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短歌もどきをまとめてみた(20200607更新)


五・七・五でできた一行の詩にも満たない何かが溜まってきたので、もったいないオバケ精神でまとめてみました。時々蛇足付き。

※写真は何も思い付かんかったので、とりあえずマラケシュのジェラート屋のアイスをのせてみた。うまかったです。

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名を捨てて荷物も捨てて人も捨て心と釣り合う空っぽになろう


我が道は君がいれども孤独なり 然れど灯火ひとつは灯る


どん詰まり叫べ叫べよ閉塞感絞り出せるは空咳ばかり


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押し退けてことわりも知らぬ人々が今日もこの街を社会を回す


ハイヒール階打ち響くその音に先に踏まれた足が痛んだ


「この駅でわたし以外は人じゃないただのひとごみそう、ごみの群れ」


(※蛇足補足:満員電車辟易シリーズ)


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花咲けど心はむなし味気なし塞いだ心で景色は見えぬ


この世にてただ磨り減り死ぬだけならばこの消しゴムで俺を今消せ


人々と星の数ほどゆめあれどゆめの墓場にすらたどりつかぬゆめ


胸躍る好きなものたちに囲まれてきたる未来より先に死にたい


たやすいさ沈む泥舟指さして空空(からから)嗤う乗客になれ


今ならばぼんやりとした不安と云うふざけた死因も笑えずうなずく


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右手にはきれいな指輪  (爪を噛む癖で指先ばかりが目立つ)


(※蛇足補足:我妻俊樹先生の「夏の井戸」から始まる歌をたまたま見かけて触発された。機会があれば是非見てほしい。

後、これは更なる余談なのだが、個人的にこういう「着飾っているのに本質的なところで台無しになっている」みたいな子に結構ぐっときてしまう。仲良くなれるかどうかはさておき。)

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春の庭腐り落ちゆく死骸の眼友と眺めた小三の昼


星降らせ鯨の骨を屋根にして今は眠ろう胎児の如く


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※2020年6月7日追加

心臓がもしも心の在処ならつられて腐る他のはらわた

繰り返し不穏なうたの文字なぞりうつそりと笑む 「ぜんぶ滅べや」

ペリュトンが影真似あそぶ島の隅 元の主の死骸に這う花

晴れ暮れたまちの灯りの離れにて無人の道を夜風とあそぶ

ぐるぐると布団の踊るランドリー無心で眺める平穏を知る

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※2022年3月6日追加

蛇の舌キリンの舌よ巻き付いて首へし折りて吐き気を止めて

改めて己がいかに空っぽか知り、倦怠感で吐きそうだ

アナウンス聞き流しながら出社するぼくらは既にゾンビかもしれない

ひとりぶんの器で疾うに飽和したかなしみ縁を底を蝕む

呪われた言葉はかさぶたをとうにやめ鱗に化えてこびりつく、此処に

すこしずつ呪詛の鱗を剥ぎながらひだまりの方へひだまりの方へ

こんばんは夜分おそくにすみませんぼくをかえしてもらいにきました

右に釘左に螺子をうち込まれ嵐の気配にのたうつかたつむり

(偏頭痛つらかった)

この先も君の煙草のけむり浴び肺を汚すのは心中に近い
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根暗が多いのは仕様なので仕方ない。

多分定期的に増えます。(20200510)

追伸:増えました。(20200607)

追伸:書き溜めていたやつを増やしました(20220306)


<善吉/Baŋaditjan>

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