京都大学2020 理系数学 大問4 整数
お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。
今日は過去問解説にチャレンジします。京都大学の理系数学の大問4です。問題本体は載せませんので、ご自分で用意してください。
なるべく「与えられた問題文をどう読むか、読んで何を考えるか」と言う点を重点的に解説していきたいと思います。あと、「いかに簡単に、楽して解くか」も重視します。数式を試行錯誤してぐちゃぐちゃやって解けた、と言う話はあまり参考にならないと思いますし、時間内に解ききれません。載せているのは考え方だけです。私が普段やっている指導では、これを小出しにしながら誘導していくスタイルを取っています。
大問4:問題を観察する
一見、何していいかわからないです。ただ、3で何回割れるか、と言うことを問われているので、少なくとも3の倍数である必要があります。なので、関数fの値自体が3の倍数になる時のm,nの条件を考えてみましょう。
幸い、nが3の倍数ではない、と条件が付けられていますから、以下の6通りを考えるだけで済みそうです。(以下全て、3を法とします)
証明は端折りますが、この中で、そもそもf(m,n)が3の倍数になるのは以下の2パターンだけです。
こんな感じで、3で括って、その中身でさらに3の倍数の条件を作っていき、何回3が出せるか、と考えていきます。
…というところで、これは「合同式」を使えるようになっていないと物凄い時間がかかります。現行課程では教科書レベルの話ですから、できる人がほとんどだと思いますが、念のため。
大問4:何回3の倍数が作れるか…?
まず、すぐ終わってしまう方から検証します。これはとりあえずm,nを具体的な式にするところから始めます。k,lは整数とします
m,nの制限がきつい(0から30までの整数)ので、本番ではk,lの範囲を書いておく方が良いです。
で、これはこれ以上、3の倍数を作れません。
これだと、3で割れる回数は1回のみです。
では別の方を。
で、3でくくれたこの中身(*)も、変数が余っているので、さらに3で割れる条件を探せそうです。
では進めます。
まだ行けそうです。
で、ここらへんで、そろそろnの候補が絞れそう(「3で割ったらいくつ余るか」を「3回」噛ませているので、27が関わる整数になっている→候補が30までなので余裕で絞れそう)なので、調べてみると、やっぱり、
こうなります。実際には、最初のk,lの時点で絞り込みを行っていれば気づくと思います。
この時、q=0で、p=1ですね、そうすると、
となり、
ここから先は具体的に入れてみれば良いでしょう。最終段階の式を活用すれば、検証は簡単です。
いずれの値も、5回以上は3で割れないので、求める最大値は5です。
本日は以上ですが、少し感想を…
今年の京都大学の問題の印象は、「難産」です。名古屋大のやばい時ほどではないですが、どういう着地点なのか見辛いのと、進めていく中で光明が見えづらいのと、単純に論証の難易度が高いです。この問題は、その中でも基礎に忠実に(3で割っていけるかどうか検証する)やればできる問題なので、解けておきたいところです。
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