『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー 2011』 リウ・イーフェイが可愛くて美しい。よくできたリメイク。

評価 ☆☆



あらすじ
書生の青年であるニン・ツォイサンは借金取り。郭北(コクバク)県に旅に出たが泊まる宿もなく山道を歩く。借金の取り立てをしようとしてもうまくいかない。ただで泊まれる宿を探すが、ある古寺を紹介される。ひとびとはそこに泊まるというだけで眉をひそめた。



『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987年)が好きだ。ジョイ・ウォンとレスリー・チャンも良いし、ウー・マのイン道士のダンスシーン、戦いのシーンもいい。話がバタバタなのも許せるし、いま観ると、というか当時から、ちゃちにしか見えない特撮も悪くない。なぜなら、この映画には熱い想いが感じられる。観客を楽しませようという心意気が伝わってくる。



この映画が成功したのはよくわかる。チープだが面白いのだ。以後、パート2、パート3が制作され、アニメにもなった。この1987年版の成功で、この映画の元ネタとなったオリジナル版(だったんですね)も、DVDで観ることができる。



この物語を再びリメイクしたのが『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2011』(『A Chinese Fairy Tale』)である。公開は2011年だが日本では未公開。監督はウィルソン・イップ。出演はリウ・イーフェイ、ルイス・クーなど。



ちなみに『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー 2020』と間違わないでほしい。僕はこの映画をYOUTUBEで鑑賞。評判は良くないとも言われていた。ところが実際に観てみると驚いた。これ! 面白い!



リウ・イーフェイのスー・シンは可愛いし、綺麗。ジョイ・ウォンとは違った魅力を感じさせます。最近、このイーフェイにそっくりな女性というか女の子に会いました。ほんとうによく似てる。その話はまた今度。



リウ・イーフェイはジョイ・ウォンの妖艶さはないけれど、美しさは優れていて日本でも人気が出てもいいんじゃないだろうか。彼女の持つ魅力が前面に出ている映画といってもいい。



アクションも面白くて独創的。CGを使いすぎている感じは否めないが、全体のルックとしての統一感がとれていて、嫌味がない。アクションも新しいアイデアを散りばめてあって退屈しない。最後までこんなに面白いと感じさせる映画はそんなにない。



問題なのは、レスリー・チャンの役を演じたユイ・シャオチュン。嵐の大野みたいだ。彼がつらい。レスリー・チャンを超えることはなかなか難しいんだろうな。また、ウー・マの怪演が素晴らしかったイン道士には、ライバルの道士が登場してこれも笑える。



こんなに面白い映画が日本で公開されないというのはどういうことだろう? 日本の映画関係者はどうかしている。もっと変な映画が劇場公開されているのにね。いろいろ事情はあるんだけろうけど。



この映画は中国で評判が悪いと伝えている。でもそのメディアの関係者は映画を観てないのだ。きっと。少なくともYOUTUBEで映画を鑑賞できる条件が揃っているのであれば観て欲しい。日本語字幕の変換は微妙だけど。



それにしても、こういう映画がネットで鑑賞できる時代になったんですね。どんな形でも良い映画を観るチャンスが増えることは良いことだと思う。ただ、問題なのは著作権。製作者サイドに立てば無料で見せるなんて、ということになる。難しい問題だ。



ただし、優れた作品が世界には埋もれている。それらを発掘するのも映画関係者のミッションだと思う。



追記



その後、リウ・イーフェイは『ムーラン』の主役になっちゃいました。ということは、僕の知り合いもうまくいけば世界的女優になったかもしれないというわけか? むむむ。



初出 「西参道シネマブログ」 2012-12-04




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