見出し画像

丹沢 檜洞丸(1601m)

西丹沢自然教室~つつじ新道~檜洞丸~金山谷乗越~檜洞(沢)~経角沢~
同角尾根~テシロノ頭~板小屋沢ノ頭~東沢左岸尾根(仮)~山ノ神祠

バリエーション周回

私達夫婦にとって山登りが日常となったきっかけは、丹沢山塊という東西40km、南北20kmという山塊が身近にあったということが大きい。
神奈川県の中で丹沢山塊が占める割合は1/6で、なんとこれは、琵琶湖が滋賀県の中で占める割合と一緒だった。

起伏に富み、多くの沢を擁し、初心者から上級者までを楽しませてくれる
その懐の深さが何より私達夫婦を夢中にさせた。

初心者の頃には、登山道を歩くことが当たり前のことだったが、
あるときふとしたきっかけで、丹沢でも道なき道を歩くバリエーションルートを歩く人がいることを知った。

年々登山ブームが盛り上がっていって、列をなす登山者に私達が求めていたものとの軸が少しずつ離れていくことを感じていた。

こうしてバリエーション登山に足を踏み入れたのは、丹沢登山を始めてから7年目のことだった。
私達登山の原点であり、その後長期縦走や沢登りをしていくうえでの、起点のお山が丹沢であり、その軌跡を留めておきたいと思いいたり、
日常の折々に筆を進めて行こうと思う。

画像1

ミツバツツジの便りが届きはじめると、いよいよ丹沢もひととき木花のにぎわいが始まる。
ブナの芽吹きと前後するように、斜面のそこここがピンクに色づく。まだ静かな西丹沢を出発する。なごりの山桜もミツバツツジとその色を競う。

無題2

ゴーラ沢の沢音が聞こえ出すと、ちょっと一区切りな感じでここで休憩していると、歩みの速い人はどんどんと追い越してゆく。
先は長いし行動時間はたっぷり取ってあるので別段急がずのんびりと急坂を登り始める。

この日はわんこが2匹登っていた。
わんこに煽られるのは結構つらいが、御主人様もまだ下のようなので、待っている姿もかわいらしい。

階段が現れると傾斜も少しゆるむのだが、なぜかいつもここが一番しんどい。程なく山頂はベンチが満員くらいな混雑でまずまず。
おにぎりを1個だけ入れて青ヶ岳山荘方面に下ってゆく。

連休前半なのでぼちぼと蛭ヶ岳に宿泊していた人達とすれ違う。

きょうのメインルートはここ、金山谷乗越から檜洞沢を下り経角沢に出合ってそこを詰めていくというものだ。

画像3

先行者を珍しく発見、ついて行くのはつまらないので、やり過ごしてから広めの窪地を下っていくと、沢はすぐに両岸が狭まってくる。

画像15

土の斜面はくずれそうで荒れた感じ、ここは速やかに下る。

画像4

水流が多くなるとナメも現れいい感じ、30分程で経角沢との出合に到着、右にぐぐっと切って今度は経角沢を登っていく。

画像5

広めの沢には湿地を好むお花が少し咲いていた。

無題1

右からの枝沢を2本左からの枝沢を1本やり過ごし、狭い本流に入っていく。登りやすい小滝は楽しくて沢のハイキングという感じ。

画像7

最後まで詰めると行き詰まってしまうので、左手に同角尾根が見え出したところで尾根に這い上がる。

画像9

テシロノ頭から下ったちょどいいポジションに出られた。

画像8

ここから石棚尾根に登りベンチの広場で2度目の食事タイム。残りのおにぎり1個とお菓子とコーヒーでのんびりする。

画像10

尾根のブナは芽吹きにはまだまだで、にょきにょきと木肌だけを晒している。ここから板小屋沢ノ頭まで1時間、そしてきょうの二つ目のメインルート東沢左岸尾根(仮)を下っていくことになる。

画像11

板小屋沢ノ頭のカヤっぽい山頂を左から巻き気味に下り、それでも尾根は外さないようにして大きな崩落地に出る。
しばらくは痩せ尾根なので落ちないように気遣いながらの下りだ。
このあたりはミツバツツジが多く目には楽しいがあくまでも慎重に。

画像12

崩落地に沿って950m圏あたりで崩落地を離れて進路は少し北西に取る。
ふいに崩れそうなところも現れて面食らったりする。ここから900m圏あたりは尾根が広くなり、最もRFに気を使うところだ。
860m圏あたりをぼおっとして右の細い尾根に入ってしまう。
まあそちらからも下れるのだが、正しいRFをしたいので、860m圏まで戻り進路を真西に取る。

この下りはつねに権現山(1138m)を真正面に見て下る感じだ。770m圏あたりから若干進路を北に振り650m圏の鞍部まで下ってゆく。
このあたりはかなり間違え易いので地図とコンパスとにらめっこだ。

鞍部からは北西の尾根に入り小さなピークを二つ越える。そのまま北西に下ってゆくと、もう真下に駐車場が見えるのだが、うっかり降りると崖っぷちだ。

画像14

630m圏で北に振りここは尾根をずうっと忠実に山ノ神の祠まで下ってゆく。ドンピシャで祠の上に出た。
神様、ごめんなさい。

画像13

                             2008.4月

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?