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ディアロイドのあとがき

先週、オリジナルロボット玩具小説『便利屋玩具のディアロイド』が完結しました。ので、その紹介とあとがき記事です。

https://note.com/zenmai/m/m250a0950eb78

ディアロイドって?

全長およそ15センチの玩具ロボット!
小さいながらも人間に似た知能と感情を備えた存在です。
今作の主人公は、そんなディアロイドの『ボイド』。けれど彼は、玩具なのに持ち主を持たず、人々から依頼を受けて独力稼動している……

いわゆるホビアニ的世界観の、だけど子ども向けではない小説として書きました。完全完璧なる趣味。とはいえ、この世界観に少しでも興味を持ってくれた方であれば楽しんでいただけるかな、と思います。

書きたい100パーで書きたかった

この作品なんですが、実のところちょっとだけ、今まで書いてきた作品と前提が違います。というのは前項でも述べたように、完全に趣味で書き連ねたという部分。いや、創作なんて(お金でも貰ってない限り)全部が趣味だと思いますし、今までの小説だって趣味ではあるんですけど、ディアロイドはその趣味のレベルが段違いに趣味なのだ。

過去に暗い部分を持ち、素直になれない主人公!
目的を持つが困難に見舞われがちな男の子!
トラウマじみた強固な価値観から主人公を認められないライバル!
知能指数低めな不良系キャラ!
脛に傷のありそうな便利ポジション大人!
ガハハ笑いが似合う普通に強めである面では格のあるラスボス!
逸脱した仕様で作られたラスボス専用機体!
トラウマと絆らしきものとバディ前提の必殺技!

そもそも玩具アニメ的な世界観からスタートして、徹底して"私が好きなもの"を詰めて作ったのがディアロイド、なのでした。

それだけ趣味を詰めたのなら、更にイラストでもお願いしてカッコいいデザインも用意していただいちゃう!?
ってな感じで、イラストまで描いてもらった。
これがまた、めちゃくちゃ楽しかった……

キャラデザ

今作の主人公『ボイド』のデザインイラスト。
量産を前提とした試作機としてデザインしていただいた。

ご依頼したのは、私の電子変身態でもお世話になったぢごくさん。
普段からロボットや怪人のデザインをゴリゴリ描いていらして、頼むならこの方以外にないぞと思った次第。上記のデザイン画やディアロイドのロゴ、ヘッダーイラスト・タイトルなど、本作関連で色々とご尽力いただいた。

イメージイラスト

小説用にイラストを依頼して描いていただくと、どうなるか。
カンタンに言えばとても楽しくなります。

自分の中で(ある程度の方向性はあれど)ふわふわしていたイメージが、確かな形となる。その形に刺激を得て新たに浮かび上がるイメージや描写もある。ただ一人で創作していくのとは違った喜びがあって、それがとても楽しいんですよね。なので趣味で小説を書いている方でも、お財布に余裕があればドンドン依頼していっても良いんじゃないかな、と思います。昨今ではそう言った需要と供給を繋げるサービスも色々ありますし。

まぁ、精神的なハードルはちょっと高いですけどね!
私の場合はぢごくさんが快く引き受けてくださったのでとても助かりました。本当にありがとうございます。

書く前のこと

Twitterをフォローしてくださってる方は知ってるかな、と思うんですが。私、昨年は新人賞公募も全然ダメで、一時期ちょっとマジでかなり沈んでたんですよね。いや、通らないのが普通ではあるんですけど、どうも色々思う所が重なって深めのダメージになってしまった。

結果として、『どういうものを書けば面白いんだろう?』っていう事が、ちょっと分からなくなった。元々こういうことかな?って思っていた部分が違うかも、ってなって不安になっちゃったんですね。だもんで、しばらくオリジナルでの創作の手が止まっていたんですよ。これじゃいけないと思ったので、「一度は開き直ってやってみるのもいいのでは?」と公募も何も前提としない趣味全開の小説を書くことにしました。それが、本作でした。

趣味なので一般受けはしなさそうな玩具アニメ設定をぶち込むし、趣味なので主人公を玩具にしたり、好みのライバルを出したり、イラストを発注したり……分量でさえ気にせずに、とにかく好きに書くぞ、と決めて走り始める。

ぶっちゃけると、反響は螺子巻の作品の中でも少ない方でした。
なんだけど、そういう前提で突っ走ること約14万字。面白いものってなんだろうと迷って生産が止まってしまった螺子巻が、再び長編小説を一本書き上げたのです。目標達成だ!やったぜ!!

まぁ最初はストック作って早めに書き終えるぜーというつもりでいたのが、早々にストックも切れ、書いて即出し、無理なら順延といった具合にもなってしまったのですが……そこはそれ。ちゃんと書き上げた事を褒めてあげたい。偉いぞ!!!!!!

