天使

日本人が足りない教養 ~日本人が知らない宗教の世界②~

「キリスト教」の始まり

 前回、「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラム教」は同じ神を信仰する宗教で、旧約聖書が第1巻、新約聖書が第2巻、コーランが第3巻という考え方(イスラム教徒の考え方)があるとご紹介しました。
 また、ユダヤ教徒は世界の終焉の時に救世主が現れて、ユダヤ人は救われるというところまで、紹介しましたね。
 さて、今回はキリスト教の始まりです。皆さんがご存知であるキリスト教のイエスは紀元前4年頃パレスチナで生まれました。当時、その地方ではユダヤ教が広まっており、イエスもユダヤ教徒として育ちました。しかし、イエスは最終的に神に救われるのはユダヤ人だけという考え方に疑問を抱き、神を信じる者は皆平等に救われると説きました。
 しかし、この考えにより、ユダヤ教の指導者から反感を買ったイエスは捕らえられ13日の金曜日にゴルゴダの丘で十字架にかけられ処刑されてしまいました。"13日の金曜日"が不吉だというのは、ここから来ているんですね。
 しかし、その後、イエスは復活し弟子たちに自分の教えを広めるよう言い渡しました。そして復活から40日後、天に昇っていったとされています。

ユダヤ教の救世主はイエス?

キリスト教会

 ユダヤ教では「ユダヤ教を信じるユダヤ人は世界の終焉の時に救世主が現れて救われる」とされていましたね。イエスの復活の話が広がっていくと、イエスこそが旧約聖書で言われていた救世主(=キリスト)であると信じるものが現れて、イエスは「イエス・キリスト」というよび方をされ、キリスト教が始まったのです。

キリスト教徒から見ると「新約聖書」と「旧約聖書」

キリスト教の聖典は「新約聖書」と呼ばれ、イエスの弟子がイエスの教えをまとめた福音書というものから成り立っています。しかし、これはあくまでもキリスト教徒からみた呼び名で、キリスト教徒はユダヤ教の聖典は‟神との古い約束”であるため「旧約聖書」、キリスト教の福音書が‟神との新しい約束”であるため「新約聖書」と呼ばれます。ですので、キリスト教徒にとっては「旧約聖書」が第1巻で「新約聖書」が第2巻の最新刊ということになります。しかしユダヤ教徒からしてみれば聖書は1つだけであり、「新約聖書」なんてものは認められないということですね。

次回は「イスラム教」の誕生

 今回のご紹介でキリスト教の誕生の流れ、ユダヤ教とキリスト教の関係がざっくりわかっていただけたでしょうか?
 次回は、キリスト教の続きに当たるイスラム教の誕生についてご紹介します!

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