奢ってもらった味のしない赤ワイン


 昨年のクリスマスのことを話したい。

 昼間、川端康成展とフィンランド展というアートガラスの展示会に行ったあと、友人の青島が恋人とよく行くと言う笑色という居酒屋に一人で飲みに行った。ザ居酒屋ではなく小洒落た雰囲気の年齢層低めの居酒屋。今年で4周年らしい。
 カウンターはそこそこ埋まってた。1人でテーブル席に座るのも烏滸がましい。
 相席しかない。
 
 空いていたのは女子2人組とマダム1人の間の席のみ。チャンス到来、クリスマスの夜ということもあり、お話しができると思って一声かけその席についた。青島オススメの「名物えびちゃん団子揚げ」が何より美味しかった。2杯目であるキンキンに冷えたメガハイボールのグラスの水滴が底に着こうとした時、左隣のマダムが「おひとつどうぞ」とおしゃれなのか老眼鏡なのかわからない眼鏡を外しながらおつまみを差し出してきた。この話をすると長くなるのでここでは省略する。

おやすみなさい。

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