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早川町逍遥

山梨県の早川町という所にやってきました。
通じている県道37号線は実質的には奈良田で車は終点となり、リニアの残土の運搬のダンプカーがひっきりなしに往復していて何とも落ち着かない。
それでも通りを外れると、美しい早川の流れは川底までの透明度を際立たせて、あちらこちらに美しい瀬を見せる。

町の中央をフォッサマグナが駆け抜け、
登山好きの人なら、北岳や甲斐駒ヶ岳の登山基地である広河原への玄関口である奈良田を擁し、南アルプスの大縦走から一歩外れてたおやかかつ変化に富んだ白根南嶺へも思いを馳せることができる地です。

温泉好きなら奈良田温泉の白根館、西山温泉、光源の里温泉あたりが思い起こされます。

私たちはある鳥さんを目当てにこの地を訪れました。
行きがけに”南アルプス邑 ふれあい広場”という観光案内でトイレ休憩。
いろいろパンフレットを頂いて立ち去ろうとすると、
「早川町立寄りサービス券」があって、「お一人¥1000分の使用ができます」と声を掛けられます。なんでも700枚限定だそうで知らなくて、ありがたく頂きます。

南アルプス邑野鳥公園に向かいます。
県道を左折したところが駐車場でそれから先は車は入れません。
早川に掛かる橋を渡って、入園料一人¥400を払います。もちろん頂いたクーポンが使えました。
お目当ての鳥さんは今回は現れませんでした。季節もちょっと端境期に入りかけているので、留鳥以外には冬鳥はほとんど見かけません。

ダイサギ

ただ、若い管理人さんが、鳥や昆虫類にとても詳しくて、いろいろとお話が盛り上がってしまって、とても楽しいひと時を過ごしました。
ヘルシー美里と同じ資本会社だそうで、様々なエコツアーもあるようです。
鳥や昆虫にとっての住みよい環境というのは、その生き物の適応能力によってそれぞれですが、今あまたに見つけられる鳥さんたちの環境は間違いなく狭められていて、近い将来かなりの鳥たちが絶滅危惧種に登録されるだろうということ。
地球温暖化のみならず、人間の生活環境の変化も鳥たちの生活には大きく関係している。自分の世界だけでなく、共に生きていく生き物たちとも分かち合える地球でありたい。

お目当ての鳥さんには会えなかったけど、奈良田と言えば、白根館を外す訳にはいきません。
旅館業は止めてしまって、今は日帰り温泉のみの運用になっていて、先々もどうなるのかいろいろと心配です。
フロントの対面の食堂入口には、すでに使われなくなってしまった食器類がきれいに重ねられて段ボール箱に入っているのが、なんだか一抹の寂しさも醸し出しています。

日帰り温泉終了の1時間前に着きましたが、結構帰り支度のお客さんがいます。こちらでも「早川町立寄りサービス券」が使えてありがたい限り。
ちょうど先客と入れ違いになり独泉になりました。
湯舟は2つに仕切られていて、どうどうと源泉が流れ出る方は熱め、仕切られた下流側は温めと交互に楽しめます。
お湯の色が日によって変わるので、七不思議の湯と呼ばれています。
この日は微かに笹濁りで硫黄を含むナトリウム-塩化物泉が極上と言うしかありません。なんといってもとろみ感のある湯がまとわりついて至福です。
湯から出る時に指の先が黒くなりましたが、硫化鉄の成分あったかしらん?タオルで拭いたら消えました。

帰路に行きがけに寄った”南アルプス邑 ふれあい広場”でお土産にもち米を買いました。地元産で天日干しとあるので食べるのが楽しみです。

道路もかつて訪れた時よりも大分整備が進んでいて思ったよりも遠くないと感じました。
また白根館に行ってみたいです。今そこに存在しているうちに…


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