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晴れのち雪の湯岐温泉で温泉入り浸り-2

和泉屋旅館

500年も前から湯守としてこの地で温泉を守り続けてきた家柄である。
湯岐(ゆじまた)温泉は、地図で見ると福島県南部が舌のように茨城県に飛び出したその中程の山中にあります。
幾多の開湯伝説にあるように、発見時には鹿が傷を癒していたそうな。
当然、動物に発見されるくらいだから自噴泉であり、
「鹿よ、よく見つけてくれた。えらいぞ」と、数百年の後世からこうしてお礼申し上げる次第。

和泉屋旅館への道すがらに小笠原長行の行状を記した立て看板があり、
小笠原長行と言えば幕末の老中で、主に米英との交渉に当たり生麦事件等の解決にあたっている。
大政奉還の後、新政府に徹底抗戦するため江戸を逐電し、この和泉屋旅館へも14日間潜んでいたということ。
結局、箱館交戦で旧幕府軍は決定的な敗北を喫し、しばらく行方知れずとなるも後に子爵となった。
慶喜が翻ってもなお幕府に忠誠をつくした人物で、当時の幕臣にはそういう人物が多い。
六合赤岩温泉 長英の隠れ湯のあった赤岩集落も、高野長英の隠れ家があったし、山中の温泉の出るところは、意外な役割を担っていた所もあったのかなと閑話休題

はい、やっと玄関に入りますw
気さくな女将さんがお出迎えしてくれます。
数日雪が降ったり止んだりだったようですが、この日は雪はありません。

お部屋は増築された別館で、リノベもされてとても綺麗です。
廊下には共同の冷蔵庫があります。
トイレ、洗面付きで、すでに布団も敷いてあってありがたい~

なんと布団は羽毛が2枚掛けで、ふっかふか!こたつも暖かくて最高です。
この日はうちの他に単独男性のみの宿泊で、到着が遅いらしく朝も早く出て行かれたので温泉はほぼ独泉。
ということはですよ、混浴鹿の湯にも堂々と入れるということです。

やった~

さあ、鹿の湯に向かいます。
入口は男女別で中で一緒になっています。無色透明なので混浴時なら相当のハードルです。ってか、無理。。。大きい浴槽が自家源泉かけ流しで自然湧出の鹿の湯で、小さい方が加温してある上がり湯です。
シャワーカランが一つとアメニティがあります。
鹿の湯は、奥の桝が自噴泉で湯舟奥の側面につながり、手前の穴から外に出ています。この方法の方が、お湯が上滑りで出ていかなくていいかも。
かなりな湯量で絶えずオーバーフローしています。

うう、何というかめっちゃツルトロでかなり高レベル
泉温も38℃あたりなのかな。いつまでもじっくり入っていられます。
おまけに夜までお客さんが他にいないので、時間を気にせずです。
まあ、16:30までは女性時間なのですが、今回は50分程浸かりました。

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泉質はアルカリ性単純泉なのですが、炭酸イオンが2桁だともうツルトロになるみたいなのですが、それが31.3gというのは、かなり驚異的な量なのだそうで。。。どうやらこの炭酸イオンとか炭酸水素イオンあたりがツルトロに関係がありそうな気がする。(違うかも。。。)
皆さんの口コミで微かな硫黄の匂いとあるんですが、私は川に生えてる藻みたいな匂いに感じました。嫌な香りじゃないです。

続いて八幡の湯です。
こちらは掘削して引いている温泉です。鹿の湯より若干暖かめかなというくらい。こちらもツルトロですが、単純泉のようです。
なんというか、男湯の方からお湯がご~ご~出てくる感じです。
湯舟はコンパクトですが、オーバーフローが半端ないです。
一つの湯舟が男女別に真ん中で仕切ってある構造でこちらの女湯がカランが2つだったかな。体を洗うには、こっちの方が落ち着いてできますね。
アメニティは鹿の湯といっしょですが、ドライヤーがあります。
男湯はカランが1つみたいです。

女湯
男湯
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じっくり入浴していたので、あっという間に夕食の時間です。
あらかじめ説明されていた個室に向かいます。

見てくださいこの先付を。イカの塩辛、あん肝、豆板醤で合えた何か。レンコンの酢の物、山菜の炊いたもの、白魚、味噌田楽、シリシリみたいなの。それらがちょっとづつあって、日本酒のためのおつまみみたいじゃないですかあ。

お刺身はスズキ、タコ、鯵、鯵のたたき、貝
スズキの旬は夏ですが、めっちゃ高級になっちゃいます。でも今回のスズキも脂が乗って美味しかったです。
昔、地元の板さんが、スズキは臭いものもあるから気を付けないといけないって教えてくれましたが、これはとても美味しいスズキでした。
鯵のたたきが脂が乗っていてねっとりと甘みも感じて美味しかった。

お酒進んじゃいますよねw
南郷という地酒できりっと辛口、お料理に合います。

マヒカリ、オクラ、長芋の天ぷらは熱々
味噌麹に漬け込んだ豚ロースは甘くて柔らかく絶品

これにカマスの塩焼き?ロールキャベツと茶碗蒸し、ご飯とみそ汁とデザートの何とかっていうとても甘い高級なみかんでした。
満腹を通り越したその先のメダル、ちゃうちゃうオリンピックやない。

ご夫婦二人でやられているそうですが、ほんとおもてなしの心遣いが半端なくて、手作りのお菜がやさしくてメインのお料理いらない位充実です。
いえ、豚肉美味しかったです。

朝食です。

ご飯は個人用のお釜で炊いた地元産の「あさか舞」というお米だそうです。
つやっつや!

さて、天気予報ではわかっていましたが、昨晩降った雪が積もりました。
美しい銀世界です。
朝に止む予報だったので気温も上がるし、道路の雪は解けそうです。
一か所きついカーブの所がありますが問題なかったです。

昨日緑だった木々はすっかり雪化粧です。
何もない山中だからこそ、この風景の移り変わりが宝なのかもしれません。

朝もチェックアウトまでゆっくりと温泉に浸かって至福でした。
心尽くしのお料理とすばらしい温泉で、1万円ちょっとというのはかなりリーズナブルです。
トイレなしの部屋や2泊の湯治プラン、2名以上での50歳以上のお得プラン
宿の公式サイトで直に予約等でさらにお安く泊まれるプランもあるので検討の余地ありです。
また訪れたい、ぜひともと思わせる素晴らしい宿でした。


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