描写してもらって正解だったと思います!

一方、単身宇宙人の溜まり場に乗り込んでヒロユキを狙う相手を探る社長。
社長、こういうとこ立派ですよね。そこで出会ったクレナイガイと共闘する社長のシーンはこう、纏う空気感の古さが調和していてよかった。
何気にラムネもしっかり出してくるの、細かくていいですよね。ラムネのお兄さん。飲みすぎ。

大空大地の登場シーンも良かったですよね!
ファントン星人に宇宙人たちの不穏な動きの理由を問うホマレとピリカ。
得た情報を元にピリカが怪しげなサイトにアクセスすると、逆にハッキングを受けてショートの危機……!
そこに颯爽と現れた大空大地が、ピリカの危機を助ける。サイバーウルトラマンな科学者である大地の良さをこういう面で出してもらえるの、嬉しい。
あと、情報屋ファントンをじっと見つめて「違うか……」って呟くシーンもめっちゃ好きです。

さぁ来いグリムド!!

グリムド、強かったですよねぇ。
グリムドの姿が消えて、背後からビルぶち壊しながら突撃してくるシーン、あれが一番良かった……!!

戦いの直前に、ルーブ組が力を返してもらうシーンあるんですが、こう……ディケイドでしたよね。預けておいた力があるので能力を失っても大丈夫。預金じゃないんだぞ。
それで、「力を返してほしい」と言われた時に全然ピンと来てないヒロユキなんか好きです。こういうぼんやりした部分がヒロユキのヒロユキらしさだと思っている……

監視映像で霧崎を発見するシーンも最高でした。
発見された瞬間、例の角度でこっちを向く霧崎の気持ち悪さときたら……!
うわぁこっち見んな!ってなりますよね。あの粘性のある気持ち悪さが霧崎の良さ。変身後のトレギアとはまた違う悪役としての魅力ですよね。

秒で殴り掛かるホマレ先輩も頼もしくて好きなんですが、残念ながら霧崎には歯が立たない。そこで助っ人に来るヒカルとショウ!ヒカルの飛び蹴りが……射程距離なっが!!久しぶりのショウの波動攻撃!!

ガイさんは女性をお姫様抱っこする役割だけど、ショウは男性をお姫様だっこする役割が合いますね。

トレギアの目的は、タイガを助けに来るタロウだった!
待っていたよォッ!

タイガとロッソ・ブルで歯が立たなかったグリムド相手に、単独で渡り合うタロウのレジェンド級の強さが光る。でもウルトラダイナマイトの身体再構成に合わせて乗っ取るグリムド、めちゃくちゃ厄介。

グリムドを倒したと思われた瞬間のタイガの態度、めっちゃいいんですよね。仲間たち相手には年相応の生意気さも見えるタイガが、父親相手には敬語で嬉しそうに話しかけるあの感じ。師匠であり父であるタロウとタイガの普段の関係の良さが窺い知れる。その分だけヤクザキック食らう場面がしんどい。可哀そうなタイガよ。

闇 に 堕 ち た タ ロ ウ にやられてしまう面々。
この後の、しんどさを隠そうとして隠し切れないタイガのシーンが今回の映画の肝だと思っている。

相棒なんだから、僕にくらい辛いって言えよ!とタイガに呼びかけるヒロユキ。ヒロユキは感情が高ぶるとキレ気味に見える所あるんだけど、それはさておき、こういう同じ目線での語り合いがあるとバディ感強まって良い。
「タイガのことならなんだって分かる!」と勢いで言って「いや全部は分からないけど……」とすぐ訂正するぼんやりさもヒロユキの良さだ!

父と戦わなければならない、という辛い局面で、同じく父親と戦うことになってしまったリクが言葉を掛けるのも好きなシーン。辛い時、仲間の支えがどれだけ助けになるかを知っているのもリクの強さ。

しかし、グリムドの波動からタロウの現在地を探る、という流れは良いとしても……あのサイズで森に隠れてバレないわけなくない……?と思ってしまいますよね。霧崎、何か視覚を誤魔化す術を使ったのかな。闇に堕としたはいいけど目立つな……とか思ってたのかな……

行こうぜぇ!!

