見出し画像

【ZINZIEN主催セミナーレポート】“就職活動に関する意識調査”について現役人事がディスカッション

こんにちは!

2021年3月25日(木)に行われた、株式会社ZENKIGENの人事コミュニティZINZIEN(ジンジエン)主催のイベント『【データ×人事対談】 “57%の就活生”が選考プロセスのオンライン対応は応募意欲に影響| “就職活動に関する意識調査”について現役人事がディスカッション』についてレポートします!

どんなセミナーだったの?

2021年2月、ZENKIGENは22卒の就職活動生を対象に、就職活動におけるオンライン化の実態についてアンケート調査を実施しました。調査結果を基に、現役人事の株式会社コンヴァノ 江頭さんと株式会社メディクルード 井本さんと共により良い採用や就職活動の実現についてディスカッションを交わしていくセミナーでした。

では、セミナーの内容を紹介します!

1. ゲスト紹介

以下、ご登壇いただいた人事担当者の方々です。

画像1

株式会社コンヴァノ 取締役 CHO 江頭 渉さん
美容師 兼 ネイリストとして都内複数店舗の ヘアサロンやネイルサロンに勤務。数店舗のネイルサロンやネイルスクールの立ち上げを経験。
・2007年株式会社コンヴァノの設立から参画、営業、採用・教育、商品管理・配送の各部門の責任者を歴任
・2019年7月 CSO(最高営業責任者)に就任
・2020年1月 CHO(最高人事責任者)に就任(現任)
・2020年7月 東京化粧品健康保険組合の監事に就任(現任)

画像2

株式会社メディクルード HR推進 チーフマネージャー 井本 明日香さん
新卒入社の証券会社にて新卒1年目に営業職から人材開発部へ異動。
その後、スタートアップ企業や上場企業を経験し、事業開発や管理部門からクリエイティブ・エンジニア職まで多種多様な職種の人に関わる課題解決に携わる。
2018年、医療機関への事業支援を行う(株)メディクルードに入社。
HR推進チーフマネージャーとして、同社及び医療法人等のHR領域を担当。

2. コロナ禍により変化した就職活動への意識・行動とは

0325 ZINZIENセミナー1

---コロナ禍により変化した就職活動への意識・行動について、「就職活動の開始時期を早めた」と回答されている学生さんが約半数いるようです。実感はありましたか?

江頭さん:「就職活動の開始時期が早まった」というのは、ほとんどの人事が感じていることではないでしょうか。同時に、学生の「意思決定の時期」も早まったのではと思います。

井本さん:企業側が早まっているのもありますし、動かないと不安と感じる学生さんの心理的な要素もあって早まったのでは、と感じますね。当社ですと、23新卒ももう動き始めています。

--- 就職活動の早期化において、どういった対策や対応をされているのでしょうか。

井本さん:前年に比較して、学生が早期に内定をもらいたいという要望に合わせて、一人ひとりに寄り添った選考スケジュールを組むようにしていました。採用のオンライン化が進んだこともあって、選考スピードをあげることもできましたね。

江頭さん:インターンという形で学生さんと接する機会は増やしましたね。知ってもらう機会はどんどん発信していました。

--- 「企業の安定性を重視するようになった」など、企業選定における軸の変化が上位にあります。学生さんが企業を選ぶ軸の変化は感じますか?

江頭さん:当社の場合、「ネイルをやりたい」という学生さんが一定いますが、なぜ当社なのかというと、「業界の中で唯一上場しているから」や「会社がちゃんとしているから」と声をいただくことは増えましたね。

--- ぜひ本音をお聞きしたいのですが、「安定性」ってどう思われますか?

江頭さん:そうですね、学生が思う「安定性」と、企業が思う「安定性」は少し違うと思っています。一昔の「安定性」で言うと、「福利厚生の充実度」や「昇格できるか」などを意味していましたが、今は違いますね。

井本さん:確かに「安定性」の定義がコロナ前後で変わりましたね。「オンライン面接に対応しているか」など、企業の柔軟性も概念に入ってきた気がします。

3. 半数以上の学生さんが就職活動のオンライン化を歓迎

0325 ZINZIENセミナー2

0325 ZINZIENセミナー3

--- まさに次の質問につながるのですが、7割以上の学生さんが就職活動全体のオンライン化を歓迎しています。また、半数以上が企業のオンライン選考対応可否によって応募意欲に影響を与えると回答しています。
2020年は採用プロセスの再構築や、オンライン化が求められた年だったと思いますが、どう対応されましたか?

江頭さん:オンラインに切り替える前はデメリットしかないのでは、と思っていましたが、実際やってみるとメリットのほうが多かったですね。ポジティブ面に目を向けて、どう活かすかを駆使した一年でした。

井本さん:昨年の今頃にharutakaを駆使していたのを思い出します。オンライン化が始まった昨年、私達の採用ポリシーとして、オフラインを貫くのか、オンラインに切り替えるか、ものすごく検討しました。結果、江頭さんと同様に、オンラインだからこそできることに注力しました。

--- 半数以上の学生さんはオンラインを歓迎とのことですが、人事の方々はオンライン選考に対してどう思ってらっしゃいますか。

江頭さん:個人的には大歓迎です。理由は二つあります。一つ目は、従来はネイルサロンのお店があるエリアにしか、当社に興味を持ってもらえませんでした。オンライン説明会や面接を通して、他のエリアの方々から知ってもらえるきっかけになりました。
二つ目は、対面だとマスク越しの面接でしたが、オンラインだとマスクなしで面接を行えたので、顔の表情や雰囲気を読み取りやすかったです。

