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iPhone が売れると ガムが売れなくなる !?

コロナ以前より売上苦戦が続く業界ですが、

いろんな角度でのご相談を頂いてきました。

素材/色/柄/デザイン。。。。

コロナ直前によくお話ししていた内容です。

*Life Style のChange  =  消費StyleもChange !!

アメリカのガム(チューインガム)業界で起きたお話しです。

ファッション業界のみならず

あらゆる業界にも同じことが言える象徴的な現象がありました。

とても興味深いお話しです。

*アメリカのガム業界に起きた事

2008年以来、アメリカのガム(チューインガム)業界は

数年にわたって売上が落ち始めていたようです。

あらゆる改善策を講じましたが

そのどれもがホームランにはならなかったようです。

実は新商品がたくさん誕生したのもこの時期なわけです。

板ガムからタブレット型になったりね。

アメリカ人にとってのガムは

我々日本人の感覚以上に日常に寄り添い、

普通に家庭にある趣向品のようです。

大リーガーが試合中にガムを噛んでいる姿などはご存知の通りです。


*それは、16年前から始まった

ガム•メーカー各社は、

様々な努力を続けていましたが改善が見られませんでした。

ファッション業界同様に、フード業界に存在する、

食感や味、香りなどの傾向(トレンド)情報を入手し、

「新たな味」の開発
「新たなかたち」の開発
「新たなパッケージ」の開発

そのどれもが思うような成果を出せずに苦しんでいたのです。

あるガム会社が、外部のマーケティング会社に調査を依頼しました。

彼らは会社に赴き様々な部署とのミーティングを行ったのです。

営業部、企画部、広告宣伝部、かかわる全ての部門と話した際に

見出されたことは「前年対比」という思考に囚われている実態でした。

営業部は数値実績において、

また企画部は商品開発という視点において、

皆の口から発せられる言葉が「前年」に対し何を努力して来たか

という内容だったのです。

そこには「消費者」という言葉は出てきませんでした。

マーケティング会社のスタッフは実際にガムが売られている

店舗のリサーチを始めました。

「そこで根本的な問題が発見されたのです。」

ガムはアメリカ人にとって、あって当たり前の趣向品のため

売り場はレジ周りにセットされており、

レジで並んでいる際に無意識に手に取ることができるように

配置されていました。

レジに並んでいる人々の動向を見ていた彼らの目に入って来た風景、

それは。。。

「皆がiPhoneを眺めながらレジ待ちをしている様子でした。」

ある者はメールのやりとりをしながら、

またある者はニュースを見ながら、

あるいはゲームをしながら。

お客様は、そのまま自分の番が来たら

レジに買い物カゴを置くという自然な動作が繰り返されていたのです。

レジ前での無意識買いという行動が大幅に減っていた原因は

そこにあったのです。

iPhone(スマートフォン)が発売され、

今年で16年になります。

まさにガム業界の売上低下はそのタイミングから始まっていたのです。


*提供者は自分も消費者であることを忘れずに

技術革新が生んだ人々のライフスタイルの変化、行動の変化を見逃し、

業界の情報に頼った商品開発に邁進していたガム業界にとって、

その結果は「根本的な気づき」でもありました。

あらためて消費者を見つめることが大切な時代なのです。

見るべきは、マーケットそのものであり、

そこに存在するライフスタイルの変化に敏感であることが

提供者に求められる重要な資質なのです。

ではまた次回!


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