最終決戦を前にして、伝え損ねていた事実を伝えるタイガ。
実はトライスクワッドの三人は既に力を取り戻していて、ヒロユキの身体を借りる必要が無くなっていたのだ……!!

だからヒロユキを巻き込みたくない、傷つけたくないと語るタイガに、それは自分も同じで、だからこそみんなで力を合わせるんだろ、と言い返すシーン。これホント……いい……

湊兄弟の描写も最高でした。
「あの時オレがアイツを倒していれば……」と自責の念に駆られるカツ兄に「それを言うならオレも同じ」とフォローを入れるイサミ。カツ兄は素で責任感が強すぎて一人で突っ走り気味だけど、やや遅れてイサミがゆるっとフォローしてくれる。この関係性が湊兄弟の魅力で、『絆のクリスタル』から続くトレギアとの因縁も思い起こさせてくれる重要な場面。
「オレが、じゃなくてオレたちが、だろ?」と二人で戦いに行く場面は、ヒロユキたちトライスクワッドと同じく絆の光を感じさせる。

トレギア霧崎との対面シーン。
「光にも闇にも意味は無い」「全ては等価値」と語り、混沌の化身たるグリムドの力を得て戦っていた霧崎が、人間という混沌を知りその力に興味を覚える、という流れは好き。人の心には光もあれば闇もあるっていうのは、ギンガでの校長先生や、オーブでのガイとジャグラーの顛末などで描かれ続けたニュージェネのテーマの一つ。そういう意味では、トレギアの存在はアンチニュージェネとして納得できるものだよなぁと思います。

そして全員集合!!
力を返すシーンでやっぱりヒロユキがぼんやりしていて、若干のノルマ消化感が出てくるのもまたタイガポイントなんですが、それはそれとしてやっぱ全員出てきて連続変身するシーンは燃える!!!

勢揃いしたニュージェネヒーローズを前に、トレギアがタイガで新登場した怪獣たちをぶつける流れも好き。タイガ、新怪獣多めだったんですよね。
敵怪獣の強化→そこで強化フォームになるニュージェネヒーローズ!!も良い。ここまでの歴史、強さ、迫力!!
「オレたちはどうする?」「じゃあルーブで」ってノリが軽い湊兄弟はらしくて好き。とか思ってたらアサヒ登場!!どうやって来たの!!??

闇に堕ちたタロウとタイガの戦い。
やっぱり邪魔をしようとするトレギアを足止めするタイタスとフーマ、という流れが嬉しい。三人での戦い、もっと長尺で観たい!!!

戦いの中、微かな自我で攻撃を止めるタロウ。
「邪悪な力に負けないでください!」ここか。
エキサイトして身を乗り出し観戦してるトレギアのテンションの高さも良いけど、やっぱここの対決が一番燃えた。

相手の闇を焼き尽くす為、トライストリウムでウルトラダイナマイトを使用するタイガ。使えたっけ?って思ってたら「見様見真似だ!」この勢いがタイガの長所。でもいきなりインナースペース炎上し始めたからヒロユキめっちゃびっくりしてたじゃん。

タイガの身体を乗っ取ろうとするグリムドに対し、フーマやタイタス、そしてヒロユキの炎が対抗して追い出す流れもよい。ヒロユキ含めたみんながいなかったら乗り越えられなかったし、結果として「良い仲間をもったな」とタロウに言ってもらえるの、嬉しいよねぇ。

「私は私自身を開放する!」

これ。この場面。
CM見た限りだと、真の力を発揮するとかそういうことなのかなぁ位に思ってたんだけど、トレギアの拗らせ具合を観るに、もう疲れちゃったんじゃないかな……とか少し思いました。混沌に身を任せて、あれやこれやと思い悩むことなく力を揮う。眩しすぎる光に憧れながら、それを握りつぶそうとする己の葛藤を脱ぎ捨てて、ウルトラマンである自分自身さえ捨てて。

