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『ファイト・クラブ』 サブリミナルな手法に隠されたもの。私がカルト宗教を興した理由。

割引あり

評価 ☆☆



あらすじ
プロジェクトメイヘムというテログループがビルに爆弾を仕掛けた。僕はその最上階にいた。そしてタイラーの銃を咥えている。タイラーは爆発までの時間を計りながら計画が問題なく進んでいることを自慢する。一方、僕はこうなった原因である女性マーラ・シンガーのことを考えていた。



僕は純粋な日本人だけど「イタリア系とかスペイン系の血が入ってませんか?」と聞かれることがある。大学時代、周囲では密かに僕のことを「ジョン」と呼んでいたらしい。理由は外見が日本人じゃないみたいだからという。日本人でない=ジョンという発想はよくわからないけど、まぁそんな感じだ。



でも「ジョン」って犬の名前みたいだね。そういえば、若い頃、初対面の女の子に「あなたうちで飼っている犬に似ている」っていわれた。こういう言葉って喜んでいいのか、バカにされているのか。屈折した愛の告白だったのかもしれない。そう捉えておこう。ポジティブに。



大学を卒業して数年が経ち、ある女性から「ジョン・キューザックに似てるね」といわれたこともある。ジョン・キューザックの出世作である『グリフターズ』という映画を観ると、確かに似ていた。彼女に言わせると「『シュア・シング』のジョン・キューザック方が似ている」というが、そちらは未見である。最近、キューザックさんもメジャーになれたみたいでよかったです。



『ファイト・クラブ』が公開された頃に「あなたはエドワード・ノートンに似てるっていわれませんか?」と言われたこともある。どうせなら「ブラッド・ピットみたいだ」といわれたい。「スティーブン・ブシェミそっくり」とか「アーネスト・ボーグナインみたいだ」と困ってしまうけどね。それも味があっていいかな。



話を戻して、この映画は、デヴィット・フィンチャー監督の出世作で、初期の彼の作品同様、宗教色の強い作品である。個人的にサブタイトルをつけると『ファイト・クラブ ~私がカルト宗教を興した理由 』なんて感じである。もちろん、一筋縄ではいかない内容だ。個人的には『ゲーム』や『セブン』の方が好きだけど。



『ファイト・クラブ』はルックが明る過ぎるきらいがある。この映画に限ってではないが、CGを多用する映画は全体として画質が明るくなる傾向がある。細部までクリアなんだけど、逆に影としての味わい減る。どうしてだろうか。



この映画はサブリミナル効果がふんだんに利用されている。映画におけるサブリミナルで多いのは、約30分の1秒前後の超短いカットをフィルムあるいはフレーミングの中に挟む。表面上は普通の映像だが、意識下の欲求を想起させる作用があるというものだ。現在ではこの手法は禁止されている。



『ファイト・クラブ』でのサブリミナルは、メイン映像に別カットを潜り込ませているという手法なので比較的見つけやすい。あえていうなら「わざとサブリミナルですよ」と見せているような感じだ。『エクソシスト』でも同じ手法が使われていた。



この『ファイト・クラブ』ではあることを象徴的に表しているのだが、ネタバレになっちゃうので言えない。いずれにしても、宗教がどのように生まれ、どのように育つかを示唆するというだけでも意欲的な作品である。



ちなみにエドワード・ノートンは僕に似てません。当たり前だけど彼の方がカッコいいです。ジョン・キューザックは唇の薄さと小ささが似ている。最近は彼の方がかっこよくなっている。当たり前である。



追記




あるアメリカ人から「ロシア人ですか?」と聞かれたこともある。日本人だって。本当に。




初出 「西参道シネマブログ」 2004-12-13



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