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台湾野球チアが世界を平和にする?!

はじめに

 先日、中国では三中全会が終わり、北戴河会議が始まり、いよいよ習王朝に翳りが出るという噂がある。情報がまだ集まっていないため、それは次回にとして、今回は軽い話題に触れたい。
 筆者は野球に興味がないが、最近台湾プロ野球が盛り上がっている。中華職業棒球大聯盟(CPBL)は1990年に始まった歴史の浅いリーグだ。台湾と日本の野球の縁は深く、王貞治から陽岱鋼、王柏融まで多くの選手が日本でプレーしている。過去に2度の賭博・八百長事件があり、近年は人気が低迷していたが、最近平均観客動員数が倍増し、今年は過去最高の平均観客数が予想される。
 (この平均観客数は日本や韓国より少ないが、球場キャパが1〜2万人と少ない(日本は3〜5万人、韓国は2〜3.5万人、筆者の故郷にある球場でも2.5万人)ためも要因である。2024年から4万人収容の台北ドームが完成し、さらに盛り上がると思われる。)

台湾プロ野球の平均観客動員数
(2024年は予測)
CPBLの公式資料などを元に筆者が作成

 この人気を支えているのが各球団の「チアリーダー」だ。今回はこの台湾のチアリーダー(啦啦隊)について触れようと思う。

台湾チアリーダー

 各球団にそれぞれチアチームが組織されている。応援団長(男性でMCやDJ的な役割)以下、主に女性で構成されている。
 90年代後半からチアリーダーは存在していたが盛り上がり始めたのは2020年頃で、それまではチアリーダーは球団所属だったが、芸能事務所のタレントが球団と契約するようになって野球以外にも、テレビ、女優、CMなど芸能活動で認知度が高まり、中信の峮峮(チュンチュン)やInstagramフォロワー約180万人の林襄(リン・シャン)のようなスターを生み、日本でも知られるようになった。

各球団のチアチーム名
峮峮(チュンチュン)
林襄(リン・シャン)

 台湾のチアリーダーによる応援スタイルは独自なもので、試合前のグランドの応援だけではなく、スタンド応援で観客との距離が近く、観客と一体になって野球だけでなく、観客と歌ったり踊ったり、試合中ほぼノンストップでライブ会場のように楽しめるのが魅力だという。下の動画は試合中のスタンドの雰囲気がわかります。動画を見る限り野球がわからなくても楽しめそうである。
 台北周辺に3球団、他は台中、高雄、台南と新幹線のアクセスも良いため、コロナ禍以降、日本人の観客も増えているそうだ。

球団応援歌がバズる

 各球団応援歌は、毎年新曲が出るそうなのだが、今年、かつての日本のファイターズガールによる「きつねダンス」並みにバズってる曲が、富邦ガーディアンズ応援歌の「Go Stronger」である。中毒性のあるダンサブルな曲で、台湾プロ野球オールスターでは各球団のチアリーダーがこの曲で競演し、また野球だけではなくクラブや夜の店のダンスタイムでもこの曲で盛り上がる社会現象を見せようとしている。

日本との交流

 日本プロ野球のチアリーダーとの交流も活発である。毎年シーズン前に楽天モンキースと千葉ロッテマリーンズは沖縄で交流戦が行われていて各チアと交流がある。またロッテの応援歌もいくつか許諾を得て使ってる。(ロッテは中国語表記だとなんと楽天!しかし有効関係は前身のLamigoモンキーズから続いてる。)これが縁でロッテのビール売りだった今井さやかが2018年から昨年まで楽天ガールズに在籍していた。また毎年、埼玉西武ライオンズの台湾デーで統一ライオンズのUni-Girlsが来日し、これが縁で今季からNozomiとChihiroが西武から統一に移籍した。また楽天東北ゴールデンエンジェルに所属していたKAHOが今季より楽天ガールズに移籍し、今季は3人の日本人チアが活躍している。

 人的交流だけでなく、日本でも人気がある、きつねダンスは楽天ガールズが日本ハムに応援プログラム繰り入れの正式許諾をとり2022年8月に正式に輸入された。その際日本ハムから狐のカチューシャが送られている。

 これ以外にも楽天同士の交流や、富邦が日本ハムのファイターズガールを招き「わくわく日本祭」できつねダンスで競演したり、筆者の故郷旭川出身のファイターズガールのリーダー西崎光が富邦のGo Strongerをスタンドで踊ってりして交流している。

 また元AKB48 Team TP所属の邱 品涵(チウ・ピンハン)は今季より福岡ソフトバンクホークスのチア「ハニーズ」に移籍して話題になっており、「台湾の至宝」と言われている林襄のファイターズガール移籍が噂されている。

韓流の波

 昨季、韓国KIAタイガースより楽天ガールズに移籍した李多慧 (イ・ダヘ)はキレのあるダンスと愛嬌溢れる笑顔で人気を博し、現在は林襄と共に味全に移籍し、CM、テレビ番組に引っ張りだこで、台湾チアに韓流の門戸を開き、今季は8人の韓国人が台湾チアに加入した。

 その中でも李雅英(イ・アヨン)は今季台湾チアを代表するポジションになっている。李多慧同様、韓国KIAタイガースのチアから昨年末台湾のバスケットボールチームのチアに就任後、そのチームの観客数が伸びたことに目をつけた富邦がスカウトし、常に笑顔で踊る姿と流行中の応援歌Go Strongerが相まって人気となった。
 先日、KIAタイガースチアが初めて来台し韓国No.1と言われる「AI美女」こと李珠珢(リ・ジュエン)と競演したが、常に笑顔の李雅英と笑わない李珠珢が印象的であった。

海外進出する台湾チアリーダー

 2023年のWBC時に各球団から選抜された台湾代表チアリーダー「クラッシックガールズ」が結成され、一次ラウンドで台湾代表が敗退したため、日本やアメリカに遠征することは無かったが、予選を盛り上げ、国際映像で映し出された姿がテレビ視聴者の話題となった。

 その後、MLBのエンゼルス、アスレチックス、メッツでの台湾デーで楽天ガールズが招待され、ダンスパフォーマンスや始球式に出演し、観客から「パーティのようだ。」「MLBにこのようなチアは必要だ。」など評判が良かった模様である。

 先日、林襄は日本で写真集を発売し、なんと発売1ヶ月経たないうちに4刷増刷という売れ行きだそうだ。今後、日本進出への地ならしか。

筆者のおすすめチアは

 林襄退団後の楽天ガールズの次期エースと目されている嘎琳(ガリン)と同じく楽天ガールズ37名を束ねる総監督の藍藍(ランラン)である。
 嘎琳は台湾のミスコン準グランプリやテレビ出演からチアリーダーに。手足の長さがチアダンスに映えます。ダンスの上手さから同僚から「老師(先生)」と言われている。
 藍藍は小さいですが、いつも元気いっぱいキレキレダンスが魅力です。WBCのクラッシックガールズやアメリカ遠征メンバーにも選ばれており、楽天ガールズにはなくてはならない存在。二人とも7月に来日して東京などのイベントに参加した模様。

まとめ

 台湾野球チアは、台湾現地で平均観客者数を倍増させ、日本のプロ野球や韓国プロ野球チアとの交流や、メジャー遠征で次第に台湾流の応援をアピールすることにより、各国の応援スタイルに変化をもたらす可能性を秘めている。
 台湾から、日本、韓国でそれぞれ交流が広まることで世の中、平和に向かうかも。楽しく平和に見ていきたいものだ。

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