そんな風にしてグリムドの一部となったトレギアは、もはや「タロウ……」と呟く事しかできない。でもぬぅっと顔出してくると面白みが出るからちょっと勘弁してね。トレギアよ……

手も足も出ない相手を前に、それでも立ち上がって「オレ達は一歩も引かない!!」と宣言するタイガの勇気が良いし、そんなタイガを守る為に単身グリムドに立ちふさがるタロウの大きさも素晴らしい。んでウルトラマンレイガ誕生の方法がウルトラホーンなの、ご子息!!!って感じで最高ですね。そうだよウルトラホーンがあるんだから合体余裕だよ。

レイガの登場シーンは気合入っていてカッコよかったです……


ウルトラマンタイガ物語の終わり

映画の最後、ヒロユキとトライスクワッドの面々は別れる。
もはやヒロユキの身体を借りる必要はなく、であれば宇宙の脅威に対し、この地球だけに留まっている理由はないから。

けど、遠く離れていてもトライスクワッドの絆は消えない。
別れの挨拶を交わすみんなのシーンが、『ウルトラマンタイガ』という作品で一番観たかったものだったんだな、と今は思っています。

今よりも大きな我(じぶん)になったタイガとヒロユキは、距離が離れても、アイテムが無くても繋がっていて、一生消えることの無い絆を結んだ相棒だ。空へ去る彼らを見つめるイージスの面々のシーンを観て、私はとてもさわやかな気持ちになりました。

……それはそれとして大空大地!!!!


少し残念だったところ

基本ガン褒めしたい人間なのですが……
ちょっとここだけ、ってところは出しておきます。
戦闘含む一部テンポの悪さとか、セリフでの説明とかがちょっとまぁ良くも悪くもタイガで、それ自体はまぁ大きな問題ではないかなと思うんですが。

……エックスの声、どうにかならない??

ギャラクシーファイトに引き続き、今回もウルトラマンエックスの声は大空大地オンリーで、掛け声も大地隊員が叫んでいました。
他の声優さんを捻じ込まれるよりは大地が頑張っている方がずっといいし、次善の策と言えるかな、とは思うんですが、やっぱりウルトラマンエックスは大地とエックスの掛け合いも魅力の一つだったのでCV中村悠一のエックスがもう一度観たいんですよ。

多分スケジュールの都合とかいろいろあるのかな、とは思うんですが。
今回の場合は、主役キャスト勢揃いしてくれたことの方が大切ですし、それだけでも有難く嬉しいことだと思います。
それでも、どうしても感じてしまうわけです。エックスの声も欲しい。
基本的に全てをヒカルに任せているギンガさんは良いとして、エックスさんとの楽しい掛け合いがもう一度観たい。なにより今回は地球人とウルトラマンのバディ、という状況だったから、より一層大地とエックスの視点からのシーンが欲しかったと思うんです。

また次回、再びエックスが私たちの前に姿を現した時、もう一度彼の声をしっかりと聞けたなら、嬉しいなと思います。

でもまぁ不満はそんなところで。
基本的にめっちゃ面白かったし、大満足でした!

一時は公開自体が危ぶまれて、もしかしたらDVDとか配信とか、若しくはクロニクル系での分割放送とかになっちゃうのかなぁ……とか心配してたんです。だけど、どうにか公開まで漕ぎ着けて、こうしてタイガの物語の終わりを見守る事が出来た。その事が非常に嬉しく有難い。

この記事を読んでいる方の中に、もしまだ映画を観ていない方がいらっしゃったら。タイガとのお約束をしっかり守って、各種対策を忘れずに……映画館に、行こうぜぇ!!


……しかし、トレギア復活しなかったね。
これで本当に決着付けられたのかな?
舞台ヒールズの方もどうにか話が動くといいなぁ。




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