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散文詩: 守旧派

ごめん どうやら僕は
何をやっても「旧い日常」の方が
居心地が良いみたいだ

夏の真っ只中にマスクかけて出歩くなんて
考えた事もなかったよ

昨日は二人きりのランチなのに
向かい合わないで明後日の方向向きながら
斜めに視線交わしてイタリアンだったよ

それから恵比寿でいつものビールを飲もうとしたら
入口で誓約書書かされて入場制限だ
つまり 全てが命懸けだ
馬鹿馬鹿しいから今度は缶ビールを家で空けるよ

言わなくてもいいよ
それが新しい日常なんだろう
それは分かってる
分かったつもり
ではいる

いつか
マラッカの夜市で人に揉まれながら
屋台を冷やかして歩いたね
マスクもしないで高雄の街を
マラソンの練習して回ったね

もうしばらく ワクチンは出来ないんだってね
抗体も長持ちしないんだってね
規制は緩和したり追加したり
強化したり改変してみたり

もうお腹いっぱいだよ
僕はやっぱり守旧派だ
プレコロナの憂鬱だったけど自由な街歩きを
明日目覚めたら元に戻しておいてくれないか

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