ちなみに。
面白いってどういうもんじゃろうなーとか、以前公募に出した作品はどうだったのかなーとか、そう言った部分はディアロイドとは別のアレコレで解決に向かいました。今は比較的マトモな精神状態で書けると思うし、書いていくのです。

書いてる間のこと

螺子巻の書いてるものをよく読んでくださってる方は知ってるかな、と思うのですが。ディアロイド、元は逆噴射小説賞に出した800字の冒頭文からスタートしています。

探偵玩具デュエロイド。
雰囲気だけは残っていますが、文章的には全部書き換えてますね。

設定は概ね同じ。
この冒頭文に登場する玩具がディアロイドの主人公ボイドなのですが、デュエロイド版では情報とキャラ設定を詰め込んで回転刃を持つ謎の敵まで話を進めている。

ディアロイドをお読みいただいていれば明らかなのですが、この回転刃を持つ謎の敵こそが……ニグレド!!

そう、最初はボイドとニグレドの邂逅から話を始めようと思ったんですよ。

ただ、ボイドを主役とした話を考えていく中で、ニグレドやNOISEの話はディアロイドの物語の中核ではないよね、という事になった。冒頭の速度感なんかはデュエロイド版も悪くないと自負してるんですけど(ディアロイド版はじっくりスタートだし)、この流れで話を進めても何にも響かないのでは、と気づいちゃったんですよね。

だってほら、知らない玩具同士でニンゲンが云々って始めちゃうんですよ、この後。ちょっとまぁ難しい。でもそこをあっさりにして退かせるなら、そもそもNOISEがメインに咬まないと意味が出て来なさそう。

あと探偵ではないのかな、となりました。
概念上の探偵モノでも成立はするんですけど、便利屋の方が実態に即している。あとデュエロイドって名前は既に使われていた。etcetc。

ところで。
螺子巻は、小説を書くときにプロットを用意するタイプです。
キャラ表も書くようにしてる。

理想としては、完璧な設計図に基づいて、話の盛り上がりや情報量をきちっと管理したい……と思ってるんですよ、私。
でも私の書くプロットって、なんかガバいんですよね。ガバい通り越してガブリアス。書いていくうちにすぐ『全然使い物にならねぇ!!』ってなる。

なので盛る。
『こっちの方が盛り上がるんでは?』と思ってガンガン流れを変える。
大筋は変わらないんですけど、けっこう予定と違う描写やノリで生えてきた描写などがあります。

書いていくうちに気づく部分とかもある。
彩斗が『母親に話をしていない』話をした後に、ボイドは『アイツには会いたくなかった』と言いながら境川星奈に連絡を入れる……って流れあったじゃないですか。アレとか、まぁそんなに深くは掘り下げてないんですけど、書いてる間に「あーこれ同じようなことなんだなー」ってなったり。ノリで生えて来たから尺割けてないんですけどね!?

書いていくうちにキャラクターの考えてることが分かる、っていうのは凄く楽しい反面、「じゃあこれは出来ないねぇ」とかポンポン出てくるのが迷い所で、用意していたプロットがその噛み合いもあってか全然面白くないなと感じてしまって書けない、とか頻発してました。この辺り、上手く改善できればレベル上昇に繋がりそうなんですけど、難しいですね。

一通り書いて、チャート理解した上で改稿とかすればいいのかな?
うーん、改稿ってやっぱり難しいですよねぇ。場当たり的にしか出来てない気がしてる。ボツ、ボツ、ボツ、これが初稿!次行くぜ!みたいになってる。良くないのでは?

ディアロイドのその後

しばらくは続き書いたりはしない……と思います。

色々空想はあるんですけどね。
KIDOの後釜となった豪頼の息子・貴堂玄夜がボイドに何ごとかの依頼をしてくるとか、NOISEとの全面戦争編とか、ディアロイドチャンピオンシップとか、KIDOサーバに保存されていたディアロイドのバックアップデータが固有意志を持つゴースト編とか……

KIDOコーポレーション、以前に書いた別作品から引っ張ってきた名前なんですよ。引っ張ってきただけで深い意味は無いんですけど、ロックマンとエグゼくらいの関係性ではあるのかもしれないなぁとぼんやり考えたりしてる。

ボイドはボイドなので、よほどの相手がいない限り再婚(再婚ではない)はしないんだと思います。永遠の未亡人。なんだけど、大きな事件ごとに相棒小学生が出来たりするんじゃないかなぁ、とか。ボイドボーイ(やめよう)。

ともあれ、純然たる趣味の塊なので、いずれ己の楽しみの為に続きを書くこともあるかもです。いや俺の楽しみの為に書いてくれ!という方がいらしたらそれはそれ、具体的なアレソレでいくらでも書くのですが。今は次の公募に向けて頑張る時期かなぁ、とか考えてます。


そんな感じで生まれて育ったディアロイド。
お読みいただいた皆さま、お付き合いいただき本当にありがとうございました!

あとがきだけ読んでまだ本編読んでない方?
そんな方は……まず……読んでくださいね!

マガジンもあるし一応カクヨム版もあるので、ゆっくり読んでいただけたら幸いです。ちょっと文字数多いですからね、少しずつでも良いんですよ……!!

それでは、またいずれかの作品、もしくはTwitter、もしくはYouTubeでお会いしましょう。またね!!


https://note.com/zenmai/m/m250a0950eb78

https://kakuyomu.jp/works/16816452218881048842


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