丹沢の楽園
札掛~行者岳北東尾根取付き~行者岳~烏尾山~分岐~ヨモギ平~札掛
バリエーション周回
今日は山仲間の監督に昨年からお願いされていたバリ歩き。
思い返してみれば依頼から1年、その間にいろいろあって実現できたもの
私の中では、うれしさとおめでとうの両方の気持ちでいっぱいなのでした。
当の監督は元気バリバリ全開で、逆に私の方がひいこら付いて行くのに必死だったのだけれど。。。
そんな監督に、ぜひ丹沢の楽園の風景を見せたくて、しいてこの秋の日まで日程をずらしたのでした。
メンバーにkさんとUくん、相方、ぜいぜいを交え、少しの緊張と大きな期待で歩き始めた。
いきなり急登から始まる登りはバリのお決まり。
尾根の両側から境沢、ヤゲン沢の沢音を聞きながら熊さんの落とし物や、鹿の骨と野性味いっぱいだ。
尾根がゆるやかになってくると、森も黄色
そして赤へ
右手に目をやると長大な長尾尾根が飛び込んでくる。
三ノ塔直下から見渡す丹沢三ツ峰のでこぼことは大きな対比だ。
表尾根の登山道と同じ高さになると、ザレを越え行者岳の裏側に出た。
表尾根では富士山がうっすらと顔を出していた。
小一時間もすると雲に隠れてしまったので、間に合ってよかった。
烏尾山のベンチで昼食にする。開けた烏尾山は好きなピーク。
曇りがちだった天気も、ここでは丁度お日様が出始め青空も見え始めて、ポカポカとぬくもったお昼となった。
たわいもない会話や遠くお日様を受けてきらきら光る街の展望や温かい食事などに幸せだなあって思う。
ここから三ノ塔直下を左の踏み跡に入って目指すはヨモギ平。
わが家の古い山渓の登山地図には、「ブナ平」と表示があった。昭文社の地図には記載はないようだし、
どんな言われで「ヨモギ平」なのかはよくわからない。実際はヨモギよりもマツカゼソウとテンニンソウばかり。。。
ひいこらと三ノ塔へのザレを登ってゆき、お地蔵様の分岐からちょっと荒れた斜面を踏み跡通りに左に入っていく。
だいぶ人も入っているようで登山道のよう。右手の小尾根に入り込まぬようにテープも貼ってあった。
丹沢各地で立ち枯れの目立つスズタケだが、ここも例外ではなかった。
ただ、下から新芽が出ていて生まれ変わりの時期なのかもしれない。
ヨモギ尾根も素敵な紅葉だった。が、まだまだ楽園はこんなもんじゃない。
道は、芝生のやわらかい尾根となる。目的地は近い。監督、ルーファイよろしくですよ。
そしていよいよ、キタコレ!!!
野球場の1.5倍か2倍ほどの広さのエアーポケットのように広がる草原の中に、とてもとても背の高いブナ林が広がっている。
標高970m、まだまだ植林の適地であろうこの場所に奇跡のように残っていた空間。
ここを残しておいてくれた先人に感謝せずにいられない。いや、このブナたちが自身の美しさを持ってこの場所にとどめさせたのかもしれない。
日本全国にブナの景勝地はたくさんあるだろうけれど、この小さな場所に肩を寄せ合って生きているこの場所が一番好きだ。
そして、好きだからこそたびたび訪れることを慎む。
いつまでもこの楽園がこの姿で残っていてほしいから。。。
午後の日差しを受けて輝くブナのなんとも言えない美しさ。
これを監督に見せたかったのよ。
みなでしばし見とれた。
さあ、これからのル-ファイが難しい。
地形図とコンパスをにらめっこしながら、監督の的確なルーファイに
こちらは、金魚のふん状態でついていく。うしし、らくちんらくちん。
kさんも、GPSで入念チェック。
最後の下山口をどこにするか、みなで悩む。
タライゴヤ沢の渡渉があるので、なるべく水流の少ない緩やかなところに出たい。
まあなるべくよく踏まれているルートを選んで行くことにすると、最後にはやっぱりトラップが仕込まれていた。
渡渉するにはちょっと深いところに出てしまう。
まあ、それも愛嬌でみな渡りやすそうな所を探して、おもいおもいに渡って無事、札掛の駐車場に着いた。
お疲れさまでした。
2010.11.7
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