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『ユージュアル・サスペクツ』  タイトルの意味は常連の容疑者。カイザー・ソゼに注目せよ。

評価 ☆☆



あらすじ
カリフォルニア州のある港で船が爆発。27人が死亡し、搭載されていた9100万ドルが消えた。 どうやら麻薬を巡る争いの中で起きた事件らしい。生き残ったのは詐欺師のヴァーバル・キントだけだった。彼が事件の一部始終を語り始める。



以前にも書いたけれど、僕はどっちかというと日本人離れしている妙な顔をしているようです。でも、スペインに行った時にはちゃんと“ハポネ”(日本人)って言われたよ。



僕のことはともかく、以前にある原稿で「ベニチオ・デル・トロに似た小学生」という文を書いた時、「ベニチオ・デル・トロって誰?」ってことになった。



最初にベニチオ・デル・トロを知ったのは『ユージュアル・サクペクツ』という映画だった。1995年に公開されたこの作品は、ブライアン・シンガー監督、クリストファー・マッカリー脚本、ケヴィン・スペイシーが出演している。この映画によって彼ら全員が注目され、各々の評価が世界的に高まることになる。いわばマイルストーンのような映画。



この映画自体は面白いので、みんな知っているかも。しかし、彼らの力量もさることながら、この中で脇役ながら顔の濃い俳優が気になった。それがベニチオ・デル・トロだ。



プエルトリコ出身なんだそうだ。スペインとイタリアの混血らしい。顔立ちが本当に濃ゆい。最近は太ってしまってかっこいいというよりも太っている俳優という印象が強くなった。顔が独特なので演技をしていても笑っているのか、哀しんでいるのか、笑いながら哀しんでいるのか、哀しみながら笑ってるのか、よくわからない。



ジゴロタイプといえばそんな感じがしなくもない。モテそうな気がするけれど、モテるには濃すぎる気もする。さて「ベニチオ・デル・トロに似た小学生」って想像すると可笑しいと思いません? そうでもないかな。まあいいや。



ベニチオはさておき、『ユージュアル・サスペクツ』は面白いので何の予備知識も入れずに観て欲しい。さらに、カイザー・ソゼって名前も映画に登場するが、この名前も結構インパクトがある。映画の中で名前はかなり重要です。最近は読めない名前というのがいっぱいあるけど、昔の脚本家たちはそういうのを嫌ったらしい。倉本聰などは、わざわざ墓場を散歩しながら実際にありそうでない、あるいはなさそうである名前を探したという逸話が残っているくらいだ。



物語は、ある船の爆破事件と複数の殺人容疑で逮捕されている男たちの供述から、事件を暴こうとするストーリーだが、こいつが一筋縄ではいかない。観てのお楽しみであるが、濃ゆい。いろんな意味で“濃ゆい”映画です。



追記



ベ二チオ・デル・トロは、その後痩せて『ボーダーライン』という映画に出演。ものすごく渋くて、かっこいいオジサンを演じている。演技力も増して存在感も半端なかった。完全復活って感じだ(別に仕事をずっとしてるみたいなので復活も何もしてないのだが)。この『ボーダーライン』は久しぶりに面白い映画でした。



初出 「西参道シネマブログ」 2005-02-17



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