見出し画像

北へ向かって。那須から福島へ[1日目〕

北国に対してとても深い憧憬がある。
生まれてこのかた冬に蜜柑のなる温暖な地で暮らしている。
雪と言えば多分物心ついてから降られたと言えば、10本の指で足りてしまうだろう回数で、たまに降られたと思えば、それは3月に南岸低気圧の置き土産のようなもので、ある意味春先の風物詩という側面すら漂う。

私の暮らしている地では、10℃と言えば寒くて震える気温だが、今回の旅では、「10℃って暖かいな」と思い知った。
無論、厳しい冬の生活を余儀なくされている地域の方々からすれば、
「何が北国へのあこがれだ、寝ぼけたことを」という誹りそしりも受けよう。
それを覚悟の上でも、やはり雪に閉ざされた季節は美しく清浄なのだった。

まだ松の内も開けぬ1月4日、いつもならトラックの合間を縫っていく東名高速も普段の1/10かと思うほどトラックが少ない。
関東平野の中央よりやや西側埼玉県久喜市あたりで、日の出の時間にぶつかる。高速道路を走りながら、黎明の時間に刻一刻と変化していく様子を一段高所の道路からまざまざと見せつけられる。
文明が造ったこの高所からも、古代と変わらぬ黎明が始まってゆく。

親の時代から休日は山へと自然の中で遊ぶことが常だった。
だから休日に自宅で過ごす時間など想像できなかったし、多分そんなことしたら精神に変調をきたしてしまうと思った。
ところが、どうもそういったことが世間一般でないことは、年を重ねるごとに薄々と感づいてはいたけれど、これが自分の生き方だから、と居直るしかないわけで。。。

圏央道の桜土浦ICで降りて涸沼ひぬまへと向かう。
どんな鳥さんが待っているかなと思うとわくわくが止まらない。
時間が経つにつれってぽかぽかと暖かくなってきて、鳥さんたちも活発に活動を始める。8時過ぎるとシジミ取りの小舟が繰り出していくのは、涸沼ならではの風物詩でしょうか。
人の営みは休日とか関係なく繰り返されて、働く尊さを思う。

なぜ鳥たちに惹かれると言えば、その美しさもそうだけれど、常に食べ物を求めて生きていく姿が、最も身近に感じられるせいかもしれない。
哺乳類の狩りの姿を身近で観ることは中々叶わないけれど、猛禽類のそれはかなりのチャンスがあるし、小鳥たちに至っては、木の中の虫や木の実や果穂を絶えずあさっている。
そういった私たちが失っているだろう姿をこの小さな生き物たちに垣間見ることができるのです。

ジョウビタキ♀
ジョウビタキ♂
チュウサギかな
仲良しオオバン

いつものおなじみのシジュウカラ、コゲラ、ジョウビタキの他に水辺の鳥さんのオオバンやダイサギ、カモ類、カワラヒワなども。
この時はポカポカ陽気で楽しく探鳥。

那須塩原市千本松の那須野が原公園に向かう。

この中にキャンプ場も併設されているのだけど、キャンプ場に入る前に公園でも探鳥します。シジュウカラがたくさんいたくらいだった。

今日の泊り場は那須野が原オートキャンプ場という所。
12~2月までが冬季料金ということで、かなり格安になっていた。
ウォシュレットトイレや炊事場はお湯が出るし、ゴミ処理もしてくれるかなりな高規格なのだけど、なんといってもすばらしいのはキャンプ場の敷地内に温泉があって、それも源泉かけ流しで入湯税のみで何度も入れるという、温泉好きには天国のようなキャンプ場です。

13時の受付でキャンプ場に入ると、あちらこちらから槌音が!
まるで建築現場の様ですが、テントを建てるペグを打ち込む音です。
そして薪割の音。いいねいいね、原始に帰ったようだよ。
オートサイトは大方ふさがっていて、フリーサイトは半分ほどの入れ込みでした。我家はもちろんフリーサイトです。

軽くお昼を食べてから温泉は15時からだったかな?テントから100歩位です。翌朝8時までいつでも入れてキャンプで温泉なんてほんと極楽です。
屋外で冷えた体に、温泉がじわあっと沁みて生きててよかったとなります。
3人位は楽勝で、途中に2回ほど換気の時間があってその時は入れません。
アメニティは持参で、ドライヤーのみあります。
塩原温泉のピラミス源泉という温泉で源泉49℃の弱アルカリ性単純温泉で
冬季のみ加温で加水、循環なしの源泉かけ流し温泉です。
男女別で終始独泉でした。

夕食はほぼいつものキャンプ料理で、お肉を焼いたりお正月なのでおもちも焼きました。

2023.1.4

つづく

この記事が参加している募集

#至福の温泉

4,479件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?