善吉/Baŋaditjan

モノガタリスト時々オエカキスト。映画を観たり本を読んだり小説のようなものを書いたりする。

善吉/Baŋaditjan

モノガタリスト時々オエカキスト。映画を観たり本を読んだり小説のようなものを書いたりする。

最近の記事

参考文献をまとめた(『上へ参ります、上へ参ります』)

現在参加している創作講座の最終実作(リンク先)について、字数制限と時間制限により参考文献を全部書き切れなかったのでここに書いておこうという自分のための備忘録です。 (本当は提出後すぐにまとめたかったが、そんなことがすぐに出来ている計画的な人間なら参考文献を全部リスト化出来ないまでに時間と字数が無くなったりはしないのだ。悲しいことですね) これを書いている今から二日後の最終講評に向けて自分の整理も兼ねて、ということでようやくまとめます。既に緊張で情緒がおかしくなってきた。 色

    • 腕輪が去るまで

       吊革を掴むタツキの腕を、横の男性がじろじろと見ている。腕に描かれたトカゲの模様が『腕輪』ではないと分かったのか、しばらくして視線が前方に戻った。そのままタツキは満員電車に揺られて今日も出勤する。  WITHコロナ、ニューノーマルとは感染前提で動く社会のことだ。  週に一度の簡易検査で陽性となった者は、手首に感染者の印として黒い腕輪の模様を入れられる。経済活動の停滞を防ぐため、無症状の者は出勤の継続を推奨されていたが、模様が数週間で消えるまでは、夜の外食など仕事以外の行動が

      • 発見メモ:汚れつちまつたもの、それからアゲハ蝶の世界の話

        先日個人的に「へぇ」と思った発見があったので、備忘録がてらにメモをしておく。 その1:『汚れつちまつた悲しみに……』の話ご存じの方も多いだろう。中原中也の詩の中で、代表作的な扱いをされているのをよく見かける詩である。次点で見かけるのは恐らく『サーカス』辺りだろうか。ゆあーん、ゆよーん、のあれである。 個人的な好みを言えば、他の詩ももっと取り上げてくれても良いんだが……と思うし、最近見かける文豪ネタを軽く覗いた結果「他の詩も見たかったな……」となることも少々あるのだが、まぁ

        • 短歌もどきをまとめてみた(20200607更新)

          五・七・五でできた一行の詩にも満たない何かが溜まってきたので、もったいないオバケ精神でまとめてみました。時々蛇足付き。 ※写真は何も思い付かんかったので、とりあえずマラケシュのジェラート屋のアイスをのせてみた。うまかったです。 ―――――――――――――――――――――――――― 名を捨てて荷物も捨てて人も捨て心と釣り合う空っぽになろう 我が道は君がいれども孤独なり 然れど灯火ひとつは灯る どん詰まり叫べ叫べよ閉塞感絞り出せるは空咳ばかり ――――――――――――

        参考文献をまとめた(『上へ参ります、上へ参ります』)

          【2020年ひとり名画座】1月②「家族の肖像」

          ①の『若者のすべて』が長くなってしまったので、二本目の『家族の肖像』はこちらに書くことにする。 家族の肖像『若者のすべて』と違い、こちらはカラーかつ英語の映画。上映時間も『若者のすべて』と比べるとずっと短い。デジタル修復されていたのか、結構画質も綺麗だし音も割れていなかった。 使用人のみ雇い、絵画を収集しながら独りで暮らす教授の老人のところに、ある日絵と引き換えに住んでいる建物の上の階をしばらく貸してくれないか、と四人組がやってきて、それまでの静かな暮らしが滅茶苦茶になっ

          【2020年ひとり名画座】1月②「家族の肖像」

          【2020年ひとり名画座】1月①「若者のすべて」

           2019年の暮れに何となく思い立ち、 「来年は古典名作と言われる映画を色々観てみよう」 などと計画を立て、ついでに読んでいない昔の名著も読むことにした。消化期間も考え、それぞれ一か月に一作品ずつのペースでトライしている。 とはいえ一人で読んだり観たりしただけだとふんわりと忘れていきそうなので、備忘録も兼ねて感想とか色々書いてみる。とりあえず後一週間ほどで2月が終わりそうなのに何を観るか(そして読むか)を今日になってようやく決めたという、二ケ月目にして既に頓挫寸前の状態

          【2020年ひとり名画座】1月①「若者のすべて」