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『カプリコン1』 日本公開は129分版。アメリカという軍事国家への疑問。

評価 ☆☆☆



あらすじ
アメリカのテキサス州ヒューストンで、NASAによる有人火星探査宇宙船カプリコン1号がまさに打ち上げられようとしていた。この宇宙船に乗る予定の飛行士、ブルーベイカー、ウィリス、ウォーカーはこの日のために厳しい訓練をこなしてきたのだが。



観たくてもなかなか観ることができなかった映画がある。ピーター・ハイアムズ監督・脚本の『カプリコン1』もそのひとつ。やっと観ることができて満足。1977年公開の映画で、出演はエリオット・グールド、ジェームズ・ブローリンなど。本当に面白かった。



確かにアクションが今となってはちゃっちいかもしれないし、悪者たちがちょっとご都合主義に見えちゃったりするところもある。でも、全編を通じてジャーナリスティックな仕上がりになっている。宇宙開発陰謀説というところもいいよね。



国家が個人を何のためらいもなく抹殺していくのは怖いもの。「やっぱり人権、人権って言ってるアメリカだってさ。やっぱり軍事国家でしょう。裏じゃ何やってるかわかんないじゃないか」という本音が見え隠れする。



見せ方も上手いです。疑惑を口にした途端に消えてしまう友人というのはリアル。エリオット・グールドの演じるジャーナリストが急に襲われるシーンも良かった。ただし、蛇を食べちゃうシーンはちょっと疑問。あんなことしなくても極限状態であることは伝わるはず。



いろんな評を見てもわりと良いみたいだ。コストパフォーマンスの高い映画という感じがする。



ところで、月面着陸偽装問題。本当に月面着陸があったのかどうか? という議論がどこかでくすぶっている。本当のところ、どうなのだろうか? これまでは誰も否定できなかった巨大な国アメリカの主張に対して、少しずつ他国が異議を唱えているという現象と捉えたい。



技術的な進歩だけではなくて、世界規模の情報操作という観点からアメリカの一国先行は確実に揺らいでいる証拠でもある。いずれにしても嘘はいつかばれる。いつかね。



追記



ちなみに、日本公開は世界先行のかたちで129分のバージョンが公開された。その後、約123分の再編集版がリリースされている。129分版は幻のヴァージョンとされていたが、近年国内で発見され、再び陽の目を浴びたという。



初出 「西参道シネマブログ」 2008-08-07



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