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2022.9月日記、後半

9/17

「東京會舘とわたし」上・下 辻村深月著
サザエさんのnoteでこの本を知り、ぜひとも読んでみたい衝動ですぐに図書館で借りてきた。

折しも東京會舘は今年11月1日で創業100周年を迎える。
いいタイミングでこの良書に出会えたことに感謝したい。
開業の翌年1923年9月1日、なんという運命のいたずらか関東大震災に見舞われるという悲劇。隣の帝劇は全焼し、東京會舘も壊滅的な被害をうけた。
再建に4年、その後戦時下には大政翼賛会に徴用され、
戦災の被害も少なかった戦後にはGHQの将校たちの社交場として接収されるという数奇な運命も辿る。
先日崩御されたエリザベス女王とフィリップ殿下来日の折の午餐会の会場にもなるという栄誉にも浴している。
歴史を教科書や歴史書から接することはたやすい。しかし、東京會舘という飲食を扱う場から歴史の隙間を眺めた時にそこにはまた違ったストーリーにも出会うことができる。
更に2度の新築を経て東京會舘は現在に至る。
東京會舘と浅からぬ縁のある「帝国ホテル物語」を次は読んでみたい。

9/18

「東京會舘とわたし」の上巻第4章はメインバーの物語だ。
そのなかでマティーニの話が出てくる。
バーテンダーの花形の仕事と言えばシェーカーを振るうことを思い浮かべるけれど、マティーニに関しては違う。
ミキシング・グラスの中でカクテルの氷、ドライジン、ドライベルモットを長いバー・スプーンでステアする。シェーカーでは濁りがでてしまうのだ。このバー・スプーンについては我家にも思い出がある。
昔、サントリーが家庭にもカクテルを広げよう的なムーブがあって、カクテルを作るハードリカーやリキュールやレシピ本、シェーカーなどの道具一式をサイドボードに入れて販売することがあったのね。
父も我家用に1セット購入して、その時のバー・スプーンでのステアの方法が會舘ステアと呼ぶもので、人差指と薬指で押さえ、中指で回すというもので、そうするとバー・スプーンがこぎみよいように回るのだけど、慣れないと全然だめなのね。
その時に父が初めてジンフィズを作って、私はどうしても味見がしたくて
それを一口飲んだのね。
子供なのにジンの香りがいいなと思ったわけで、まあその後はすぐに酔ってしまったわけだけど。。。
會舘ステアの話で当時の状況がまざまざと思い出されたのでした。

9/19

台風14号が九州から中国地方と嘗め回すようにひた走って、あちこちに被害を及ぼしている。
そんな中、今日は日中大した雨もなく晴れ間も覗く天気なので、三島の佐野美術館に「小原古邨」|《おはらこそん》の展覧会へ
先日、茅ヶ崎市美術館の「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」がとてものよかったので、その中でも光彩を放っていた小原古邨に心惹かれて訪問。
華やかな色彩、落ち着いた色彩の花鳥のモチーフが多く、100点余りの展示は見ごたえがあった。やはり版画の味わいはいいものだ。

9/22

夜中々寝付けない時は、もうすぐ起きなければいけない時間で、でもまだもう少し寝ていたいと思っていると寝れる。

9/26

9月日記前半でアシダカグモは益虫であるので、2匹とこのまま一緒に住もうと思うことにしたが、ふと気が付くと白いフンをあちこちにしているではないか。なんと恩知らずなことであろう。
さらにあろうことか、私の姿を見かけても逃げなくなった。
完全に舐められとる。

9/27

敬老の日の連休も雨にたたられて家に籠っていたのであるが、秋分の日の連休もまたまた台風の直撃とかしゃれにならない。
どうやら長野北部は天気がそれ程崩れなさそうなので、予定通りキャンプに出掛けた。結局2日間は雨に降られてテントに籠りきりだったのだけど、
3日目に素晴らしい晴天に恵まれた。

日が昇っていく

そして初めて万座温泉に泊まる。
このレポは別noteにてUPの予定。そして今日は大量の洗濯物であった。

9/28

不意に金木犀の花が香ってきた。
ほんとに不思議だけど、金木犀は涼しくなってきていきなり前触れもなく香る。第一香はまだ花も少ないから気づかない。
花に気づく前に香りから開花を知らせるなんて風流だねえ。

9/29

某noteでだし巻き卵の失敗しない配分が載っていた。
柔らかいだし巻きはどうもうまくいかない。
いつも関東風の甘い卵焼きで作っているんだけど、ぜひ試してみるべく取り掛かったんだけど、どうも水分が多いように感じてしまう。
卵がMサイズだったので小さかったかもしれない。
案の定水分多すぎで返せなくて、だし巻きではなくそぼろ卵になってしまった。配分はやはり失敗してみて見当がわかるようになるのかもしれない。

9/30

今朝、富士山にうっすらと雪が付いた。
初冠雪になるかは微妙で溶けてしまうかもしれない。
が、初冠雪になったようだ。
金木犀の香りから初冠雪まではいつもこの時期不意にやってくる。
確実に季節の巡りを感じることができるのは、日本人の記憶のDNAに何世代にも織り込まれているのだと思うと、ご先祖の学習能力と感性に感謝。

先きほど三遊亭円楽師匠の死去のニュースが飛び込んだ。
切れのいい話しっぷりと風刺のきいた話術が好きだったのに残念である。
笑点の司会者にならなかったことが悔やまれる。合掌

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