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あなたの人生の宿題は? こだわりという本質

「おかげさまで人生の中で、今が一番幸せです。」

最近は、こう言えるようになりました。

もちろん、大変なこともいろいろありますし、悩みも尽きません。でも、幸せなのです。

また、お金への意識が少し変わってきました。私にとって「お金」との付き合い方は課題です。

損得が気になる。通帳の残高が気になる。自分の懐に貯めようとしてしまう。人に使うのがもったいないと思ってしまう。ケチでセコいのです。そういう器の小さい自分が嫌でした。

貯金通帳の残高が増えているのを見ると、一瞬安心します。しかし、それはすぐに新たな不安へと変わっていきます。もっと増やしたいと考え始めるのです。そうなると、心と身体がキュッと固くなります。

あるいは、お金があると思うと、よこしまな欲が湧いてきます。結局、余計なことにエネルギーを使うことになるのです。お金にこだわり始めると、信じられない気持ちや焦りや孤独感が強くなります。

一方で、8年前アメリカに挑戦するときや、今始めようとしている食堂事業には、躊躇なくお金を使えるのです。ちなみに食堂を始めるにあたって、借金をしました。元来の気の小ささで、これまではお金を借りるのは好きではありませんでした。不安や焦りが高まるかと思いましたが、大事にお金を使えています。なかなかいいバランスです。

借金をしているのに、心は安定している。これは、お金との新しい付き合い方が私なりに見えてきたといえます。


今進めている食堂事業では、「儲けないビジネス」をやっていこうと思います。


儲けないという言葉には、儲けることも含まれています。

ただ、私の場合、儲けるためのことを考え出すとキリがありません。戦略、目標、人件費や食材などのコスト削減、広報宣伝。つい、大きなビジネスをしようとしていきます。

利益や売り上げ、規模を追い求めだしたとき、どんどん自分が閉じていくのが分かります。排他的になっていくのです。そして、幸せが消えていきます。

だから私の場合は、あえて儲けようとしないことが大事になります。


今回、食堂をやろうと思ったのは、1人の女性の熱意に心打たれたこと。


だから、もし儲かったとしても、それ以上広げようとしないこと。規模の大きさを目指すと、小さいからこそできる豊かさがありません。「小さな幸せ」を忘れたとき、またお金に縛られることになります。

食堂は、あくまでも1人の女性がいたらこそ生まれた商売。だからもし、同じような熱意を持った人と出会ったときには、また違うビジネスを興すかもしれません。

ちなみに今朝、自転車に乗っているとき、風を感じていました。そのとき、「何に繋がるのか」というキーワードが浮かんできました。

私たちの周りには無数のご縁が存在しています。風、木、空気、地面、重力、人・・・そして、お金もその一つ。

お金だけとつながっているとき、それはかなり強固で、他のものを寄せ付けなくなってしまうのです。これがいわゆる「こだわり」です。

しかし、自分の周りにある、お金ではないご縁と繋がっているとき、お金へのこだわりが薄れていきます。

そう考えると、節約して、しっかりとお金を貯金していていたから、アメリカにも行き続けられていますし、最低限の借金で食堂を開業することが出来るのではないかと。与えられた役割がやってくるとき、躊躇無く大事にお金は使えているのではないかと思えてきました。

与えられたご縁とお金がつながっているとき、それは豊かになります。一方で、自分だけのためにお金を持とうとすると、それは貧しくなります。

何か特定のひとつだけに繋がることが「こだわり」であり「執着」です。さまざまなご縁の中の一つとしてお金があるとき、それは「生きたお金」になっていきます。

生きたお金とは、周りと調和しながら、お金がお金しているという状態。自分のもとにはあるが、自分のものではない。いつでも動ける状態であるとき、お金でさえもこだわりや執着にはなりません。


