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いいねヨガ 前編

「いいね」をすることはもはや多くの現代人において生活行為の一部となっていると思うが、SNS疲れを招くネガティブな行為にもなっている。

「いいね」することはそもそもとてもポジティブな行為なはずだが、付き合いや同調圧力で本心はどうでもいいと思っているにもかかわらず、「いいね」をしなければならない煩わしさがきっとネガティブな行為へと退転させたのだろう。

このネガティブになってしまった行為をもう一度ポジティブに戻せないかとずっと考えていた。きっかけは2年前くらいから茶の湯に興味を持ち、勉強し始めてから。日本の美意識や感性の1つとなっている「侘び寂び」に「いいね」にも同じような可能性を感じた。昨年、東京自由大学さんでの講義では少し「いいねヨガ」については触れたが、ここでもう少し深くまとめていきたい。

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2019年6月に開催された東京自由大学でのイベント。依り代としての広義のヨガは今後どのようにアップデートされて広まっていくのか、ワークショップを交えた講義になった。

僕は学生の頃、mixiを使いアシュタンガヨガコミュニティの管理者もしていたほどだったが、受け身系のフォロワーが多過ぎてコミュニケーションに相乗効果が現れ難かったのと、フィジカルな繋がりを大切にしていきたいという想いが湧き起こり、いつしか20代後半にはSNSを1つも使わないという脱デジタルな超ヨガっぽい人になってしまっていた。

それが、2015年頃から再び積極的にSNSを使うようになったのは、いくつか理由がある。1つはログとして思考や感情を残しておきたいという個人的な思いと、もう1つは来たものを素早く打ち返すようにアウトプットを繰り返す練習をしたいと思ったからだ。

ただ、SNSを再開するにあたって、友人や知り合いだろうと興味の無い投稿には「いいね」など反応はしないということは決めておいた。これはmixi疲れの経験から、本当に自分が惹かれるものだけに反応した方が長期的には良いと痛感したからだ。

「いいね」をする時は、忖度や同調圧力を気にせず、単純に良いと思うものだけにすることでSNSを使うことに対して本当にストレスが無くなったし、フォロワーやコメントして下さる方は有難いことにフィジカルでも仲良くなれるような方ばかりが集まってくれるようになった。

フォローするアカウントも「いいね」する投稿も自分が良いなと素直に思ったものだけだから、ずっと眺めていても安らぐし、次第に祈りにも近い行為になっていく。世界中とのヨガ(繋がり)を感じる行為として昇華することは可能だと感じた。

ネガティブな行為から祈りや美意識へと転換するには、本当に自分が「いいね」と素直に思えることに対して「いいね」してみると変わる。

さらに茶の湯のように「いいね」がよりインナーリムズの修行や神聖な行為として確立していくためには具体的にどのような作法が必要なのかを後編ではまとめていこうと思う。


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