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#58 2024年介護報酬改定について

前回のnoteへの記載からだいぶ時間が空いてしまい失礼致しました、
週一、は難しくとも定期的に発信は続けて参ります。

7万円の賃金差


厚労省は、昨年の人口動態統計を発表し、昨年の出生数が77万747人となり、統計を取り始めた1899年以降最小となりました。また、「合計特殊出生率」も1.26に落ち込み、今後も人口の増加は見込めない状況となっています。添付のように、日本は今後、労働人口が減少し、高齢者が増加する超々高齢化社会になっていくと見積もられます。
令和5年12月24日、岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」といわれる「こども未来戦略」を閣議決定しました。NHKによると、「介護が必要な高齢者を支えるのに必要な介護職員数は2025年度には、およそ243万人と試算され、2021年の介護職員215万人と比較し28万人の人材不足の状況となっています。さらに、2040年には280万人が必要になると見込まれ、およそ65万人不足することが予想され、このままでは、介護保険サービスの維持が困難になるおそれがある。」とのことです。
介護人材の確保および介護事業において、我が善光会が取り組んでいるようにICT,AI,ロボットの導入・活用など生産性の向上を図っていかなければなりません。
また、厚労省の2022年の「賃金構造基本統計調査」で賞与を含めた給与を比較したところ、すべての産業の給与平均が約36万円であったのに対し、介護職員は約29万円となっており、全ての産業よりも約7万円低いのが現状です。処遇改善、介護業務の魅力化、生産性の向上は急務だと言えるでしょう。

国民として、介護事業者として注意すべきこと

(1)介護保険制度見直しによる介護保険料の負担増加
介護報酬のプラス改定は介護事業者にとって追い風となる施策であり、大いに歓迎すべきでしょう。しかし、一方で、介護保険制度を維持するため一般国民は、プラス改定を支えるために、介護保険料の負担が大きくなることを覚悟すべきでしょう。12月22日、厚労省の審議会では、65歳以上の介護保険料を来年度から、年間所得「420万円以上」の高齢者を対象に引き上げることが報告されました。次回、3年後の制度見直しでは、高齢者が支払う利用料金の引き上げについても議論されるとのことです。
(2)義務化に伴う減算に注意
今回の介護報酬のプラス改定は大いに歓迎すべきことですが、加算された業務が義務化され、基本報酬に組み込まれると「やらなかったら減算」という措置が取られる可能性があります。例えば、2021年度の「栄養マネジメント加算」は基本報酬に組み込まれましたので、「やらなかったら減算」という扱いになります。このように、2024年度改定に備え、しっかり加算業務の内容等に関し、情報収集し、余裕をもって、制度移行の準備を行いましょう。

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