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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 冷蔵庫がシェルターになる? ルーカスもスピルバーグも年を取った。

評価 ☆☆



あらすじ
1957年、アメリカのネバダ州に米軍の空軍基地エリア51。ある日、エリア51が米軍になりすましたソ連軍によって攻撃される。彼らがエリア51を制圧すると、車から拉致していた二人の男を引っ張り出してきた。それが世界的冒険家であるインディ・ジョーンズと相棒マックだった。



『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は1981年に公開された。その27年後の2008年に『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が発表された。監督はスティーブン・スピルバーグ。出演はハリソン・フォード、シャイア・ラブーフなど。27年のうちに、ハリソン・フォードは64歳になった。さすがに動きが鈍い。



おじいちゃんのアクションである。ジャイアント馬場みたい、と思って笑えるひとはいいけど、結構痛々しい。 監督のスピルバーグも年を取った。仕上がりは悪くないけれど、そんなに良くもない。 脚本に携わったジョージ・ルーカスも年を取った。それにしても冷蔵庫がシェルター代わりなんて。やっぱりそれは無理だろう。発想が古いのだ。1960年代から70年代の古き良きアメリカを題材にしている感じだ。まったく『アメリカン・グラフィティ』じゃないか。



その通り。この作品のベースは『アメリカン・グラフィティ』である。ソ連との冷戦、サイエンスフィクション、カレッジムーブメント、冒険小説、すべてがアメグラの世界なのだ。しかも、それ以上でもそれ以下でもない。 それなりに面白いが今の時代とずれている。自分たちが大人になった分、歴史認識が加わっているのが興味深いところもある。



さらにモチーフは侵略。スペイン人やロシア人たち(なぜかアメリカ人ではない)が他文化を支配することに対して違和感がある。「元に戻す」といった懺悔の感覚が秘められている。最終的なオチもここではいえないが、なんか日本の有名なアニメみたいだった。 みんながんばっているけれど、ピークは超えている。やっぱり限界か。



想像力もまた年を取るらしい。インディ・ジョーンズシリーズを作るのならば、別のキャストで別の監督で作り続けてほしいね。でも、それは本当にインディシリーズとなるのだろうか? 



初出 「西参道シネマブログ」 2012-03-05



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