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「三つ目がとおる」ミッシング・ピーシズ発売!

今回は「三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ」をご紹介いたします。

手塚治虫の人気漫画「三つ目がとおる」が連載開始から50周年を迎え未発表原稿など50点余りの新原稿を収録した作品集が発売されます。

発売日は7月10日頃予定
その名も「ミッシング・ピーシズ」
失われた断片と称してこれまで世に出ることのなかったお宝を詰め込んだ
ファン陶酔の逸品が発売されるということでその内容を観ていきます。

昨年末に同シリーズで初刊行された「ブラック・ジャック ミッシング・ピーシズ」は4950円という価格にもかかわらず発行部数1万部を超える大ヒットとなりました。

その第二弾として今回「三つ目がとおる」が登場。
本記事ではすでに刊行中の「三つ目がとおる 《オリジナル版》大全集」と比較しながら本書がどういうものか見ていきます。
ご紹介は立東舎のHPから引用していきます。

さてまずは、本文読んでいきます。

「雑誌掲載オリジナル版を中心に単行本初収録の未発表素材を多数掲載
知られざる写楽保介の姿を堪能できる1冊!」

というわけで
「単行本初収録の未発表素材を多数」というところがポイントですね。
オリジナル版は全エピソード収録されておりさらに単行本未収録だった“幻”のページを200ページ以上も初収録した決定版でありますから
これよりさらに未発表素材があるということですよね。

ちょっとこの情報だけでは定かではありませんが
「単行本初収録の未発表素材」という文言がなんとも微妙です。

単行本には未収録だけど、もう世に出ているものを指しているのか
それとも完全に世に出るのが初の未発表のことを指すのか。。
ちょいと現状では微妙です。

続けて

「単行本化の際に再構成されたエピソードを厳選して初出版として収録。」

との記載ありますのでこれは「初出版」とありますので
出版物として初めてと捉えても問題ないでしょう。

「さらに単行本に掲載された該当ページを併載することで、
読み比べながら手塚治虫の華麗な編集術を堪能できる趣向です。」

とあります。
まずは前回でもあった読み比べですね。
これはコンテンツ見ると
「酒船石奇談」と「文福登場」「スマッシュでさよなら」の3作が対象のようです。

本書の楽しみの最大のウリと言ってもいいこの読み比べですがこの読み比べこそが手塚マンガの奥深さを体験できるコンテンツだと思います。
なんせ自分の原稿を切り貼りしてストーリーや構成を変えるわけですから
ちょっと普通では考えられません。
他の漫画家さんでやっている人いるんですかね。
一部分ならちょいちょいありますけど
そのレベルじゃなく丸ごと変えたり大胆に切ったり
とにかく凄まじい改編っぷりで有名な作家であります。

実際携わった編集者からは「手塚先生の編集術に衝撃を受けた」という感想が多いと感想漏らしておられますように
本当に手塚治虫の編集技術と頭の中の構成力は驚きに値します。

特にこの「三つ目がとおる」の切り貼りっぷりはハンパじゃなかったそうなのでその読み比べともなると大変見応えがあるのではと思われます。



そもそも自分の原稿を切り刻むってことに抵抗ないんでしょうかね。
作家さんって自身の作品を大切にしてそうなものでしょうけど
手塚先生ってあんまりそういう概念がないようです(笑)
編集者さんとかに原稿を配っていたという話もあるくらいなので羨ましい限りです。


「また、各話の差し替えられたコマや、新発見のおよそ60枚におよぶネームやキャラクタースケッチ、そのほか別作品にゲスト出演した際のカットや手塚自身がアニメ用に描いた主人公「写楽保介」の設定資料や自筆のシノプシス、連載時の扉など「三つ目がとおる」にまつわるさまざまな画稿を集約しました。」

ここです
「新発見のおよそ60枚におよぶネームやキャラクタースケッチ」という文言。


新発見という事はまだ誰も知らないということですよね。
新しく発見されたと解釈して問題ないかと思います

こういうのって本当にまだあるの?って感じで「見つかった」のか
「知ってたけど公開しなかった」のか分かりませんが
なんせ新発見が60枚ですからこれは期待値大です。

ちなみに「アニメ用に描いた」というのは
85年放送のアニメ「悪魔島のプリンス」のシノプシスをつづった
自筆の原稿用紙などの新資料を収録しているらしいです。

「単行本版で修正される前の雑誌連載時のままの原稿や、扉絵なども掲載している。」

ということでこれは特段「お初」などの明記がないのでおそらく《オリジナル版》大全集と同じものが掲載されるのではないでしょうか。

以上が概要になりますが如何せんあまり情報がないので
現時点で判断するのは正直難しいといったところです。

本書は完全版ではないので
焦点は本書でのみ見ることができるコンテンツがあるのか。というところになろうかと思います
読み比べは本書の大きな特徴ですのでじっくりと手塚先生の創作技術が拝めると思います。

新ネタにおいては文章だけを読む限りでは「新発見」の文言があるので
まだ世に出ていない本書で初公開となるものがあると期待して良さそうです。そもそも本書はどちらかと言えば創作の過程を楽しむようなスタイルなので物語をガッツリ楽しみたいと言う方には不向きかと思います。

そういう方には間違いなくオリジナル版オススメです。


これまで単行本未収録だった“幻”のページを累計で200ページ以上も初収録していますししかも全エピソード収録。カラーページや扉絵も全収録されておりさらに手塚先生がぐちゃぐちゃにしたエピソード順番も
掲載順に並び替えて整理されたまさに完全版と呼べる逸品
オリジナル版でしか見られない写楽と和登さんの見たこともない珍しいシーンが30数ページ以上も初収録されています。





以上「三つ目がとおる ミッシング・ピーシズ」のご紹介でございました。
発売日は7月10日頃予定となっており発売日に届く予約販売も始まっておりますので是非チェックしてみてください。


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