「ヘボット!」の話をするとしよう。
※注意!
この記事は重篤なエネジー中毒者が書いています。
意味不明な記述、脈絡のない発狂、意味のない踊りが含まれている場合があるので、部屋を明るくして画面から離れて読んでください。
☆日曜日の朝から読むものではない。
今日は「ヘボット!」の誕生日だ!
おめでたい。もう放送開始3周年ですってよ。
さて。
知らない人のために説明すると、「ヘボット!」は日曜朝7時にテレ朝で放送された児童向け玩具アニメです。
主人公のネジが島王国王子ネジル・ネジールは、誕生日に念願の相棒ボキャボットヘボットと出会い、国王である父を超えるボキャバトラーを目指し独立・修行することになる。
ボキャバトルに使うネジを集めるため、ネジ屋と称しネジの代わりに依頼を引き受ける何でも屋を開いたネジルとヘボットは、日々さまざまなボキャボットの依頼を受け、ボキャバトラーとして成長してく……
という話だと思われていた。
一切はフィクションである。
ネジルは王位継承者じゃないしジルは血の繋がった父ではない。
父を超える必要はないしネジ屋の仕事もやったりやらなかったり。
そもそもネジルは尋常な生命体ではないし、同一の存在が無数に蔓延っている。
物語はネジれ、世界は崩壊を繰り返す。
時が巻き戻るたび理は形を変え、異常は拡大する。
偶然によって虚構と化した宇宙。
乱れる世界を修復するため遣わされた少女と、根源より生まれ出でし少年。
魂持たぬ玩具は少女の願望と共に意志を持ち、終幕とリセットの果てに何度でも物語はやり直される。
もはや数え切れぬ程の周回を経て、最後の一巻きが幕を挙げる。
己の存在さえ見失った、数多の犠牲を超えて……
……っていうお気楽脳溶けギャグアニメです!
何を言ってるんだお前は。
いえ、確かに見たんです!確かにヘボットはギャグアニメなんだ!
本当なんです信じてください!!
そうだ、ここに証拠があります。公式で配信されている第1話です!
これを見れば私の言ってることが間違ってないって分かるはずだ!
屁とか鼻くそとか、いかにもコロコロ系ホビアニな要素とか、下らないギャグ、パロネタ……永遠にヘボットに辿り着けないネジル……それを掴む手……ギャグだったんだ……確かにそれは……
想定よりも高いエネジー……周回……『ずっと先の話』……
……。
……止めましょう。
観るなら第4話からにしましょう!バンダイチャンネルとかで観れるから!
種から木が生えるんです、宇宙まで。そして修学旅行に来ていたミミズと月でギャグバトルをする……分かりやすくて入り込みやすい話のはずだ……ラドンもそうだそうだと言っている……
と、タチの悪いお遊びはこの辺にして。
「ヘボット!」はちょい重めの設定を平然と突っ込まれてはいるものの、本当にテンポ重視のハイテンションなギャグアニメなんですよ。
「アドベンチャータイム」あたりが好きな人なら適応しやすいかな?
メタやSF的な面も強くて、そっちの話をされることも多いんですけど、本質はマジでお気楽脳溶けギャグアニメです。
ギャグ、SF、メタ。
3つの階層が混じり合った独特の世界観が魅力の作品だ、とも言えますね。
そこらへんの話をしよう。
ギャグとしてのヘボ
やたら異常なテンポでネタが繰り出される。
パロディネタが多く、脚本→コンテ段階でがっつり盛られたりもしているので、正直パッと観て全部の元ネタが分かるかと言われると多分分からない。
でもパロネタって元が分かんなくとも何となく面白いんですよね、全力で振ってると。
初期は「ツッコミ不在」とも言われていて、全力でボケだけを投げかけていくシーンが多いです。
目玉が飛び出るとか、ちょっと観ててキツめの描写もあるんだけど、そういうのは番組が放送していく中で規制されました。唐突にDXな玩具が画面に出るのとか好きだったんだけど。
子ども向けアニメということで、テンポに危機意識すら持って挑んでいたらしい今作は、故に数秒に一回ネタが挟み込まれる忙しいアニメです。
ただ段々とツッコミもテンポよく挟まれるようになっていき、主人公の兄チギルが登場する辺りではもうめちゃくちゃ観やすくなっている。ヤバさは一・二話がピーク。なので初視聴も三話目以降からを挙げる人が多い。
私が気になって視聴を始めたヘボット
それはヤバいアニメがあるよと言われた頃で放送は4話でした
その内容はハイテンポでクレージーで
こんな素晴らしいアニメを観られた私は、きっと特別に運がいいと思いました
今では私もネジが島民。初視聴者に勧めるのは当然ヘボット第4話
なぜなら初視聴者にもまた、特別に運がいいと感じて欲しいから邪気
……で、もって。
作中のギャグバトル要素である「ボキャバトル」は、明確にネジの種類と組み合わせで序列が決まっているものなので、本当にギャグの面白さを競う戦いではないです。
上位のコンボともなると、歌や演出が本当に楽しくて聞いていて飽きない。のだけれど、下位のコンボばかりの序盤にはよく分からないかもしれません。ただ感じてください。
ヘボット全体に言える事なんですが、ただなんとなくリズミカルなギャグの流れを楽しめるようになるとめちゃくちゃリラックスして楽しめます。セラピーです。癒し系アニメです。脳をとかせ。
例えば漫才見ててツッコミより先に笑ってしまう人とかにもオススメかもしれない。
もちろん、一通り流した後に「このシーンのネタなんだったんだろう」と調べたりするのもアリ。
一粒で二度美味しい。美味しいぞ!!!!
