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2023年4月〜 とある民間企業に就職した私が、私であることを手触り感を持って確かめるための営み。
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2023年5月の記事一覧

【キー8】装丁のかわいい本

【キー8】装丁のかわいい本

読書中に友人が、「装丁のかわいい本を読んでるね」と声をかけてくれた。今回は本棚にある装丁のかわいい本を3冊だけ紹介する。

『わたしの嫌いな桃源郷』(初谷むい)2022年にでた初谷むい氏の第二歌集。

まず、開いて最初の歌がいい。

この一首は帯にも載っているし、この歌集が紹介されるときには必ずと言っていいほど触れられる看板的一首だ。初手から手加減してこない感じに読み手も背筋が伸びる。

自分の彼

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【キー7】いいね!(Like)

【キー7】いいね!(Like)

更新が滞っていたここ3週間くらいに面白いと思ったあれこれ

「お見送りのお客様は黄色い線までお下がりください」青森駅の奥羽本線のホームできいた。お見送りといえば上野駅だが、上野駅で聞いた覚えはない。上野駅と青森の関連といえば、青森市には『津軽海峡冬景色』(石川さゆり)の歌碑があって、歌がずっとループ再生されていた。

同じ食卓で同じものを食べたい指摘されて気づいたんだけど、僕はファミレスに行くと毎

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【キー6】信念

【キー6】信念

うんうん、それは資本主義が悪いね

老モテ2022年、話題となった歌集の一つに『老人ホームで死ぬほどモテたい』(上坂あゆ美)がある。その一ヶ月後に、以前触れた『水上バス浅草行き』(岡本真帆)が刊行され、この2冊は昨今の短歌ブームを牽引する歌集となっている。
この2冊は何かとセットで評されることが多い。なぜかといえば上坂氏と岡本氏は同年代の(女性)歌人であり、この2冊がそれぞれにとっての第一歌集であ

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【キー5】裂け目/嫌いな言葉

【キー5】裂け目/嫌いな言葉

裂け目例えば、新海誠『すずめの戸締まり』(2022)における日本列島とミミズの関係のように、とある世界の裏にべったりと張り付いているものが、僕たちの周りには沢山あると思う。『すずめ〜』では、要石が外れたのを機に「後ろ戸」から、この普段は見えないミミズを見ることができた。この「後ろ戸」のようなものを、世界の裏側が溢れだしてしまうポイントとしてここでは「裂け目」と呼ぶことにする。

トングラム

「ト

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【キー4】視線

【キー4】視線

予想外なところへ飛んでいってしまう脳内ひとりマジカルバナナ。妄想癖がドレスコード(©︎Punpee)

マジカルバナナ!せ〜の(パンパン)月曜日!

月曜日といえば…

この月曜日、リモートワークで僕ら数十人が仲良くお説教を受けていた。
僕は集団で怒られたり叱られている時、幽体離脱のようにスッと魂が体から一歩後ろに抜け出して、怒られている自分を客観視するような感覚によく陥る。怒られ慣れていないから

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