井本さん:録画を残しておくといつでも学生さんの顔を見れるので、時間を超えるというメリットもありますね。ただ、オンラインとオフラインで会った印象が異なることもあったので、我々の中で課題は残っているなと感じています。

--- どういった印象ギャップがあったのでしょうか。

井本さん:当社では二日間のインターンシップを実施しています。今年は一日目をオンライン、二日目をオフラインで実施したのですが、動きや気の配り方など、ノンバーバルの部分で異なる方がいましたね。

4. 最終面接はオフラインを希望

0325 ZINZIENセミナー4

--- 多くの学生さんがオンラインでの選考を望まれている中で、最終面接は対面を希望されている学生さんが多いようです。

井本さん:そうですよね、学生さん達と私達と、最終だけでも会いたいという気持ちに乖離がなくて良かったです。

江頭さん:私達も同じです。最終面接だけでもお会いしたいという想いから、緊急事態宣言が明けるまで学生さんには待ってもらいました。辞退する学生さんも増えるかなと心配していましたが、そういった学生さんはほとんどいませんでしたね。

--- 緊急事態宣言が明けたいま、今後はどういった対応を取られるのでしょうか。

江頭さん:最終面接はオフラインにしたいですね。お客様に直接対応をするビジネスモデルなので、企業ポリシーとして最後は直接お会いしたいです。

井本さん:当社も同じです。元々役員面接と最終面接は対面面接を組んでいたのですが、最終面接のみ対面に切り替えました。役員面接までに、リクルーターや人事とのコミュニケーションを濃密に行っていたので、最終面接で実際お会いした際にはそこまで人物的乖離を感じなかったので、この結論に至りました。

5. リモートワークを推奨している企業かは志望度に影響がある

0325 ZINZIENセミナー5

--- 半数以上の学生さんがリモートワーク推奨しているかどうかで企業への志望度に影響があると回答しています。
コンヴァノさんもメディクルードさんも、本社勤務や現場勤務の方、それぞれいらっしゃると思いますが、この結果をどう捉えますか。

井本さん:本部勤務の社員はある程度リモートワークで仕事しています。ただ当社は医療や介護など、エッセンシャルワーカーを現場に持つ企業ですので、学生さんには、オフラインであるべき仕事を扱っている業態だと理解していただいています。

江頭さん:同じく、本部では最大限リモートワークを実施しています。なぜなら、仮に本部のメンバーが感染した場合、それが店舗社員、さらにお客様への感染リスクを伴うからです。

6. コロナ禍の就職活動で不安に感じていること

0325 ZINZIENセミナー6

--- コロナ禍での就職活動は例年と違い、情報量が不足していることから、多くの不安を抱えているようです。説明会などで会社情報や選考方法について伝えるに当たり、どう工夫されていますか。

井本さん:昨年就職活動を経験した内定者に、「コロナ禍でどう感じたのか」「どう就職活動していたのか」を文章で提出してもらい、今年の就職活動生に全文紹介しました。先輩の実体験を知ることで、不安解消に繋がっているようです。
また、私達としてもオンライン選考はまだ不慣れな部分が多いため、「一緒に選考を作っていこう」というメッセージを発信し、前向きに捉えてもらっています。

江頭さん:社員と話す機会を増やしたり、会社やお店の雰囲気を知ってもらうための動画を送ったりしましたね。また、学生さんからの声を拾っては都度人事内で共有し、どう対応できるか会話をしながら選考をアップデートしていきました。

--- 選考中にコロナにかかった場合、「企業に伝えにくい」という不安な意見も多いようですが、どう捉えられていますか。

井本さん:私達としては、「伝えてくれてありがとう」というのが大前提あります。医療機関を持っている会社でもあるので、万が一何かが起きた際の対応策は準備していました。それを学生さんに展開させていただき、なるべく他の学生さんに遅れを取らないように対応していました。

江頭さん:当社も同じスタンスです。むしろ、仕事をする上ではいいことだけでなく、自分にとって不利なことも伝えることが大事だったりしますよね。その意識を持って声をあげてくれた学生さんに対して、逆にポジティブな印象を受けます。

7. 最後に

--- 最後に視聴者の皆様へメッセージをお願いします。

井本さん:各社手探りの中で、採用活動はこの一、二年で変わっていってると思います。私達も日々悩みながらやっています。この新卒採用を通じて、世の中が変わっていく良さを学生さんに届けられるようになりたいと思いますので、皆様と一緒に頑張っていけたらと思います。本日はありがとうございました。

江頭さん:人事にとって、いい人財を採用する際には、どの業界の企業さんも競合に当たると思います。ただ学生の皆様からしてみたら、一番最初に出会う社会人なんですよね。会社が成長していく上で、「人」がすべてと言われる中で、それを人事が最も体現していくべきだと思うんです。そのためにも、一人でではなく、みんなで情報をシェアしながら一緒にパワーアップしていけたらいいなと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

8. ZINZIENについて

今回はZENKIGEN創設の人事コミュニティ「ZINZIEN」主催で実施させていただきました。「開かれた人事」をコンセプトとして活動しているコミュニティでして、今回ご登壇いただいた江頭さんと井本さんもメンバーです。
今後拡大していこうと思いますので、ZINZIENにご興味がある方は、ぜひ以下の記事を読んでみてください!
【メンバーインタビュー】株式会社ZENKIGENの人事コミュニティZINZIEN(ジンジエン)とは


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?