SFとしてのヘボ
ヘボット作中には、タイムリープの要素が含まれています。
劇中では「リセット」として何度も何度も「第1話からのやり直し」が行われているのです。
それだけなら良いんだけど、ヘボットの世界は単一の輪にはなってない。
複数の世界線・話数が「階層」と呼ばれて並列に存在しているのです。
作中ではそれをネジ型の螺旋に例えて図解していますが、理解自体はふわっとしていても問題が無いです。ネジ型螺旋の形だけでもね、覚えてってもらったらね、あとは「なんかSFでよく見るやつ」で良いです。
また、宇宙的エネルギーから発生した存在である主人公は、リセットの度に新しい個体が誕生してしまいます。
結果、今見ている回・シーンのネジルが「どのネジルだかわからない」みたいな状況が発生したりします。そして、それでも視聴には何の問題もない。
ただその……服装パターンとかにね、注目してもらって……
あとはね……アイツもコイツも別の階層でのネジルの成れの果てって事にね、ちょっとずつ勘付いて言ってもらえると……えっ……お前……お前ももしかして……!?
私もネジルくん♪
あなたもネジルくん♪
笑う声までおんなじね〜♪
トマトは|好きですか?
私は好きです。マカロニトマトパスタを作りましょうね。
ペンネを使っても良いかもしれませんけど。
話が逸れたけど、ヘボットの作中には概ね3つの世界要素が存在します。
「現行の時間。放送回。今回のお話のメイン世界」「別の階層。今はメインじゃない世界」「外側。ヘボット!を視聴する世界」
流れてくるものをただ受け入れていると特に問題のない描写ですが、考え込むと疲れるので、この3つを抑えておくと多少読み取りやすくなる……かな?
もちろん、目の前の出来事を追っているだけでも楽しいアニメなのですが、
SF的な考察を楽しむのも面白いアニメなんですよ。
意図的に登場人物の説明が食い違うようにしてある所もあって、正解がハッキリしていない部分もあります。それはなぜか?どう納得するか?それを自分で考えるのも一興と言えますね。
メタとしてのヘボ
「ヘボット!を視聴する世界って何やねん」
そう思われるかもしれないが、ヘボットの作中において、実は「ヘボット!」は玩具アニメであるという自己認識を持っている。
DXな玩具が発売されている玩具のアニメ。
ここのキャラクターには役割(ロール)が割り振られており、役割を失うと意味の無いキャラクター=駄キャラに落とされてしまう。
物語の発端はある玩具メーカーの社員が「ヤッチマッタ……」ことで、作中のキャラクターたちは物語の終わりを避けるためにある存在に挑んで行く。
作中でギャグとして行われていたメタやパロディを世界観に落とし込んだ形で、これが急激に姿を現していく終盤は色々な意味でヤバかった。
最終回においては既存の枠→日曜朝7時という枠組みからの解放が行われ、ヘボットの世界は視聴者たちの空想の中に広がった。
つまり、「二次創作の世界でもオレたちは活躍するぜ!」ということ。
……なのか?
「君の記憶にある限り、オレたちは永遠だ!」の言い換えみたいな面も無くはないけど、とにかくヘボット好きがヘボットの空想を(形にならずとも)続ける事で、メタを認識したキャラクターたちは最終回の後も生き続けるのだ。
二次創作とかあまりしてこなかった私も、これには心を突き動かされ、別名義で勢い余って二次小説を書いてしまったし、少し前にも書いた。
ヘボットにおける「現実」は、某玩具メーカー社員エースオカのあたりをよくよく考えると現実とイコールではない、と思う。あくまで「作中における現実」という膜が一枚あるようなイメージ。
それでも、複雑なSFの中に盛り込まれたメタフィクション要素と、最終回における決着に多くの視聴者が感動した、と思う。私は何の権限も持たない一個体なので、総体としてのネジが島民の意見を代表することは出来ない。
ともあれ、そういったメタに真正面からぶつかっていった一年モノの玩具アニメというのも珍しく、ヘボット!の高い独自性として人気を博す要因になった。ワシも好き。
結局ヘボットってどんなアニメなの?
ぜんぜんわからない。
俺たちは雰囲気でヘボットを語っている。
意味のない文章を書く人の文章をよくぞここまで読んでくださった。
ネジが島の空気に浸かり切った人間からすればシンプルに何言ってんだお前となるかもしれないし、ネジが島のことを知らない人間からすると幻覚を疑われるかもしれない。ゆるませて……しめるっ。
ともかく。三年前の今日この日、ヘボットというアニメは確かに高らかに屁をこき鳴らし、一年にも及ぶ混沌と狂瀾のギャグを振りまいて……今も、色々な形で息づいている。具体的にいうと新しいグッズ展開とかがある。
その喜びを胸に、私は今日という記念日にこの駄文をネジ神様に捧げたいと思う。
ヘボと共にあらんことを。
……これがヘボットの感想文?
来年もう一度来てください。本当のヘボット感想を読ませてあげますよ。
おしまい。
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