あなたには、どんなこだわりがあるでしょうか。


どんなときにムキになるでしょうか。



お金へのこだわり、信念へのこだわり、結果へのこだわり、評価へのこだわり、人間関係へのこだわり・・・

それだけを考え始めると、周りのご縁が消えていきます。何か特定のものだけが浮かび上がってきます。


こだわりというご縁は、すごく強い力でつながっていて、他のものを排除します。なので、こだわっているとき心は閉じていて、あなたは周りから切り離されています。

こだわりは、受け入れられないことの裏返しとも言えます。私はずっと、人の残酷さが受け入れられませんでした。


今この瞬間には、たくさんのご縁が存在しています。心を開いて感じられているとき、こだわりは薄くなります。

こだわりが強くなる方角に向いていると、幸せは消えていきます。こだわりが薄くなるほど、今ここにある幸せに気づけるようになります。

ただ、こだわりというご縁を断ち切る必要はありません。こだわりもあなたを取り巻くご縁の一本だからです。

最近、こんな言葉が浮かんで来ました。



「人生は思った通りにはいかない。だからこそ、思ってもみない展開がおこる。」



少し「こだわり」という本質が感じられたかもしれません。



人には、それぞれ生まれながらに与えられた宿題があります。



宿題に取り組むのは、欲しいものを獲得する生き方ではありません。何かすごいことを成し遂げる人生でもありません。成功か失敗かなど意味はありません。

宿題は、誰しも平等に与えられています。

ちなみに宿題は、探すものではありません。あなたに手を伸ばしてくれているものです。あるいは、あなたを引っ張ってくれている存在ともいえます。好きか嫌いかではありません。すごいかどうかではありません。


もうすでに、自分の中に目的や目標がある人は幸せといえます。一方で、探しても、人生の目的や本当にやりたいことがなかなか見つからないという人も多くいます。

「人生の目的や本当にやりたいことがなかなか見つからない」という悩みを持っているクライアントさんにも、必ずあるものがあります。

それは「問い」です。「分からない」ことです。

あなたに中にある「問い」は何でしょうか?

ずっと問い続けていることは何でしょうか?


ちなみに子供のときの私の問いは、「なぜ人は傷つけあうのか」でした。


問いを持った時点で、もう、その生きる目的はあなたを見つけてくれています。はっきりとした答えは出ていなくても、もうその道は始まっています。

人によって、その問いを受け入れられるかどうかは違います。なかなか受け入れられない人もいます。私もそうでした。


私も今、与えられた宿題を日々淡々と解きながら生きています。

人生の宿題として与えられた問いは解けるものではありません。いろいろな気づきはありますが、それはどこまでいっても問いなのです。その問いに向き合う中で、問い自体が少しずつ変わっていきます。


今は、「傷つきやすい」ことが問いです。


この世には、傷つける人はもちろんいます。ただ、それ以上に傷つきやすい自分の心に気づきました。脆く繊細である自分への問いを今深めています。


これまで、コーチとしてさまざまな経営者に出会ってきました。10人いれば10通りの哲学があります。正解などないということを知りました。

ただ、自分の哲学を持ち実践されている方は、失敗を怖れません。失敗を怖れないのではなく、失敗してもそれから何度でも立ち上がる力を信念が与えてくれるということでしょう。


だから、いつも大丈夫なのです。「どんな状況になっても大丈夫」というお腹から湧き出てくるパワーをお持ちです。


そういう意味では、私はまだ失敗への耐性が弱いです。傷つくことを怖れています。失敗への耐性とは、自分を愛し抜く力と言えます。


どんなときも自分を愛してあげる。


これは、親の愛かもしれません。親に愛されてきた人は分かると思いますが、母親の腕の中に飛び込めるのは、母親の愛を知っているからです。どんな自分も受け入れてくれる愛を知っているから、無条件に飛び込めるのです。

なかなか飛び込めないときとき、いろいろな理由を考えます。しかし、それはほとんど意味がありません。要は、自分を愛しぬける準備ができているかどうか。そして、自分を愛し抜く覚悟を持てているか。

どんな自分でも受け止めてあげる準備さえできていれば、何にでも飛び込んでいくことができます。


私の場合、お金へのこだわりが強くなるときほど、自分への愛が枯渇しているときなのです。だから、何かすがろうとする。何かに拠り所を求めようとする。

そんなものはありません。ただ、愛し抜ける自分がいるかどうか。

まだまだですね。しかし、不思議ですね。まだまだですが、幸せなのです。



ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

最近、月に一度くらい夜の食事に出かけるようになりました。これまで、夜は人と出かけることはほとんどありませんでした。

こう申し上げると、多くの人が「信じられない。よくそれでコーチとして食えていますね」と驚かれます。出不精にもほどがある。確かに、もう少し人と出会った方がいい。本当にその通りだと思います。

お酒が飲めないので、もともと夜の会食が好きではなかったのですが、特にこの10年くらいは、出かける機会がなくなっていました。なので、夜出かけるようになったのは、新たな変化です。

といっても、大人数での会食は相変わらず苦手です。無理をしてしまうのです。それを知ってくださっている友人達が2人から4人程度での小さな集まりに誘ってくれます。

静かな場所で、美味しい食事をいただきながら、気の置けない人達とゆっくりと話をするのは、なかなか面白い。やっと力を抜いて話ができる。そんな年になってきました。


先日はある女性に「赤野さんは面白い人ですね」と言われました。ずっと面白くない人間だと思ってきたので、ちょっと嬉しかったです。

無理をしなくても楽しめる人がいるのは、幸せですね。




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