マガジンのカバー画像

INSIGHTS

12
zeniusのインサイト記事です。
運営しているクリエイター

記事一覧

医療×AI革命:規制を超えるドラッグデリバリーの進化

Timothy Bubb氏が、デジタルヘルスという新しい分野に対してEU、米国 FDA、英国MHRAが採用しているさまざまな規制アプローチの概要を示しながら、人工知能と機械学習がヘルスケアとドラッグデリバリー業界に及ぼす潜在的な影響について説明します。 バイタルサインを監視するウェアラブルセンサーから人工知能(AI)搭載の診断ツールまで、デジタルヘルス技術の出現は、幅広いイノベーションをもたらし、医療の世界に革命をもたらすと期待されています。ドラッグデリバリーシステムに関し

[最新版] MEDICA 2024における各社の環境負荷低減への取り組み

こんにちは!zeniusです。 今回は、2024年11月に出展したMEDICA 2024より、医療用包装における持続可能な生産活動への取り組みをされている企業を紹介いたします。zeniusメンバーが、現地でその取り組み内容をヒアリングしてまいりましたので、その様子とともにレポートいたします。 DuPont( https://www.dupont.co.jp/ ) DuPont社は、Tyvek®(以下タイベック)の生産プロセスの見直しによって、材料廃棄物を最大30%削減でき

注射剤ドラッグデリバリーの未来のトレンド

Team Consulting社 の Chris Hurlstone氏が注射デバイスの需要増加について考察し、注射技術における重要な新しい開発が期待される分野についてまとめています。 注射型ドラッグデリバリー分野において多くの領域での成長が予測されています。低分子ベースの製剤が依然として医薬品の開発パイプラインで主流を占める一方、先進的なバイオ医薬品の開発も注射分野における主要な焦点となり続けています。また、グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) ブロックバスターなどの他

医療機器のサステナブルデザイン:ネットゼロ実現への道

Shore Design Consultancy Ltd.のWill Davies氏とHolly Milston氏が医療機器業界における循環型社会に向けた持続可能な道筋について考察します。 製薬業界全体が持続可能性目標の実施と達成に努める中、医療デバイスとそのシステムにおけるカーボンフットプリント削減のあらゆる機会を各社が探求しています。デバイスのライフサイクルのあらゆるステージで持続可能性を改善するための方法がありますが、最終的に目指す目標は「完全な循環」です。 循環性

デジタルツイン技術による製品開発の加速

Cambridge Consultants社のDan Cowen氏、Sebastian White氏、Anthony Robinson氏が、開発プログラムの複数の段階にわたって、デジタルツインがもたらすドラッグデリバリーデバイス設計における価値について説明します。 「デジタルツイン」という言葉は、どこでも耳にするようになりました。 インダストリー4.0を実現する技術*¹であったり、次世代の自治体制御システム*²の背後にある概念、あるいはパーソナライズされた治療を提供するため

針捨て管理をスマートに "MEMSキャップで臨床試験の精度向上"

Frank Leipold氏とBernard Vrijens氏は、Haselmeier社とAARDEX社が協力して MEMS Smart Capを開発したことについて話し合います。 MEMS Smart Capは、臨床試験中にデータを収集して、参加者のアドヒアランスを正確に評価できるようにするスマートなソリューションです。 「治験参加者がプロトコル通りに薬を服用できないと、偏った結果につながり、大幅な遅延や追加コストにつながる可能性があります。」 アドヒアランスは臨床試験

「再利用可能」 vs 「使い捨て」どちらがサステナブル?

Team Consulting社のAlastair Willoughby氏(Head of Mechanical Engineering)と Prem-Sagar Tank氏(Consultant Mechanical Engineer)が、再利用可能 vs 使い捨てインジェクターのサステナビリティやコスト観点でのトレードオフを比較調査した結果を発表します。 「コストとサステナビリティの両方が最適化された再利用可能なプラットフォームデバイスを作成する」という課題は、「特定の

デンマーク発の革新的なデジタル服薬管理システム "Sonohaler"

本日は、zeniusが国内の事業開発をお手伝いしているデンマークのコペンハーゲンに本社を置くデジタルヘルス企業「Sonohaler社」が提供する製品・サービスについてご紹介いたします。 聴診器から超音波機器にいたるまで、"音"は医療の世界で使われてきた最も古い診断ツールの一つです。Sonohaler社は、その"音"信号を現代のAI技術でパワーアップさせることで、革新的で低価格、かつ持続可能な呼吸器ケアのためのプロダクト・エコシステムを構築しています。 各ステークホルダーに

ドラッグデリバリーのトレンド2024

最新トレンドを常にウォッチしておくことが、将来を予測し備えるために必要不可欠です。ドラッグデリバリー分野の中でも、エキサイティングな開発を数多く手掛けているUK、Springboard社のTom Oakley氏とKamaal de Silva氏が、開発の立場から2024 年に注目すべき主要なトレンドについて議論します。 「新しいGLP-1が開発中であり、バイオシミラーが市場に投入されることにより、より優れたデリバリーデバイスを開発する大きな機会が生まれるでしょう。」 「体

PiccoJect - 注射の信頼性を向上させる

オートインジェクター / シリンジ技術のプログラムリーダーである Thomas Thueer 氏、イノベーション開発 VP の Chris Muenzer 氏、そしてプロダクトマネージャーの Ines Schlenker 氏が、Haselmeier 社のまったく新しいオートインジェクターPiccoJectについて、その患者ユーザビリティを飛躍的に向上させることに成功した開発の裏側を語ります。 イントロダクション 注射、特に自己注射は患者にとって困難なプロセスです。そのため

インヘーラーが環境に与える影響

私たちzeniusは、数多くの海外医療機器メーカとビジネスを行ってきました。その知見を活かし、日本のペイシェントエクスペリエンスを向上させるべく、DDSデバイス開発に日夜貢献しております。 今回は、2022年末に弊社も参加したDDLカンファレンス(Drug Delivery to Lungsカンファレンスは、毎年エジンバラ/スコットランドで行われる呼吸器系薬物送達のあらゆる側面を網羅した国際会議です。)で実施したヒアリング内容等をベースに、海外におけるインヘーラーを中心とした

オートインジェクターはシンプルであるほどよい?

ドイツのインジェクターメーカHaselmeier社が新しく開発したPiccoJect™ プラットフォームを例に、デバイスのシンプルさの重要性と老舗デバイスメーカが取り組むサステナビリティついてご紹介します。 患者にとって”負担のない”ヘルスケアソリューションこそが、より効果的な慢性疾患管理には必要不可欠です。 「患者を中心としたDDS(ドラックデリバリーシステム)」を生み出すにはこの考え方は切っても切り離せません。 今回ご紹介するHaselmeier社の「 PiccoJ