伝え方と勘違い

 昨日(2023.4.14)、朝からクレーム対応でエネルギーを甚だ消耗した。
今後は気をつけようという自戒と、「こういう人もいるんだよ」と他の人に教えたいという気持ちから、記録しておく。

「是界房さん、○○○○さんという方から、是界房さん宛に電話ですよ。」
と、別の係の後輩から電話が回ってきた。
「○○○○さん?やり取りした覚えないなぁ。」と思いつつ電話に出ると、どうやら数日前に対応した市民らしかった。
(その際、その人は名乗っていなかったのだ。)
その時の話した内容を巡って、トラブルに発展した。

業務内容の詳細は伏せるが、ある選考結果を伝えることができるのは、毎月20日以降だと決まっている。
これについて、先の電話の中で、
「申し訳ありません、お電話では今月の20日頃からしか結果をお伝えできないんです。」
という言葉と、
「また、何かあれば窓口などでご相談ください。」
といった内容の言葉を言ったものだと思われる。
(なんせ、数日前なので完全には覚えていないのだ。)

これらの話を、どうやらその人は
「電話では伝えられないけど、窓口に行けば20日より前に結果を教えてもらえる。」
と解釈したらしい。
昨日の電話は、それで窓口を予約したいという話だったのだ。

その人の話を聞いて、「はぁ?そんなこと言ってないだろ!?」と驚いた。
急いで、「あのぅ、前にお伝えしたとおり、結果は20日以降にしかお伝えできません。窓口なら早く教えられるとは言ってないはずです。他の相談について、窓口で受け付けられると言っただけだと思います。」と伝えると、その人は怒りだした。

「選考の話しかしてないのに、他の相談なんてあるわけないでしょう?」
「あなたは『電話では伝えられない』と言った!窓口でもダメだなんて言ってない」
「窓口で相談できるというのは、選考や結果について相談できるってことでしょ普通!」
「私はあなたがそう言ったから、他の人達にも今日結果を聞ける前提でことを進めてきた!」
「あなたが間違えたことを伝えたという書面を作ってほしい。私の立場が悪くなるのだから」
と言ってきた。

何を馬鹿な…「相談」という言葉に、「結果を教える」という意味まで含まれてたまるか。
確かに「電話だけでなく窓口でも、20日以降にしか結果は教えられない」と念押しで言わなかったのは俺が悪いかもしれんが、それにしたって「相談」という言葉だけでそこまで拡大解釈されてたまるかよ!
と、自分も苛立った。

興奮して手がしばらくプルプル震え、それを見てなんとか冷静にならねばと、相手に怒られながら気を落ち着かせ、「なんとか書面作成だけは回避せねば」という一心で返す言葉を考えた。
(皆さんおわかりだとは思うが、そういう書面を作るとなれば上司の決裁をもらわねばならないし、そもそも上司から「ダメだ」と言われるに決まっているのだ。)

「お電話では答えられないと言った際に、あえて『窓口でも答えられない』と言わず、誤解を招いたのは私の過失だとは思います。しかし、『お電話では回答できませんが、窓口でなら回答できます』ともお伝えしていない以上、誤った説明をしたとは言えません。なので、誤った説明をしたという書面作成などの対応はできません。」

「なら、その『勘違いさせるような物言いをしました』って内容で書面を作ってよ!それならできるでしょ!?」

「できません!間違ったことを言ったわけではありませんし、そのような対応はできません!」

そこそこ大きい声で、「窓口でなら回答できるとも言ってませんよね!」「できません」を連呼して、
なんとか、「書面の作成はできないが、もしその人に振り回された他の人達とやらが怒ってこちらに電話してきたとしたら、勘違いさせたという経緯をきちんと説明する。」ということで納得して電話を切ってもらった。
終盤は相手の感情の昂りも治ってきたのか、良好な雰囲気で話を終えた。

…まぁ、電話を切られた時に、
「プププ、馬鹿め。他の人がこっちに電話してきたからってどうだってんだ?お前が勘違いしたって話をするだけなのによ!」
と、ちょっとひどいことを考えたあたり、自分の性格はなかなか悪いと思う。

あと、「市の職員が間違えた説明をしました」にしろ、「市の職員が勘違いするような言い方をしました」にしろ、そんなもん書面にして何の役に立つんだ?それで相手が許して待ってくれるとでもいうのか?という疑問もあるな。

しかしまぁ、この経験から教訓を得ねばならない。
ということで、今後こういうトラブルを防ぐためにどうすべきなのかを考えた。
いま思いつく限りでは、

①「電話では」という限定的な表現は言わない。電話で云々と最初から言わないか、もしくは「電話でも窓口でも」と両方言うようにしなければならない。

②余計なことは言わない。「その他相談があれば」なんて言えば、拡大解釈されたり、前の話とごっちゃにされて、困った要求をされるタネになりかねない。

ということだろう。

言葉ひとつを取っても(今回の場合は「相談」)解釈は人によって少しずつ違うものだ。

是界房は「相談」という言葉に、「既に決まっている決定事項を伝える」という行為は、そもそも含まれていないと思っている。
だが、あの市民(そして、聞いてみると俺のお母はんも)は「相談」という言葉に、決定事項を伝えるという行為も含めて考えていた。

そういう認識のバグを少なくするためにも、必要最低限なことしか言ってはならないのだ。
たとえ不親切でも、拡大解釈されてトラブルになるのかもしれない。
(ただ、明らかに間違いそうなことがあれば、事前に注意しなければ「どうしてあの時言ってくれなかったんだ」と言われそうだけど…。)

伝えるって難しいね。
全部AI化してしまえばいいのに。
認識がバラバラの人間を相手にするのって非効率だと思わんかね?
はぁ…。

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